著者:島井 哲志[しまい・さとし] (1950-) ポジティブ心理学、健康心理学、公衆衛生学。
英題:HAPPINESS: SCIENCE & PRACTICE
NDC:141.6 普通心理学・心理各論
備考:タイトルの「幸福」に「しあわせ」とルビが振られている。
【目次】
目次 [i-iv]
第I部 幸福の構造をさぐる
第1章 幸福研究の新しい時代のはじまり 003
1 現代の幸福のかたち 003
2 日常生活の経験を精密に測る――カーネマン教授の試み 006
3 幸福とお金の複雑な関係――カーネマン教授の関心 008
4 データに基づくアプローチ 014
5 幸福をたずねる直接的方法――幸福感を測定する尺度 016
6 幸福研究の新しい時代の扉を開ける 021
第2章 幸福な人たちの特徴 027
1 幸福な人 027
2 幸福な人は自分を他の人と比べるのか――自己評価の特徴 029
3 幸福な人は出来事をどうとらえているのか――認知の特徴 031
4 幸福な人はどのような撰択をするのか――行動の特徴 036
5 幸福な人の仲間との関係――対人関係の特徴 040
6 幸福な人の心理的プロセス――認知・動機づけの特徴 044
第3章 幸福感の諸側面 049
1 幸福の諸側面をどうとらえるか 049
幸福感の階層構造(50)
並列的な幸福感(52)
2 幸福感の諸側面の並列的なリスト 054
(1) 感情の側面(55)
(2) 対人関係の側面(59)
(3) 適応の側面(62)
(4) 仕事へのエンケージメン卜(関与)の側面(65)
(5) 日常生活の側面(70)
(6) 人生の意義や宗教性(73)
3 幸福感の諸側面とその構浩 075
第II部 個人の時間軸からみた幸福の構造
第4章 現在の幸福を生み出すもの 085
1 幸福感を時間軸でとらえる 086
今この瞬間の幸福感――日常活動の幸福度(87)
直接的な快感の影響と中長期的目標(90)
2 フロー経験 092
フローになりやすい素質や習慣(93)
フローを支える条件(94)
ジャンク・フロー(100)
フロー経験と文化(102)
3 コミットメントとエンゲージメント 105
バイタル・エンゲージメント(105)
ワーク・エンゲージメント(107)
ワーク・エンゲージメントの関連要因(111)
スクール・エンゲージメント(113)
第5章 過去と幸福の関係 119
1 幸福はあらかじめ決定されているのか 119
2 気質や性格が幸福を決定しているのか 122
5因子性格特性と幸福感の関連性(122)
「非常に幸福な人」の行動特性(125)
幸福感の遺伝による説明率は50%(127)
3 ポジティブな感情と幸福のつながり 128
卒業アルバムの個人写真の笑顔(128)
一般化はどこまでできるのか(131)
感情語と長寿との関連(133)
感情と職業生活との関連(135)
4 人は過去の出来事をどう位置づけようとするのか 137
自伝的推論の特徴(137)
自己のアイデンティティと記憶の再構成(139)
過去を「幸福になる」ための資源として活用する(142)
過去を用いた「現在の幸福」へのアプローチ(145)
第6章 未来への希望を支えるもの 151
1 未来に期待することの重要性 151
2 どうして悲観的な因果関係にとらわれるのか 154
無力感の研究のはじまり(154)
学習性無力感から楽観性研究へ(159)
絶望感という側面(168)
ポジティブ心理学運動の影響(172)
3 希望の構造――価値ある目標道筋思考と効能思考 174
4 未来に期待することがすべてではない 179
第III部 幸福へどう介入できるのか
第7章 幸福になるためにできること 187
1 幸福を感じる諸要因――因果関係は複雑である 187
2 選択肢が多いことと幸福 191
3 幸福を追求するポジティブ介入 196
意図的なポジティブ活動(196)
効果的なポジティブ活動の条件(198)
楽観性・希望の介入(202)
感謝の介入(204)
親切の介入(208)
その他の介入(211)
4 ポジティブ介入によってもたらされるもの 213
第8章 一人ひとりに合わせた幸福――多様な幸福を実現するためには 219
1 幸福の多様性とその要因 219
幸福の追求と国のあり方(221)
社会的互恵関係と社会的支援(225)
文化と幸福(229)
個人差・パーソナリティと幸福(233)
宗教的信念と幸福(235)
人生の意義(239)
人生の意義の多様性(241)
2 持続する多様な幸福の「拡張‐形成理論」 244
ポジティブ感情の「拡張‐形成理論」(247)
持続可能な幸福の「拡張‐形成理論」(248)
拡張‐形成を成立させる要件(251)
個人資源と社会資源の形成(254)
あとがき(2015年8月 島井哲志) [261-263]
事項索引 [265-269]
人名索引 [270-271]