編者:井上 俊[いのうえ・しゅん] (1938-) 文化社会学。
装丁:井上 二三夫[いのうえ・ふみお] ブックデザイナー。
NDC:361.5 文化.文化社会学:文化変容,社会進歩,社会解体
【目次】
目次 [i-viii]
序 現代文化のとらえ方〔井上俊〕 001
「みせもの」の文化
展示と消費
「みせかけ」の文化
人生と世界の物語
編集可能な世界?
I 現代文化へのまなざし
1 都市文化としての現代文化〔近森高明〕 018
盛り場の消失
都市空間のモール化
実存と消費の癒着
実存と消費の乖離
都市空間のリアルはどこに?
2 消費文化としての現代文化〔加藤裕治〕 033
一九七〇年、『an・an』の創刊が意味するもの
「夢の消費革命」の出現
生活の維持のための消費から、生活に意味を与えていく消費へ
生活と消費の切り離しがもたらすもの
消費文化による生活文化の変容
「夢」の可能性を再考すること
3 情報文化としての現代文化〔岡田朋之〕 048
「情報社会」としての現代社会とメディア
メディア文化論のはじまり
疑似環境としてのメディア環境
情報文明論としてのメディア論
デジタルメディア、あるいはインターネットと文化変容
メディアという枠組みを超えて
4 グローバル文化としての現代文化〔山田真茂留〕 066
カラヤンとコカ・コーラ――グローバル化とポピュラリティ
ディズニー・パークとルネッサンス・フェスティバル――曖昧で雑駁な夢
タングルドなラプンツェル――どこにもない世界
パンクとサッカー――連帯か分断か
オムニボアの世界――雑食するのは誰?
ロードサイド・カルチャーの風景――どこにでもある文化
5 文化と権力〔松浦雄介〕 081
クール・ジャパンの現在
文化を規制する力
文化を推進する力
グローバル時代の文化と権力
II メディアとシンボルの世界
6 メディアの変容――若者のケータイ・スマホ文化とキャラ的コミュニケーション〔土井隆義〕 098
常時接続のためのメディア
加速する人間関係の流動化
キャラというシンボル操作
かけがえのなさからの疎外
7 映像文化の三つの位相――見ること、撮ること、撮られること〔長谷正人〕 114
流動化する映像文化
「見ること」としての映像文化
「撮ること」としての映像文化
「撮られること」としての映像文化
8 ポピュラー音楽の社会学〔岡崎宏樹〕 132
マイケル・ジャクソンという現象
〈トータルな社会現象〉としてのポピュラー音楽
テクスト、音楽生産・需要、パフォーマンス
ポピュラー音楽のオーディエンス
深い音楽体験と価値意識
9 〈少年‐マンガ‐雑誌〉という文化〔瓜生吉則〕 147
『ジャンプ』のスタイル
「投稿」するアマチュア
「読者」と「消費者」とのあいだ
“想像の教導体”を支えるもの
〈少年‐マンガ‐雑誌〉という文化――「商品」にして「商品」にあらず
マンガを〈文化〉として語るために
10 メガ・スポーツイベントの力学――オリンピックと都市東京〔清水 諭〕 163
社会的出来事としてのスポーツ
一九六四年東京オリンピック
二〇〇〇年オリンピック東京招致
「臨海副都心開発」計画
スポーツ立国論とスポーツ基本法
オリンピズムと文化政策の行方
III 日常の文化
11 ファッションという制度〔河原和枝〕 180
ファッションと流行
ファッション革命
「ライフスタイル」を表すファッション
ファストファッションの隆盛
アイデンティティをもつ自由
12 観光と文化――真正性〔オーセンティシティ〕をめぐって〔野村明宏〕 194
文化観光と観光文化
平等社会の差異化競争
ふたつの観光のまなざし
疑似イベントを楽しむツーリスト
真正性を求めるツーリスト
現実とイメージの転倒
シミュラクールとオーセンティシティの喪失
観光化する日常オーセンティシティ
13 愛と性の文化〔牟田和恵〕 209
文化としての「愛」と「性」
恋愛という脅迫
現実の恋愛経験
恋愛の歴史と凡庸化
恋愛より刺激的?――現代のサブカル
ジェンダー化された性的欲望――ヘテロノーマティビティを問う
性行為のテキストとしてのAV、エロ漫画
恋愛からの逃走
14 文化現象としての「支援」――人助けは誰のためのものか〔永井良和〕 226
現象としての「人助け」
〈援助〉と〈支援〉
〈応援〉と〈サポート〉
地獄への道は善意で舗装されている
付 現代文化研究の視点と方法 キーワード解説
カルチュラル・スタディーズ〔野村明宏〕 242
言説分析〔近森高明〕 243
ジェンダー・スタディーズ〔牟田和恵〕 244
文化記号論〔長谷正人〕 245
文化資本と文化的再生産〔河原和枝〕 246
文化社会学〔井上 俊〕 247
ポピュラー文化論〔加藤裕治〕 248
マルクス主義の文化論〔松浦雄介〕 249
量的方法と質的方法〔永井良和〕 250
見開きエッセイ
キャラ文化の越境〔山中千恵〕 064
プロセスとしてのアート〔藤澤三佳〕 112
転じて付ける、技の文学〔清水 学〕 130
世界の琴線にふれる〔亀山佳明〕 224
あとがき(二〇一四年五月 井上俊) [252-253]
事項索引 [255-257]
人名索引 [238-239]
執筆者紹介 [260-262]