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『さもしい人間――正義をさがす哲学』(伊藤恭彦 新潮新書 2012)

著者:伊藤 恭彦[いとう・やすひこ] (1961-) 政治哲学。中日ドラゴンズ・ファン。
NDC:311.1 政治哲学


伊藤恭彦 『さもしい人間―正義をさがす哲学―』 | 新潮社


【目次】
目次 [003-005]


プロローグ――「さもしさ」の話を始めよう 007
  パソコンはどこまで進化すればいいのか/欲望追求はさもしいか?/人類史上最もさもしい人々/原発事故とさもしさ/この本で考えてみたいこと


第1章 日常にひそむ「さもしさ」の光景 020
  ファストフード店で/激安弁当と激安居酒屋/エコ商品ブーム/激安ガソリン/私たちの生活は「さもしい」か/道徳的ロンダリングダーウィンの悪夢/道徳的に問題のない生活とは/地球社会の格差/もやもやした気持ち


第2章 「分」を守るということ 053
  酒池肉林星の人々/アリストテレスの定義/「分」を守る/正しさの基準/ジョージ・クルーニーと伊藤恭彦/自己責任と正しい「分」/「学歴は親次第」は許されるか/貧困国に生まれたら/「分」と運命


第3章 市場はけっこう残酷だ 090
  「お疲れ様」と「お互い様」/共同体社会の醜さ/市場競争からは逃れられない/大富豪イコール悪ではない/「お互い様」の制度/お互い様の倫理と正義/制度があって生活は成り立つ/制度を考える/政府は税金泥棒か?/風が吹いて儲かるのは桶屋だけ/制度が欲望を支える/個人の「さもしさ」と制度の「さもしさ」


第4章 地球から「さもしさ」を消せるか 137
  簡単にまたげない国境/坊主丸儲け資本主義/制度がないゆえの「おいしい生活」/血まみれのダイヤ/他人を食い物にしてはならない義務/募金の上限/正義と私たちの利益/毒入りギョーザ事件/メタボと飢餓/地球規模の制度をつくる/援助の罠/ウルトラマンアンパンマン/国境を越える正義/冷静な正義と正義の心


エピローグ――公憤と正義 184
  破壊型政治の問題点/護送船団の意味/恐怖のボートレース/私憤から興奮ではなく、公憤へ/グローバル社会の正義/正義を語る不幸/正義にかなう制度がすべてか?/二つの心のバランスを


あとがき(二〇一二年六月 伊藤恭彦) [211-213]
主要参考文献とブックガイド [214-223]