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『「学び」の認知科学事典』(佐伯胖[監修] 渡部信一[編] 大修館書店 2010)

監修:佐伯 胖[さえき ゆたか](1939-) 認知心理学
編者:渡部 信一[わたべ しんいち](1957-) 教育心理学認知科学
著者:麻生 武
著者:生田 久美子
著者:池上 高志
著者:今井 康雄
著者:内田 伸子
著者:大島 純
著者:大島 律子
著者:岡田 美智男
著者:苧阪 直行
著者:苧阪 満里子
著者:川合 伸幸
著者:鯨岡 峻
著者:楠見 孝
著者:小嶋 秀樹
著者:権藤 恭之
著者:阪田 真己子
著者:高木 光太郎
著者:辻 幸夫
著者:辻本 雅史
著者:中原 淳
著者:浜田 寿美男
著者:福島 真人
著者:藤野 博
著者:松下 佳代
著者:松下 良平
著者:丸山 慎
著者:三嶋 博之
著者:溝上 慎一
著者:三宅 なほみ
著者:無藤 隆
著者:山内 祐平
著者:山鳥
装丁:田中 普 
件名:学習心理学
件名:認知科学
NDC:371.41 教育学.教育思想
NDLC:FA33


「学び」の認知科学事典 - 株式会社大修館書店


【目次】
はじめに(2009年12月 佐伯胖・渡部信一) [iii-iv]
目次 [v-ix]
執筆者一覧 [x]


序――「学び」探求の俯瞰図[渡部信一] 003
 1 はじめに 003
 2 20世紀における「学び」探求の流れ 004
  2.1 行動主義心理学から認知心理学
  2.2 1980年代の行き詰まり
  2.3 認知科学による「学び」の探求
 3 「学び」探究の俯瞰図 006
  3.1 「学び」をどう考えるか
  3.2 子どもの「学び」
  3.3 生涯を通した「学び」
  3.4 「学び」のメカニズム
  3.5 関係と状況の中での「学び」
  3.6 「学び」とテクノロジー
 4 キーワード横断的な学び方 011
  4.1 学習と「学び」
  4.2 身体性・アフォーダンス
  4.3 学びの共同体・徒弟制
  4.4 模倣・状況的学習論・正統的周辺参加・協調学習
  4.5 デジタルテクノロジー・ロボット
 5 これからの「学び」探究の枠組み 017


  I部――「学び」をどう考えるか
1章 学ぶことの二つの系譜[松下良平] 019
  1.1 目標を必要とする学習 019
    1.1.1 学習の特殊性
    1.1.2 学習のパラドックス
    1.1.3 学習信仰の揺らぎ
  1.2 生の更新のための学び 030
    1.2.1 学びのエコロジー
    1.2.2 〈人―道具―環境〉システムの変容としての学び
    1.2.3 目標を必要としない学び
    1.2.4 実践が要請する学び
    1.2.5 鑑識眼と学ぶ動機
    1.2.6 「学習」と「学び」の関係


2章 「学び」に関する哲学的考察の系譜[今井康雄] 039
  2.1 はじめに:学びについて哲学的に問うことの意味 039
  2.2 古代ギリシアの哲学的な学び論 041
    2.2.1 プラトン:「メノンのパラドックス」と想起説
    2.2.2 アリストテレス:日常経験からの帰納
  2.3 近代哲学における「学び」の位置 046
    2.3.1 日常経験への不信と方法の優位
    2.3.2 方法の優位と教授学[didactics]
    2.3.3 経験論対合理論の論争
  2.4 現代哲学における「学び」の対象化 054
    2.4.1 デューイ:経験の文脈依存性
    2.4.2 ベンヤミン:経験の貧困と体験の優位
  2.5 まとめ 060


3章 江戸の学び[辻本雅史] 062
  3.1 文字の学び 062
    3.1.1 文字の普及と「17世紀日本のメディア革命」
    3.1.2 手習塾成立の意義
    3.1.3 手習塾への入門と学びの形式
    3.1.4 手習稽古
    3.1.5 師匠の役割
  3.2 儒学の学び 067
    3.2.1 基礎教養としての儒学
    3.2.2 儒学とは
    3.2.3 「素読〔そどく〕」:テキストの身体化
    3.2.4 「講義」:テキストの意味学習
    3.2.5 「会業〔かいぎょう〕」:切磋琢磨の学び
    3.2.6 詩文実作
  3.3 「知的言語」の習得 073
    3.3.1 武士の学校の普及
    3.3.2 「テキストの身体化」
    3.3.3 訓読体漢文で考える
    3.3.4 迂遠な儒学の有用性
  3.4 学びの身体性 075
    3.4.1 「学び」の原型
    3.4.2 「自得」
    3.4.3 心と身体:気の心身論
    3.4.4 近代学校における身体知の排除


