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『創造的論文の書き方』(伊丹敬之 有斐閣 2001)

著者:伊丹 敬之[いたみ・ひろゆき] (1945-) 経営学
NDC:816.5 論文


創造的論文の書き方 | 有斐閣


【目次】
はしがき(二〇〇一年一〇月一五日 伊丹敬之) [i-v]
目次 [vi-xiii]


創造的論文とは 001


  対話編 若き弟子たちの悩み 009

第1章 研究するということ 010
  考えながら歩きまわれば、犬も棒に当たる
  思考実験の回数を増やす
  見えない構造を意識する
  面白いことを追う、不思議なことを探る
  「不思議」と理論志向
  まず、風呂に入る
  どの風呂に入ればいいのか
  あめ玉をポケットに入れておく
  知れば知るほど目が曇る
  何が原点なのかの不動点
  曇った眼鏡の拭き方――理論の貢献
  整理ダンスの作り方
  理論が眼鏡がゆがませる
  「説明できた」とはどういうこと
  説得の三つの方法
  論理重合体合成法のむずかしさ
  精度を合わせる
  精度を無視して強引な結論を出す人々
  理論と現実(データ)との間の行ったり来たり
  一粒で二度おいしい――いい本とは何か
  良い理論とは何か


第2章 文章を書くということ 064
  プロは舞台裏を見せない
  レポートと論文のちがい
  人はリニアーにしか読めない
  烏の目と虫の目をもつ
  書くことが論理を刺激する
  締切りのない原稿は書けない
  言葉にするといい加減さがよく分かる
  私の文章修業
  文章が論理をドライブする
  概念の厳密な定義は、自分にとって大切
  オーバー・ジェネラリゼーションの諫め
  五〇〇年はもつテーマ――夢を広げる
  自分は何の一部かを考える――結論の飛び方


第3章 考えるということ,勉強するということ 101
  舞台裏から表舞台へ出る――研究とはなにか
  大きく深く考える
  一〇年はもつテーマを選ぶ
  本は読むべし、しかし読まざるくし


  概論編 研究の仕方,文章の書き方 115

第1章 テーマを決める 116
第1節 テーマ探し 116
  京の町家の部屋さがし
  論文のテーマ探しのうろうろ
  入り口は狭く、奥行きは深く
  思考実験をスピーディーに多く
  不動点を意識する
第2節 「いい」テーマとはなにか 129
  不思議なこと、せめて面白いこと
  一言で言える
  少しの無理
  一〇年はもつ


第2章 仮説と証拠を育てる 138
第1節 育てる 138
  起承転結、しかし行きつ戻りつ
  仮説と証拠――論文の中核
  なぜ「育てる」なのか
  一寸の虫にも五分の魂
第2節 仮説の育て方 148
  仮説の萌芽はどこから?
  現実からの出発
  三つの「現実のまとめ方」
  仮説の源泉
  萌芽から育つまで
  仮説と証拠の螺旋掘り下げでの注意点
第3節 三つの証拠、三つの説得法 164
  三つのタイプの証拠
  データという証拠
  厚い記述という証拠
  論理という証拠
  三つの説得法
  観察結果法と演繹論理法
  論理重合法
第4節 現実と理論の往復運動のコツ 177
  往復運動こそが鍵
  言葉を大切に使う
  手を動かす
  中空の観察者
  理論を知る


第3章 文章に表現する 186
第1節 表現する 186
  育った樹を描く、それも一次元で
  部品と全体
  アマチュアは自己中心、プロは他人のために書く
  自己嫌悪との戦い
第2節 幹と枝、根と葉 
  幹は一つ
  枝は枝として、きちんとつける
  根も葉も用意する
  あめ玉を残しておく
第3節 順序と流れ、つなぎとまとまり 
  描写の順序と流れの三原則
  問題意識とイメージの共有を早く
  つなぎの工夫こそが鍵
  まとまり感と美しい姿の美的感覚
  アウトラインの準備から文章の書き始めまで
  アウトラインと文章の流れの微妙な関係
第4節 章が論理をドライブする 
  書くことは考えること――四つのキーワード
  文章は正確に、つながりを意識して
  ドライブすることと滑ることのちがい


第4章 止めを打つ 223
第1節 止めを打つとは 223
  エンディングであり、結節点
  まとめと三つの案内図
  「はじめに」は、止めを打った後に書く
第2節 望ましい「止め」とは 230
  止めの距離感と展望感
  オーバー・ジェネラリゼーションの危険
  自分の研究は何の一部だったのか
  誠実に大風呂敷を広げる
  宙を見すえて考える


第5章 小さな工夫,ふだんの心がけ 241
第1節 小さな工夫 
  小さな工夫、ふだんの心がけの大切さ
  刺激と整理のために
  集中と助走のために
  見切りと相場感のために
  道具を使う動物としての人間
第2節 ふだんの心がけ 
  「エルーシブ」へ立ち向かう基本スタンス
  本質は何かをつねに考える
  狭く入って、深く掘る
  烏の目と虫の目を、使い分ける
  スピーディーに思考実験する
  言葉を大切に使う


付録 論文の書き方について 伊丹メモ[統合版] 271
I  修士論文の性格付け 271
II  論文の基本的性格 271
III 論文の貢献の三つのパターン 273
IV 概念の表現、定義の正確性について 274
V  第一稿と最終稿 276
VI 論理の流れと全体像 277
VII 文章の書き方について 280
VIII 論証の際の落とし穴 282
IX 「論拠の提出」と「発想のきっかけ」の説明について 283
X  データの取り扱いについて 284
XI 「現実」との関係について 284
XII 脚注と参考文献 285