著者:荒木 優太[あらき・ゆうた] (1987-) 日本文学。有島武郎の研究。
NDC:002 知識、学問、学術
NDC:281 伝記(日本)
【東京書籍】 一般書籍 人文社会 これからのエリック・ホッファーのために
【目次】
はじめに――これからのエリック・ホッファーのために [002-009]
在野研究の心得 [010-012]
もくじ [013-016]
第一章 働きながら学問する
どれくらい働いたらいいのか?――三浦つとむ(哲学・言語学) 018
算数=ミステリーからの出発/マルクス・エンゲルスと出会う/在野仲間を探そう/論文「弁証法は言語の謎をとく」と時枝言語学/民科からの除名/「立ち読み」の達人/二者択一からの脱却
終わりなき学びを生きる――谷川健一(民俗学) 033
文学青年から平凡社社員へ/民俗学への開眼/小説家デビュー/沖縄へ/地方研究者の困難/「小さきもの」へのまなざし/終わりなき学びを生きろ
学歴は必要か?――相沢忠洋(考古学) 047
考古学との出会い/納豆売りの研究生活/岩宿遺跡の発見/専門家とのコミュニケーション/在野研究者の子供
第二章 寄生しながら学問する
絶対に働きたくない――野村隈畔(哲学) 060
野村隈畔とは?/徹底的な労働嫌い/倫理への興味/師匠としての岸本能武太/真っ暗闇の上京/ドツボの生活/絶対に働きたくない/波多野精一との因縁/死ぬ気で「ゴロゴロ」する/情死の最期/隈畔から学ぶべきこと二つ
勝手にやって何が悪い?――原田大六(考古学) 078
敗戦から考古学へ/勝手に考古学者宣言/師匠としての中山平次郎/言論封殺するアカデミシャン/コトとモノの相互補完/文化財自主管理/内助(というより外助)の功
第三章 女性と研究
女性研究者という生き方――高群逸枝(女性史学) 092
女教員時代/橋本憲三との恋愛と結婚/〈森の家〉生活の始まり/母性保護の要求/古代母系制の探求/後援会と助成金/在野研究者のアキレス
大器晩成ス――吉野裕子(民俗学) 107
大学進学志望を諦める/吉野英二との結婚/アラサー女子大生/アラフィフ扇研究者へ/性のタブーを突破する/アラ還の文学博士/有意義な「出会い」のために
第四章 自前メディアを立ち上げる
自前メディアで言論を――大槻憲二(精神分析) 120
フロイト受容に尽力す/大学教師を諦めてから/ウィリアム・モリス研究からの出発/精神分析と民俗学/「大学を自らおん出てから自由の言論をなすべし」/技術的学問と指導的学問/勝手に精神分析実践/トンデモに開き直る?
評伝の天才――森銑三(書誌学・人物研究) 137
地元図書館の臨時雇い/教師生活と『小さな星』/編纂所に就職/三古会と『伝記』/情けは人のためならず/戦前から戦後へ
言葉を造る――平岩米吉(動物学) 150
連珠から動物学研究者へ/メディアからメディアへ/「動物文学」とは何か?/〈会〉の結成/科学と芸術、動物と文学/平易志向
第五章 政治と学問と
政治と研究――赤松啓介(民俗学) 161
〈非常民〉民俗学の発明/高い流動性/民俗学入門、左翼入門/研究者の階級性/統制された研究生活を目指して/収監時代/インテリに対する不信/未来の母系複婚制/「本当に学ぶことができる人びと」
市民社会の中で考える――小阪修平(哲学) 179
なぜ全共闘か?/三島由紀夫との討論/全共闘世代の転向/フリーター生活へ/塾講師という転機/廣松渉の寺子屋塾/同人誌『ことがら』の編集/市民社会という場所/知が大衆化した社会のなかで
第六章 教育を拡げる
「野」の教育法――三沢勝衛(地理学) 194
地元に根づく研究者/中学校教員時代/寺田寅彦に相談する/地理学と教育/「野外」教室/「風土」とは大地と大気の接触面/教師の優位性
領域を飛びわたれ――小室直樹(社会科学) 207
目指せ第二のノーベル賞学者/各分野の学者に弟子入り/パーソンズの構造‐機能分析/ルンペン学者の誕生/領域を横断せよ/大学の価値とは役立たない価値/アカデミズムからジャーナリズムへ/インターディシプリナリーの条件
第七章 何処であっても,何があっても
好奇心が闊歩する――南方熊楠(民俗学・博物学・粘菌研究) 224
前歯と愛国/学校嫌いの勉強大好き/単身アメリカ留学へ/『ネイチャー』に寄稿する/知の翻訳/「文士」として生きる/熊野の自然で粘菌研究/書物を越える好奇心
旅立つことを恐れない――橋本梧郎(植物学) 239
ブラジルへの移民政策/小使い兼校長兼事務員/栗原自然科学研究所に所属/ブラジル植物探検史/在野研究の先達
あとがき――私のことについて,あるいは〈存在へのあがき〉について [249-254]
【抜き書き】
この本は元々、インターネット上で運営されているオピニオン・サイト「En‐Soph」(エン‐ソフ)において、2013年10月から連載が始まった「在野研究のススメ」を単行本用に加筆修正して再構成したものである。
(249頁)