著者:上川 あや[かみかわ・あや] 政治家。区議会議員。
監修:針間 克己[はりま・かつき] 精神科医。
NDC:367.9 性問題.性教育
【目次】
はじめに――いくつものボーダーを越えて [i-iv]
目次 [v-viii]
第1章 「私の戸籍は男性です」――政治家になった 001
1 顔を見せて訴えなければ 002
第一声
絶望からの出馬
自問自答
家族の言葉
やっぱり、出る!
2 手探りの選挙活動 013
事務所開設
「女性」としての立候補
さいさな声、社会にとどけ!
私らしい選挙を
3 変わってゆく街の空気 022
偏見から励ましへ
新宿二丁目で
投票日
「上川さん、当確です!」
第2章 私は誰?――性を見つめて 033
1 仲良しは女の子 034
誕生
人形が欲しかった
2 第二次性徴 038
自分の身体が受け入れられない
初恋
3 孤独感と罪悪感の中で 043
「私は嘘つき」
男子校へ
「まじでかわいい」?
初めての交際
告白
4 サラリーマン時代 054
小規模な公益法人で
「男同士のつきあい」
身体の不調
自分に許した「最後の恋」
5 もうごまかせない 062
第3章 性を移行する――居場所を探して 065
1 初めて仲間に出会う 066
2 性を移行する 068
自分に正直に生きたい
変わっていく身体
サポートグループに参加する
埼玉医科大学の答申
ひきこもりからの出発
「女性」としての自我
喉仏と声と
手術のこと
3 「女性」としての暮らし 086
OL生活をはじめる
ブランクへの評価
「男も女も楽じゃない」
4 社会保障制度が使えない 092
名前を変える
税金は納めているのに
ハローワークに相談
社会保険事務所
5 司法への絶望 100
結論は「却下」
人を幸せにしない国
第4章 性別変更に道を拓く――「性同一性障害者特例法」の成立をめぐって 103
1 議員立法の知らせ 104
「子なし要件」の衝撃
「ご当選おめでとうございます!」
足もとに広がる無知
2 国会のルール 111
党内審査
各党の動き
3 特例法の成立 116
苦渋の決断
キーパーソン
理解の鍵は――出会った議員のいろいろ
4 なお残る課題 128
望まれる改善点
弾力的な運用
第5章 ちいさな声、声にならない声――当事者のニーズを掘り起こす 135
1 「常識」を疑うことから 136
八四万人の「地域」
小さな声を探す
初質問
2 一万五六〇〇人の「外国人」 142
3 七〇〇人の「オストメイト」 146
4 ひとり親家庭の実態 150
世田谷区では
5 要約筆記と手話 155
手話ができる人は一〇%台
補聴器の問題
6 失語症会話パートナーの養成 161
気づきのきっかけ
社会とつなぐ
7 バラバラの「点字ブロック」 166
8 政策決定の現場で 169
第6章 沈黙から発言へ――「変える」方法 173
1 沈黙は「存在しない」こと 174
2 自己肯定感をもつ 176
3 確実に声をとどけるために 180
「体温」を伝える
請願権はみんなの権利
直接請求
ロビイング
4 権利意識の危うさ 190
5 嫌がらせに負けない方法 193
第7章 「フツウ」って何だろう――寛容な社会とは 197
1 ボーダーライン、この恣意的なもの 198
ボーダーラインについて
時代と場所が変われば
2 性的少数者のいま 204
学校が教えてくれないこと
同性に惹かれるということ
隣にいるのに気がつかない
平等な選択の幅を
3 「フツウ」って何だろう 214
あとがき [221-224]
もっと詳しく知りたい人のために(監修・針間克己) [1-4]
【関連記事】
『クイア・スタディーズ〈思考のフロンティア〉』(河口和也 岩波書店 2003)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20080221/1542992971
『同性愛は「病気」なの?――僕たちを振り分けた世界の「同性愛診断法」クロニクル』(牧村朝子 星海社新書 2016)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20170325/1489630687
『トランスジェンダー問題――議論は正義のために』(Shon Faye[著] 高井ゆと里[訳] 明石書店 2022//2021)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20230209/1675868400