4章 「ケアリング」としての「学び」[生田久美子] 081
  4.1 「教育」における「ケア」 081
  4.2 「学ぶこと」と「知ること」 084
  4.3 強い意味での「知る」とは何か:教育において目指すべき「学び」 086
  4.4 もう一つの「学び」:言語主義的「知識」観から解き放たれて 088
  4.5 「ケアリング」としての「学び」 092
  4.6 まとめ:新たな「学び」のパラダイムの創出へ向けて 094


5章 学習の実験的領域―学習の社会理論のための覚書[福島真人] 095
  5.1 社会的制度としての学習 095
    5.1.1 未分化な制度からみる
  5.2 徒弟制という問題群 097
    5.2.1 徒弟制の諸形態
    5.2.2 モデルとしての徒弟制
  5.3 「学習」の誕生 099
    5.3.1 プラクティスという概念
    5.3.2 「学習」が問題化される時
    5.3.3 学習と労働の分岐
  5.4 徒弟制モデルの効用と限界 102
    5.4.1 学校教育と徒弟制
    5.4.2 固定化したアイデンティティ
    5.4.3 変化への適応不全
  5.5 学習の実験的領域 104
    5.5.1 現場では何ができないか
    5.5.2 日常の中のリスク
    5.5.3 実験のための空間
    5.5.4 空間を歪めるもの
    5.5.5 学習可能性を求めて
  5.6 おわりに 108


  II部――子どもの「学び」
1章 生活での学び 学校での学び[浜田寿美男] 111
  1.1 生き物としての人間の子どもが育つ舞台 111
    1.1.1 身体と世界
    1.1.2 環世界[Umwelt]と経験
    1.1.3 人はみな手持ちの力で生きている
    1.1.4 発達の大原則と「学び」の脈絡の変容
  1.2 生活での学びと意味の脈略 118
    1.2.1 できないままに手持ちの力で生きる
    1.2.2 手持ちの力を使て「ともに」生きるかたち
  1.3 学校での学びと意味の反転 122
    1.3.1 学びの個人化と交換価値化
    1.3.2 子どもの時間世界の組織化
  1.4 学びの世界と希望 127


2章 遊びと学び[麻生武] 128
  2.1 「遊び」とは何か 128
  2.2 「遊び」とは哺乳類の親の子に対する態度 129
  2.3 「遊ばれる」ことから「遊ぶ」ことへ 130
    2.3.1 「遊ばれる」ことを学ぶ
    2.3.2 「遊ぶ」ことを学ぶ
    2.3.3 「遊ぶ」力の獲得
  2.4 「遊んでもらう」ことを通しての学び 138
  2.5 「遊んでもらう」ことから自らの「遊び」を通しての学びへ 140
    2.5.1 年長者を相手に「ごっこで遊ぶ」
    2.5.2 仲間との「ごっこ遊び」
    2.5.3 環境を探索する「遊び」


3章 仲間関係のなかでの学び[無藤隆] 146
  3.1 仲間関係の社会性発達への位置づけ 146
  3.2 乳児期における愛着関係の成立 147
  3.3 幼児初期における家族への広がり 150
  3.4 幼児後期における友人関係の成り立ち 152
  3.5 幼児から小学校低学年における集団内関係・同性集団 158
  3.6 思春期における親友関係 162
  3.7 文化への導き手としての大人の働き 164
  3.8 生涯にわたる学びと仲間関係 165


4章 模倣と「学び」[佐伯胖] 167
  4.1 「誘発させれる」模倣 167
    4.1.1 新生児模倣
    4.1.2 エミュレーション学習
  4.2 行為意図の発見 169
    4.2.1 トマセロ[Michael Tomasello]の模倣学習
    4.2.2 「意図」の取り込み
    4.2.3 行為意図の理解とミラーニューロン
    4.2.4 共有複合感覚的間主観性[SMI]
  4.3 「模倣」という意図的行為 174
    4.3.1 「まねられている」ことの理解
    4.3.2 「交渉」手段としての「模倣」
    4.3.3 「新奇な行為」の模倣
  4.4 「教え-学び」の文脈 177
    4.4.1 「意図がわからない行為」の模倣
    4.4.2 「ペタゴジー文脈」の特異性
    4.4.3 教示的模倣が生み出す機能的固着
    4.4.4 明白に「無意味」なことでも模倣する
    4.4.5 「好んでいる」のか「好ましい」のか
    4.4.6 「シルヴィアのレセピ[Sylvia's recipe]」
  4.5 結論 184


