著者:吉岡 乾[よしおか・のぼる](1979-) ブルシャスキー語、ドマーキ語、記述言語学、南アジア研究(特にパキスタン北部)。
寄稿(「あとがき」):内貴 麻美 編集者。
装画・イラスト:マメイケダ[まめいけだ](1992-) 画業。
装丁・組版:納谷 衣美[なや・えみ] グラフィックデザイン。
商品詳細 - 現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。 - 創元社
【目次】
もくじ [003-007]
地図・言語分布図 [008-011]
調査地へのアクセス [012-015]
0 017
遥かなる言葉の旅、遥かなる感覚の隔たり 018
常識知らずの多様性
不運は独りでは来ない
お互いの気質
埋まらない溝は埋まらない
表記と文字のこと 032
文字という記号
母音表記について
子音表記について
1 039
フィールド言語学は何をするか 040
フィールド言語学とは
どうしてフィールドへ行くのか
ことばのフィールド調査の始めかた
収集と還元
インフォーマント探し 049
調査の協力者のこと
インフォーマントの探し方
お金と愛想
◆ブルシャスキー語 056-057
ブルシャスキー語 系統不明の凡庸なことば 058
系統的孤立語
言語の類型
ブルシャスキー語の特徴
PCOからスマホへ 064
電話とパンダ
日本での移り変わり
パキスタンでの移り変わり
消えていくもの
物語が紐解くは 070
物語から得られるもの
カ・キラーヤ、パーシ・スィローン
移ろう語り
異教徒は静かに暮らしたい 079
イスラームの国の非ムスリム
「浄」と「穢」
元異教徒と現異教徒
古い古い信仰
ブルシャスキー語の父(笑) 087
パキスタンの「言語学」
飛んでもナッシング
信仰のシステム
研究者に欠かせない素質
◆ドマーキ語 094-095
ドマーキ語 諺も消えた 096
いつ言語は消えるのか
ドマーキ語の場合
見えにくい重大な喪失
インドへ行って、引き籠もりを余儀なくされる 102
危険は避けたい
ブルシャスキー語インド方言
インド側カシミールの実情
勃発した大騒動
そして印度へ舞い降りた
体当たり訪問
見えた道筋と見えない光明
2 117
好まれる「研究」と、じれったい研究 118
役立つ研究とは何か
分かりやすくする脚色
薔薇色の「研究」と灰色の研究
役立たない研究とは何か
バックパッカーと研究者 126
かつて溜まり場だった谷
心に吹き込む新鮮な風
骨休めと花逃し
冒険は終わっても調査は終わらない
◆コワール語 Khowar 138-139
コワール語 名詞は簡単で動詞は複雑? 140
広域の山奥でコワール語は流れる
言語学者と言語習得
コワール語の名詞のシステム
コワール語の動詞のシステム
文字のないことば 148
文字と正書法
文字のない言語
無文字言語の話者も文字を知っている
文字と工夫と影響
◆カラーシャ語 158-159
カラーシャ語 アバヨー! 舌の疲れることば 160
似て非なる双子の言語
耳慣れない母音の話
耳慣れない子音の話
不思議と一向に上達しないのは
フンザ人からパキスタン人へ 169
パキスタン航空の思い出
走るPIAで桃源郷へ
フンザ谷へようこそ
フンザ人の誇り
朱に交われば赤くなる
言語系統と言語領域 178
言語系統と語族
言語の独居者
同じ語族だからこそ似ている
違う語族でも似ていることがある
言語領域とは
南アジア言語領域
多層的に拡がる言語領域の輪
鵺のように生まれる新言語
◆カティ語 196-197
カティ語 挨拶あれこれ 198
八年ぶりの再会
カティ語の挨拶表現
ことばと地勢
多言語調査
3 207
なくなりそうなことば 208
「少数言語研究者」とは
なくなりそうなことばとは
ことばの価値
ドマーキ語と呼び水計画
ドマー語、最後の話者 215
消える地元の地名
言語と民族、自称と他称
ドマーキ語はドマーキ語で
二つ目の自称
男女の問題は悩ましい
動物と暮らす 226
イスラマバードの蛍
動物だらけの山奥
カタ人と牧畜
ブスカシを見る
◆シナー語 236-237
シナー語 街での調査は難しい 238
その言語らしさを考える
街で言語調査をしてみよう
カルガー村の商店主
街と村
出禁村 248
ある日、道端でおじさんに
大人な対応と渋い後味
急な宣告
ジプシー民話 256
根を詰めない趣味
知識欲と他動詞主語と脈絡
蛙とロマ
◆カシミーリー語 264-265
カシミーリー語 変り種の大言語 266
二つのカシミール
マイナーな大言語
カシミーリー語の語順のこと
キャシミーリー語
読み書きされない文字のこと
五〇〇ルピーばあさん 274
ナゲル谷のブルシャスキー語
気になった地名
ベディシャルを探す
ベディシャルに入る
◆ウルドゥー語 284-285
インフォーマントの死 286
死との距離
死の訪れ
死と調査
「はじめに」(吉岡乾) [296-299]
あとがきに代えて 内貴麻美(編集) [300-301]
参考文献 [302]
プロフィール [303]
【メモランダム】
様々な書評欄で取り上げられている。
・竹内洋@産経新聞
https://www.sankei.com/life/amp/191006/lif1910060017-a.html
・渡邊十絲子@毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20191020/ddm/015/070/017000c
・高野秀行@週刊読書人2019年10月11日
https://www.fujisan.co.jp/product/1146/b/1888584/
・小川さやか@日経新聞2020年03月12日夕刊
研究者学術情報データベース