原題:The Two Koreas: a Contemporary History, Third Edition (Basic Books, 2013)
著者:Donald Oberdorfer Jr. (1931-2015)
著者:Robert L. Carlin(1947-)
訳者:菱木 一美[ひしき・かずよし](1936-)
訳者:阪堂 博之[はんどう・ひろゆき](1958-)
訳者:平野 功[ひらの・こう]
訳者:武井 徹[たけい・とおる]
訳者:磐村 和哉[いわむら・かずや]
編集:唐木 優衣[からき・ゆい]
装幀:芦澤 泰偉[あしざわ・たいい](1948-) 装幀家。
カバー写真:AP/アフロ
件名:朝鮮問題
NDC:319.21 政治 >> 外交.国際問題 >> 朝鮮
NDLC:A76
メモ:原書の初版は1997年。
【目次】
目次 [001-005]
主要関連人物 [006-009]
地図 [010]
タイトル [011]
第三版への序文(ロバート・カーリン) [012-014]
日本語版への序文(ドン・オーバードーファー) [015-020]
第1章 野鳥さえずる非武装地帯 021
二つのコリアの始まり
朝鮮戦争とその結末
交渉の起源
金日成
南との対話
第2章 始まりの終わり 046
朴正煕
維新クーデターとワシントン
維新体制の衝撃
第3章 深まる苦悩 065
緊迫化する情勢
日本とのあつれき
地下の戦い
北からの挑戦
サイゴンのこだま
韓国の核兵器計画
非武装地帯の殺害事件
第4章 カーターの戦慄 100
カーターの撤退政策:発端と実施
平壌からの見方
撤退計画の結末
第5章 暗殺とその余波 125
高まる国内の緊張
全斗煥登場
光州蜂起
金大中を救う戦い
第6章 テロと対話 152
交渉の軌道
洪水と直接対話
金日成と対ソ関係
第7章 ソウルの民主化闘争 173
政権交代をめぐる抗争
八七年大統領選
第8章 ソウル五輪、国際社会へのデビュー 190
五輪がやってくる
大韓航空858便爆破事件
北方政策の萌芽
緩やかな主導権を模索し始めた米国
第9章 モスクワの変心 207
変心を促した経済要因
ゴルバチョフ・盧泰愚会談
シェワルナゼ使節団
「赤旗はいつまではためき続けるか」
韓ソ経済交渉
第10章 立場を変えた中国 239
北朝鮮訪問
中国の路線転換
第11章 核問題への関与 258
核計画の起源
核外交:米国の武器
最初の対応措置
十二月協定
ニューヨークでの会談
査察の始まり
初査察
調停から危機へ
第12章 脱退と関与 289
軽水炉計画
金泳三の警鐘
危機の季節の始まり
第13章 核兵器をめぐる対決 313
核燃料棒取り出しの危機
軍事路線
対立の激化
カーター訪朝
第14章 死去と合意 346
時代の終わり
金正日の権力継承
米朝枠組み交渉
枠組み合意の波紋
金正日体制
平壌訪問
原子炉をめぐる争い
第15章 危機の北朝鮮 375
韓国政界の激震
首脳外交と四者協議の提案
潜水艦侵入事件
北朝鮮の急激な衰退
黄長燁の亡命
南北の試練
第16章 関与政策への転換 413
天空と地下の騒動
援助依存国家へ
助っ人ペリーの登場
南北首脳会談へ向けて
平壌での南北首脳会談
米国との関与
第17章 米朝枠組み合意の終焉 448
前途多難なスタート
九・一一の衝撃
和解の機運:日朝対話
立ちはだかる強硬派の壁
金正日の革新
米側の不穏な言動
後悔先に立たず
第18章 混迷の米韓同盟 493
難航する外交
太陽政策に陰り
高まる緊張
六カ国のはかない夢
核計画の開示
ジグザグの一年
KEDOの終わり
ついに政策転換へ
豊渓里のごう音
第19章 裸の王様 542
後継体制への予兆
低迷する外交
険悪なスタート
クリントン訪朝
南に目を向けて
第二回南北首脳会談
秘密会談、世論の葛藤
強まる中国の影響力
通貨切り上げの失敗
延坪島砲撃事件
金正日の死去とその後
金正恩新体制
結び 589
南北新指導者の立場
新たな危機の高まり
中国の影
不安定な平和
訳者あとがき(二〇一五年八月 菱木一美) [599-601]
引用出典と情報源 [17-53]
索引 [1-16]
著訳者略歴 [655]
【メモランダム】
・著者と訳者はともに記者(Robert Carlinは第三版の改定からの参加)で、本書もジャーナリスティックな本。
・初版の日本語訳(1998年)刊行当時の、倉田秀也による短評。
ドン・オーバードーファー、菱木一美訳『二つのコリア-国際政治の中の朝鮮半島』
【抜き書き】
・改訂履歴と翻訳の分担について、「訳者あとがき」に情報が載っている。
なぜか奥付には共訳者4名の名は載せられていないが、ある記者のプロフィールには「共訳:『二つのコリア』」としっかり書かれている。
ドン・オーバードーファー著『二つのコリア』(原題:The Two Koreas)の初版が米国で出版されたのは一九九七年秋。冷戦時代を超えて一層の危機をはらみ続ける朝鮮半島の現代史を迫真的に描き出した本書は、米国だけでなく国際的に極めて高い評価を受けた。邦訳は九八年春に出版され、アジア・太平洋賞大賞(毎日新聞社主催)を受賞している。二〇〇一年には、新たな一章(第十六章)を加えた改訂版(邦訳『二つのコリア 特別最新版』、二〇〇二年)が出版された。今回の第三版では長年、米朝交渉の最前線で北朝鮮側との直接接触を続けてきた元米当局者のロバート・カーリンが共著者として参画し、朝鮮半島の最新情勢に焦点を当てた詳細な増補(第十七章~第十九章)が行われた。また旧版部分(第一章~第十六章)も新たな視点と史料を加えて大幅に改訂された。
「訳者あとがき」『二つのコリア』p. 599
今回の出版に当たっては、静岡県立大学の伊豆見元教授から格別のご尽力をいただいた。旧版部分(序文、第一章~第十六章)の改訂・翻訳は菱木一美が担当した。増補された三章の翻訳は共同通信で朝鮮半島情勢の報道に携わる阪堂博之(第十七章)、平野功(第一八章)、武井徹・磐村和哉(第一九章)、磐村和哉(結び)がそれぞれ担当し、菱木が監修した。本書の出版に関わる編集および調整の作業は株式会社共同通信社・出版センターの唐木優衣が担当した。
「訳者あとがき」『二つのコリア』p. 601