著者:佐藤 卓己[さとう・たくみ] (1960-) メディア論。
【目次】
目次 [003-009]
凡例 [010]
第一章 輿論は世論にあらず 013
日本的「世論」への不信 013
万機公論に決すべし 023
世論に惑わず 030
市民的公共性とファシスト的公共性 035
第二章 戦後世論の一九四〇年体制 040
「あいまいな言葉」の深層 040
プロパガンダの代用語「マス・コミュニケーション」 043
輿論指導の戦時科学 050
「戦争民主主義」の科学 060
第三章 輿論指導消えて、世論調査栄える 074
情報局とGHQ民間情報教育局 074
当用漢字表による「文化の民主化」? 082
輿論調査協議会から国立世論調査所へ 090
公共的意識管理システムの成立 096
第四章 終戦記念日をめぐる世論調査 100
八月十五日の世論と九月二日の輿論 100
国民の世論と国会の輿論 109
「祝祭日に関する世論調査」 112
「平和の日」消滅と「終戦記念日」成立 124
第五章 憲法世論調査とポリズム批判 127
空気〔せろん〕の変化と議論〔よろん〕の停滞 127
一九五〇年代の再軍備世論 134
マルクス主義者のポリズム批判 139
世論調査の自己成就 147
第六章 「声なき声」の街頭公共性 152
近代日本史上最大の大衆運動? 152
五・一九運動と「声なき声」 157
父の輿論と娘の世論 166
安保闘争のパラドクス 174
第七章 東京オリンピック――世論の第二次聖戦 178
聖火と聖戦と 178
新聞輿論と低い参加意識 185
テレビンピックの視聴率 189
高度化への国民的ドラマ 195
第八章 全共闘的世論のゆくえ 199
大学全入時代の落とし穴 199
インテリの輿論と全共闘の世論 202
「東大紛争」をめぐる輿論と世論 208
安田砦決戦前の緊急世論調査 217
第九章 戦後政治のホンネとタテマエ 229
田中角栄人気の構造 229
メディア権力としての田中派 235
戦略性を欠いた日中外交 239
「日本社会の影〔シャドー〕」としての田中=中国 245
第十章 テレビ世論のテンポとリズム 249
教育問題という議題設定 249
中曽根支持率の特異性 254
「神の声」を伝える巫女 260
世論を製造する私的諮問機関 266
第十一章 世論天皇制と「私の心」 271
過ぎ去らぬ記憶 271
シンボル天皇制の世論調査 278
自粛現象とXデイ報道 284
「沈黙の螺旋」と歴史認識 290
第十二章 空気の読み書き能力 294
小泉劇場の歴史的教訓 294
「よろん」に関する世論調査 301
メディア操作という神話 308
一人からはじまる輿論 314