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『現代の貧困――リベラリズムの日本社会論』(井上達夫 岩波現代文庫 2011//2001)

著者:井上 達夫[いのうえ・たつお]
件名:天皇
件名:日本--社会
NDC:302.1 
NDC:304 


現代の貧困 - 岩波書店


【目次】
序 〈哲学の貧困〉から〈貧困の哲学〉へ [iii-xvii]
目次 [xix-xxiv]


第I部 関係の貧困

第1章 天皇制を問う視角――民主主義の限界とリベラリズム 003
  1 「経済大国」の自画像と天皇制 003
    1 二つの戦後日本物語 003
      戦争以降の風景
      幸福なる結婚論
      未成熟依存症論
    2 第三の視点 022
      共通前提の懐疑とリベラリズム
      民主主義理解の問題
  2 王様を愛する民主主義 027
    1 「民主主義に王様はいらない」か? 029
      共生理念と市民生活
      市民生活と民主主義――王様をめぐる葛藤
    2 下からの天皇制 038
      日本村
      元号法制化
      愛の民主主義――津田左右吉の場合
  3 リベラル・オールタナティヴ 059
    1 民主主義より根源的なもの 059
      評価基準の転換
      〈関係の豊かさ〉をめざして
      〈人間が豊かな共生社会〉の政治的条件
      憲法の哲学
    2 原理による統合 081
      人権原理と天皇
      異質性の不可視性
      原理による統合

  〔付論〕補足と解題――天皇制・民主主義・リベラリズム 092
    1 背景 092
      昭和末の狂宴
      見えない問題
    2 生活者の天皇論と民主主義 098
      戦後思想の四象
      「革新」の風化と幸福なる結婚論
      生活者の反乱と未成熟依存症論
      「無力の共鳴」と「無責任の体系」
    3 下からの天皇論 107
      ラディカルな両立論
      民主主義の共同体的基盤
      「日本村」の普遍性
      ナショナリズムと民主主義
      エリート・大衆・天皇
    4 現代日本リベラリズム 120
      豊かさの意義転換とポスト五五年体制
      新ノモス主権論――戦後憲法の再発見


第II部 共同性の貧困

第2章 個人権と共同性――「悩める経済大国」の倫理的再編 133
  序論 133
  1 「権利の領国」における共同体への要求 139
    1 共同体論の諸相 139
      ① メタ倫理学におけるコンヴェンショナリズム
      ② 反原子論的人間観
      ③ 共通善の政治
      ④ 公民的共和主義
    2 並行的・呼応的な理論展開 144
  2 「共同体の領国」における個人権への要求 148
    1 現代日本における共同体論と社会主義 148
    2 日本的共同性の陰――象徴死としての過労死 164
    3 中間的共同性の先制 179
  3 開いた共同性の基礎としての個人権 184
  結論 193


第III部 合意の貧困

第3章 合意を疑う 199
  1 問い 199
  2 真理と合意――存在の豊饒性 201
  3 正統性と合意――民主制の問題 213


第4章 政治的知性の蘇生に向けて 229
  1 変わらざる五五年体制 229
  2 問題はどこにあるか 232
  3 政治的意思決定システムと選挙制度 234
  4 リベラル・デモクラシーの制度戦略 239


第5章 コンセンサス社会の危機と変革 247
  序論――コンセンサス社会日本の栄光と挫折 247
  1 価値の亀裂――アンビヴァレンスと方向感覚喪失 250
    1 成熟志向と成長志向の葛藤 250
    2 個人主義集団主義の錯綜 254
  2 コミュニケーションの亀裂 258
    1 世代間亀裂の深まり 258
    2 仕切られたコミュニケーション 260
    3 談合政治の破綻 262
  3 変革の展望――〈会話型社会〉の誕生に向けて 264
    1 コミュニケーションの構造転換――〈融合〉から〈会話〉へ 264
    2 共依存からの自立――自己決定・自治・情報公開 268
    3 政治の構造改革――批判的民主主義の構想 270


注 [275-303]
あとがき(二〇〇一年二月 立春を過ぎて 井上達夫) [305-310]
現代文庫版へのあとがき―― 一〇年後の〈いま〉に向けて(二〇一一年一月 厳冬に未来を思ふ身振ひつつ 井上達夫) [311-325]