原題:The Evolution of Modern States: Sweden, Japan, and the United States (Cambridge University Press)
著者:Sven Steinmo(1953-) 政治学、公衆衛生学。
訳者:山崎由希子 政治学。
NDC:311 政治学、政治思想
NDC:312.3893 政治史・事情(スウェーデンの)
NDC:313 国家の形態、政治体制
【目次】
日本語版への序言(二〇一七年四月 イタリア、フィレンツェにて スヴェン・スタインモ) [v-viii]
序言――複雑なサブシステムからなる多様なシステム [ix-xiv]
目次 [xv-xviii]
第一章 進化と適応の物語――国家の多様性 001
グローバル・スタンダードとは?
何が間違っていたのか?
社会科学の手法をめぐる論争
進化理論と社会科学の親和性
進化理論と歴史的制度論
よくある誤解についての覚書
三つのシステムの事例
スウェーデン――マルハナバチはなぜ飛べるのか?
日本――適応に苦闘する交配種
米国――強い国、弱い国家/結論
第二章 スウェーデン――マルハナバチの進化 037
Part 1 普遍的福祉国家 042
財政的攪拌
社会主義的自由経済
経済的集中
Part 2 スウェーデン・システムの進化 054
妥協の政治の選挙制度に関わる起源
サルトシェーバーデンの歴史的妥協
戦争と戦争によってもたらされた利益
女性、雇用、平等
コーポラティスト交渉の政治化と衰退
スウェーデン・モデルの再考
スウェーデン資本主義の危機
Part 3 世紀末の難題 079
「社会主義者たち」の適応
グローバル経済下の教育
破壊的な新自由主義?
人口動態変化への適応
社会民主的コンセンサス
スウェーデン・モデルと社会福祉国家
結論――今も飛び続けているが、マルハナバチのままなのか
第三章 日本――新旧遺伝子の交配種[ハイブリッド] 103
Part 1 日本システムの概要――「日本株式会社」 106
「日本株式会社」の内実
二重構造の経済
「雇用を通じた福祉」
政治的構造――イデオロギーなき政治
日本の小さな(公の)福祉国家
日本スタイルの税制
様々に矛盾する交配種のシステム
Part 2 日本システムの進化 124
米軍占領時代
民主主義を守る平等
戦後の最優先目標――経済成長
産業政策の優先
島国国家――石油危機の到来
ジャパン・アズ・ナンバーワン
Part 3 新世紀の難題 140
バブル崩壊以降
「グローバル・スタンダード」への適応
半分空のコップ
税制改革
小泉劇場
不平等の増加
信頼の低下
実現されなかった改革
ジェンダーによる不平等
高齢社会vs均質的な国家
レジームは変化するのか?
結論――衰退に向かいつつある交配種?
第四章 米国――特異な進化を遂げた「強い国、弱い国家」 169
Part 1 米国の「隠れた」福祉国家 172
米国の特異な税制
選別方式
自由な市場?
Part 2 米国システムの進化 184
豊かな土地の、抑制と均衡のシステム
現代の積極的な国家の台頭
米国福祉国家の構築
改革主義国家の登場
豊かな人々
大きな政府と弱い国家
信頼への危機――カーターの警鐘
「政府こそが問題なのだ、それは解決ではない」――レーガンの登場
進化する世界経済
「大きな政府の時代は終わった」――クリントンによる軌道修正の試み
支出ではなく、減税
Part 3 世紀末に立ちふさがる難題 226
政府に「何をしてくれるのか」問うのではなく、「何が手に入れられるか?」へ
結論――増え続ける富と縮小する政府
第五章 「それでも地球は動く」 237
新自由主義の終焉?
グローバル化はなぜ福祉国家を葬り去らなかったか
保険としての福祉国家
政治の進化学は必要か
アイディア、エージェント、制度的変化
進化単位としての国家?
制度と進化
グローバル化する世界における分岐
訳者あとがき(二〇一七年七月 山崎由希子) [271-278]
スヴェン・スタインモについて
本書の学術的背景について
本書の視点から見た今日の日本社会
原注 [1-30]