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『語用論の基礎を理解する』(Gunter Senft[著] 石崎雅人, 野呂幾久子[訳] 開拓社 2017//2014)

原題:Understanding Pragmatics (Routledge, 2014)
著者:Gunter Senft(1952-) オーストロネシア語・パプア諸語(キリヴィラ語)、人類言語学、語用論。
訳者:石崎 雅人[いしざき・まさと](1960-) 社会言語学。専門家と非専門家のコミュニケーション、医療コミュニケーション。
訳者:野呂 幾久子[のろ・いくこ] 社会言語学。医療コミュニケーション 。
NDC:801 言語学


語用論の基礎を理解する 株式会社開拓社


【目次】
訳者はしがき(訳者を代表して 石崎雅人) [v-vi]
著者から日本の読者へのメッセージ(グンター・ゼンフト) [vi]
本書の出版に寄せて(井出祥子) [vii-viii]
省略記号 [xiv-xvi]
謝辞 [xvii-xviii]


序章 001
事例による本書の案内 001
語用論的転回 !? 003
本書の構成 005
  第1章 語用論と哲学 006
  第2章 語用論と心理学 007
  第3章 語用論と人間行動学 008
  第4章 語用論と民族誌学 009
  第5章 語用論と社会学 010
  第6章 語用論と政治 011
  第7章 語用論の基礎を理解する 013


第1章 語用論と哲学――我々は言語を使用するとき,何を行い,実際に何を意味するのか:言語行為論と会話の含みに関する理論 015
1.1 はじめに 015
1.2 ジョン・オースティンによる言語行為論 017
  1.2.1 陳述対何かをする発話(事実確認発話対行為遂行発話) 017
  1.2.2 オースティンの議論における2つの転回 020
  1.2.3 何かを言う,何かを行う,効果を生み出す発話:発語行為,発語内行為,発語媒介行為 023
1.3 サールによる言語行為論 027
  1.3.1 言語行為とは何か 027
  1.3.2 誠実な約束と命題内容条件 029
  1.3.3 発語内行為と構成的規則 030
  1.3.4 サールによる発語内行為の分類 032
  1.3.5 直接・間接言語行為 036
  1.3.6 複数の文化の視点からの言語行為論 040
1.4 社会的なつながりをつくる力に関するピーター・シューレンによる論考 043
1.5 会話の指針となる格率:グライスによる会話の含みに関する理論 045
  1.5.1 はじめに 045
  1.5.2 グライスによる協調の原則とそれを構成する会話の格率 046
  1.5.3 どのようにして会話の格率は破られるか,あるいは,「故意に守られないか」 048
  1.5.4 会話の含みに関する5つの性質 050
  1.5.5 人類言語学の観点からのグライスの理論 051
1.6 まとめ 053
1.7 課題 054
1.8 さらに学びを深めるための文献 055


第2章 語用論と心理学――直示参照とジェスチャー 057
2.1 はじめに 057
2.2 直示参照 058
2.3 空間直示 062
  2.3.1 キリヴィラ語における空間直示 068
    2.3.1.1 指示詞 068
    2.3.1.2 キリヴィラ語における指示詞の非空間的用法 077
    2.3.1.3 場所格と方向詞 079
    2.3.1.4 空間参照枠 082
2.4 ジェスチャー 087
  2.4.1 はじめに 087
  2.4.2 ジェスチャー,言語,心 089
  2.4.3 複数の文化における発話とともになされるジェスチャーの多様性:ジェスチャー使用に関する語用論 096
  2.4.4 語用論的ジェスチャー 102
2.5 まとめ 105
2.6 課題 107
2.7 さらに学びを深めるための文献 108


第3章 語用論と人間行動学――コミュニケーション行動の生物学的基盤 109
3.1 はじめに 109
3.2 表出動作およびその記号への儀礼化 110
  3.2.1 表情 112
  3.2.2 対人距離と身体動作行動:近接空間学と身体動作学 116
3.3 儀礼儀礼的コミュニケーション,相互行為方略 119
  3.3.1 儀礼儀礼的コミュニケーションに関する総論 119
  3.3.2 基本的相互行為方略の概念 122
  3.3.3 エイポ族言語共同体における要請する,与える,受け取る行為に見られるちょっとした儀礼 124
  3.3.4 儀礼的コミュニケーション形式:ヤノマモ族の椰子の実祭り 129
  3.3.5 人間の「相互行為エンジン」 136
3.4 まとめ 139
3.5 課題 141
3.6 さらに学びを深めるための文献 142


第4章 語用論と民族誌学――言語・文化・認知の相互関係 143
4.1 はじめに 143
4.2 交感的言語使用 144
4.3 言語相対説:サピア-ウォーフの仮説 157
4.4 言語使用の民族誌学 166
  4.4.1 クナ語の言語使用 170
    4.4.1.1 クナ語における挨拶と別れの表現 172
    4.4.1.2 治療と呪術の言語 173
    4.4.1.3 思春期の少女の儀礼における言語 174
  4.4.2 言語使用の民族誌学:批判的評価 177
4.5 まとめ 179
4.6 課題 181
4.7 さらに学びを深めるための文献 182


第5章 語用論と社会学――日常における社会的相互行為 183
5.1 はじめに 183
5.2 アーヴィング・ゴフマンによる相互行為の秩序 183
5.3 ハロルド・ガーフィンケルによるエスノメソドロジー 194
5.4 ハーヴィ・サックスと会話分析 201
5.5 まとめ 220
5.6 課題 221
5.7 さらに学習を深めるための文献 222


第6章 語用論と政治――言語,社会階級,人種,教育,言語イデオロギー 223
6.1 はじめに 223
6.2 バジル・バースティンによるコード理論 225
6.3 ウィリアム・ラボフと変異理論 228
6.4 言語イデオロギー 233
  6.4.1 太平洋地域における 2 つの言語共同体の言語イデオロギー 235
    6.4.1.1 ソロモン島ホニアラにおける言語イデオロギー 236
    6.4.1.2 ラパ・ヌイ語における言語イデオロギー 237
  6.4.2 敬語の言語イデオロギー 242
6.5 まとめ 249
6.6 課題 251
6.7 さらに学習を深めるための文献 252


第7章 語用論を理解する――まとめと展望 253
7.1 はじめに 253
7.2 まとめ 253
7.3 解放的語用論:語用論における将来の展開に関する概観 258


参考文献 [261-288]
索引 [289-304]
著者・訳者紹介 [305]