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『骨相学――能力人間学のアルケオロジー』(平野亮 世織書房 2015)

著者:平野 亮[ひらの・りょう] 教育学。
NDC:141.1 普通心理学.心理各論 >> 知能
件名:才能
件名:骨相
備考:教育思想史における骨相学。
注記:博士論文「能力人間学としての骨相学 : 近代教育言説における『能力』のエピステモロジー」(神戸大学,2012年) に加筆修正したもの。


骨相学 | 世織書房


【目次】
目次 [i-v]
凡例 [vi]


序章 003
1 骨相学の教育思想史研究の重要性 005
2 先行研究の検討 007
3 方法と史料 011
4 課題の設定と章構成 013


第1章 骨相学とは何か 017
1 F. J. ガルの学説――観相学と脳神経科 017
  1 ガルの生涯 
  2 骨相学のオリジナル 
  3 観相学・生理学・解剖学 
2 「フレノロジー」及び「骨相学」という名称――ネイチャーの探究 028
  1 「phrén」の「logos」、「骨相」の「学」 
  2 人間のネイチャー 
  3 「観察」という方法 
3 骨相学概略史――反響と残響 040
  1 “歴史上の人物”からの賞賛 
  2 “歴史上の人物”からの反対 
  3 学問的影響 
  4 骨相学の“新しさ”と“古さ” 


第2章 骨相学の三つの前史 057
1 観相学の歴史――“伝統的人間観”の理論とその読解術 058
  1 観相学二〇〇〇年 
  2 頭蓋の測定 
  3 性格論としての観相学 
2 能力心理学の歴史――魂とその諸能力の理論 070
  1 二つの「能力」心理学史 
  2 「理性的動物」と脳への生理学的注目 
  3 中世の能力心理学 
  4 近代の能力心理学 
3 脳機能局在論の歴史――「能力」の器官としての脳 087
  1 争われる「魂の座」
  2 脳の「室」への機能局在
  3 脳の腔所か、実質か


第3章 能力心理学としての骨相学 097
1 シュプルツハイムによる改造――「骨相学」誕生 098
  1 「共作者」、シュプルツハイムのこと 
  2 用語整理と能力区分 
  3 骨相マップとマニュアル 
2 「心」(Mind)と三五+α個の能力 116
  1 「心」と「魂」
  2 “能力は善いものである” 
3 ジョン・ロックの能力心理学 123
  1 形式能力と形式陶冶論
  2 「人間知性論』という能力[ファカルティ]論
  3 ロックの“能力心理学” 
4 骨相学の「ファカルティ」理論 132
  1 ロックと骨相学の「ファカルティ」対照 
  2 形式能力と特定能力
  3 スコットランド学派の能力心理学と骨相学
  4 「実体」vs「機能」?


第4章 骨相学の教育 151
1 骨相学の教育理論――能力教育の言説 153
  1 生得性と骨相学的決定論 
  2 衛生・環境の重視 
  3 個別性の理論
  4 骨相学的教育の潜在的バリエーション 
2 骨相学的能力訓練の一場面――学校実践の事例 168
  1 『WSS第一年次報告書』(1850)について
  2 WSSの教育理念と学校概要 
  3 WSSにおける骨相学的教育 
3 骨相学の「能力」教育 186
  1 骨相学を/で教育する 
  2 骨相学的「自己」 
  3 能力教育の原理と語彙 


終章 “能力人間学”と教育 193
1 消えた? 「脳の生理学」=「心の哲学」のファカルティ 193
  1 全体のまとめ 
  2 「ファカルティ」はどこへ行ったか 
2 “能力人間”という人間像――「能力」で擬制される人間 200
  1 「能力」と教育 
  2 “能力人間”


註 [207-255]
参考文献 [257-288]
骨相学的〈能力〉のリスト(器官対照表) [290-292]
あとがき(二〇一五年二月三日 平野亮) [293-296]
事項索引 [9-14]
人名索引 [1-8]




【メモランダム】
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平野 亮 著『骨相学 能力人間学のアルケオロジー』