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『憲法への招待 新版』(渋谷秀樹 岩波新書 2014//2001)

著者:渋谷 秀樹[しぶたに・ひでき] (1955-) 憲法学。


憲法への招待 新版 - 岩波書店


【目次】
はじめに [i-vi]
目次 [vii-ix]


第1章 憲法とは何か 001
01 聖徳太子の十七条憲法は「憲法」か 002
  西欧起源の憲法
  国家はどう作られたか
  国家は想像の産物か
  聖徳太子の十七条憲法
02 権利の規定に比べて義務の規定が少ないのはなぜか 009
  憲法にある義務
  法的義務か
  授権規範と制限規範
  政府に義務を課すこと
03 憲法は私たちが守らなくてはならないものか 015
  法の支配と人の支配
  高次法思想と自然権思想の合流
  日本国憲法と「法の支配」
04 憲法改正手続を定める憲法九六条は改正できるか 020
  序列のある憲法規範
  憲法を作る権力と憲法で作られた権力
  八月革命説
  八月革命説の問題点
  どう正統化できるか
  憲法改正規定の改正


第2章 人権とはそもそも何か 031
05 人権は無制限に保障されるのか 032
  自然権思想
  道徳理論
  日本国憲法の規定が示す根拠
  人権の性質
  人権の限界
  「公共の福祉」とは何か
  権利の類型化とその制限
  「二重の基準論」の考え方
06 「国民」と「外国人」の間に人権保障の差はあるのか 041
  人権の固有性と普遍性
  「国民」とは何か
  日本国憲法における国民
  「国民主権」でいう「国民」=国籍保有者+定住者
  外国人の参政権
  判決の「国民」理解
07 「いじめ」は憲法に反する人権問題なのか 051
  「個人の尊重」としての人権
  なくならない差別
  憲法上の権利は政府と私人の間を規律する
  人権規定の私人間効力
  ストレートな適用はなぜダメなのか
  政府と私人の決定的な違い
  政府のなすべきこと
  法律整備の必要性
08 憲法の明文にない「知る権利」は保障されないのか 061
  社会は変わる
  憲法を改正する
  人権規定を解釈する
  「包括的基本権」条項を使う
  新しい人権
  一三条固有の権利
  プライバシーの権利の登場
  プライバシーの権利の本質
  プライバシーの権利の根拠条文
  情報公開法と「知る権利」
  特定秘密保護法


第3章 どのような人権が保障されるのか 077
09 女性の再婚禁止期間の規定は「法の下の平等」に反するか 078
  平等の問題
  形式的平等と実質的平等
  平等は比較の問題である
  所得税は不平等か
  男女の間の異なる取扱い
10 「日の丸」と「君が代」の強制はなぜ問題か 087
  国旗・国歌と政府の対応
  思想及び良心の自由
  教育をめぐる権利・義務
  公教育の果たす機能
  「日の丸」「君が代」のもつ意味
  公立学校の儀式における強制
  教師の権利
11 内閣総理大臣靖国神社への参拝はなぜいけないのか 098
  軍国主義のバック・ボーン
  宗教の自由
  政教分離原則の本質
  宗教的活動との分離
  靖国神社の何が問題か
  平和主義との抵触
12 無修正ポルノはなぜ売ってはいけないのか 109
  なぜ「表現の自由」を保障するのか
  規制はどう正当化できるか
  規制根拠を再考する
  ヘイト・スピーチ
13 犯罪者にはどのような権利が保障されるのか 119
  刑事事件と憲法の規定
  令状主義
  裁判員制度
  裁判員制度憲法
  死刑について
14 都市計画で土地を自由に使えなくなった所有者は補償されるのか 126
  所有権の絶対性
  財産権の変化
  二九条の矛盾
  補償の要否をどう判断するか
  土地利用のあり方
15 生活保護の支給額が低すぎるとき裁判で差額を請求できるか 133
  貧困者の救済
  恩恵から権利へ
  国政の指針に過ぎない?
  裁判所も法的効力は認める
  生存権と裁判所の救済
  生存権立憲主義の原点
16 選挙区間の一票の価値の不平等は許されるか 142
  選挙に関する諸原則
  投票価値の較差
  最高裁判所の判断
  一人別枠方式の合憲性
  どう考えるべきか


第4章 政府を動かす原理は何か 151
17 内閣総理大臣の公選制に合理性はあるか 152
  権力分立思想の誕生
  権力分立の本質
  権力分立原理のさまざまな制度化
  日本の議院内閣制
  「首相公選論」の問題点
18 国民代表が決めた法律を裁判所が違憲・無効とできるのはなぜか 162
  憲法の定める民主主義
  民主主義と立憲主義
  裁判にも民主的正統性がある
  違憲審査権の正統性
  立憲主義の精神
19 「象徴」としての天皇には何ができるのか 172
  天皇は主権者かつ統治権者であった
  天皇は主権者でも統治権者でもない
  象徴とは何か
  女系または女性の天皇は認められるか
  象徴としての行為?
  どのように考えるべきか?
  天皇の政治的中立性
20 日本の上空を通過する他国を攻撃するミサイルを撃ち落とすことは合憲か 182
  自衛権とは何か
  自衛戦争を放棄したか
  警察力と軍事力
  戦力でない軍事力
  現実は規範と乖離しているか
  集団的自衛権と日本
  9・11報復戦争とイラク戦争
  自衛隊の変容
  九条改正論について


第5章 政府の活動内容は具体的にどのようなものか 199
21 国会は何を法律として定めることができるか 200
  ルールを作る権限はどこに?
  ルールとは何か
  「ルール」でないものも作っている
  国会が暴走したらどうするか
22 内閣は「法の執行」以上のことをしているのではないか 207
  内閣とは何か
  行政とは?
  内閣の職務としての執政
  三権分立
  権力分立か
23 裁判所は事件に法律を機械的に適用しているだけか 213
  裁判所は機械か
  裁判とは創造的な行為である
  裁判官の職権行使の独立
  憲法判例が変更された例①――尊属殺重罰規定
  憲法判例が変更された例②――非嫡出子法定相続分差別規定
  違憲判断の及ぶ範囲
24 都道府県や市町村は独自にどのような仕事ができるのか 224
  二元的な統治構造
  地方統治の根拠は被治者の同意
  中央と地方の衝突
  中央と地方の事務配分
  改正地方自治法の原則
  法律と条令
  道州制の問題


表1 「憲法の体系」 [235]
表2 「個別の人権の分類」 [236]
あとがき(二〇一四年一月五日 産婆として地域の人に愛され、自分が最後にとりあげた子として私を慈しんでくれた祖母・ふゆが産湯をつかった赤子のごとく入浴したまま八〇歳で逝ってから四〇年目の日に、正義が邪悪なものに打ち克ち、美しい日本の平和と自由が永遠に続くことを祈って 渋谷秀樹)  [237-239]