5章 「学び」の発達――生きたことばは学びの世界を拓く[内田伸子] 186
  5.1 人はいかに学ぶか 186
    5.1.1 「学ぶ」とは「自分探し」の旅
    5.1.2 暗記中心の学びのつけ:論証・論述力の減衰
    5.1.3 日常の必要と結びついた学び
    5.1.4 協同体的な学び
  5.2 一次的ことばから二次的ことば、そして三次的ことばへ 190
    5.2.1 ことばの発達と学びの発達
    5.2.2 文字の機能への気づき
    5.2.3 何が学ばれるべきか:創造的想像力の土台をつくる
  5.3 理性の手段としてのことばの発達 193
    5.3.1 ことばを鍛える:すべての教科の協働を通して
    5.3.2 「論理科カリキュラム」の開発と実践:対話的実践活動を通しての学び
    5.3.3 日本語談話の構造に配慮した言語表現形式の指導
  5.4 書くこと・考えること 197
    5.4.1 書きことばは認識世界をひろげるか
    5.4.2 発話思考法を用いた作文推敲実験
    5.4.3 遂行における言語表現と意図の調整
  5.5 書くことによる自己の発見 203


6章 障害のある子どもの学び―自閉症スペクトラム障害を中心に[藤野博] 205
  6.1 発達障害と学びの問題 205
  6.2 自閉症スペクトラム障害 206
    6.2.1 自閉症スペクトラム障害の医学的定義
    6.2.2 ASD児者の認知特性
  6.3 ASD児者への学びの支援 209
    6.3.1 行動論的アプローチ
    6.3.2 環境論的アプローチ
    6.3.3 発達論的アプローチ
    6.3.4 アセスメント
  6.4 自伝にみるASD者の学び 217
  6.5 ASDにおける新たな学び論への視座 219


  III部――生涯を通した「学び」

1章 現代社会における大学生の学びとアイデンティティ形成[溝上慎一] 223
  1.1 現代大学生の特徴は何か 223
    1.1.1 勉学第一の大学生活
    1.1.2 成長を実感している学生タイプ
    1.1.3 勉学重視の意味
  1.2 メリトクラシーからハイパー・メリトクラシーの社会へ 227
    1.2.1 メリトクラシー社会の到来と人的資本
    1.2.2 社会的資本
    1.2.3 ハイパー・メリトクラシー社会への移行
  1.3 学びとアイデンティティ形成 232
    1.3.1 ハイパー・メリトクラシー社会を生きる学生タイプ
    1.3.2 プロセス・パフォーマンス
    1.3.3 アイデンティティ資本


2章 大学の学習空間をデザインする[内山祐平] 239
  2.1 大学の学習空間 239
  2.2 アクティブ・ラーニング・スタジオ 240
    2.2.1 ケーススタディ:TEALスタジオ(マサチューセッツ工科大学
  2.3 ラーニングコモンズ 243
    2.3.1 インフォメーションコモンズからラーニングコモンズへ
    2.3.2 ケーススタディ:学環コモンズ(東京大学
      (1) ラウンジスペース
      (2) ワークスペース
      (3) コラボレーションスペース
  2.4 コミュニケーション・スペース 247
    2.4.1 ケーススタディ:プレゼンテーションベイ(はこだて未来大学)


3章 大人の学び─熟達化と市民リテラシー[楠見孝] 250
  3.1 はじめに:大人の学習の特徴 250
  3.2 大人の学習の類型 251
  3.3 実践的知能と叡智の獲得 253
  3.4 仕事の暗黙知 256
  3.5 仕事の熟達化 257
  3.6 学習の態度と省察 258
  3.7 市民リテラシー 259
  3.8 批判的思考 261
    3.8.1 批判的思考のプロセス
      (1) 状況の解釈と使用判断プロセス
      (2) 思考スキルの適用プロセス
      (3) 表出判断プロセス
    3.8.2 批判的思考態度
  3.9 まとめ 262


4章 企業における学び[中原淳] 264
  4.1 「企業における学び」の歴史 264
  4.2 企業の学びのパラダイム転換 266
  4.3 人は経験を通して学ぶ:経験学習 267
  4.4 ネットワークによる学び支援 270
  4.5 社外における学習(越境することによる学習) 272
  4.6 今後の研究課題 273


5章 老人の学び[権藤恭之] 276
  5.1 高齢社会の現状 276
  5.2 高齢者にとっての学びの意味 278
  5.3 高齢者の学びの実態 281
  5.4 高齢者の学びの能力 282
    5.4.1 高齢者の学習の特徴
    5.4.2 認知機能の二重プロセス
    5.4.3 感情と記憶の関係からの示唆
    5.4.4 テクノロジーの学び
  5.5 おわりに 292


  IV部――「学び」のメカニズム 

1章 学びの脳科学神経心理学から[山鳥重] 295
  1.1 脳についてのいくつかの基本的知識 295
    1.1.1 機能素子ニューロン
    1.1.2 セル・アセンブリ
    1.1.3 神経構造の柔軟性
  1.2 学習の基盤は記憶 299
    1.2.1 新しい経験の記憶
    1.2.2 記憶にの残すための三条件
    1.2.3 経験の繰り返しと記憶
    1.2.4 運動の繰り返しと記憶
  1.3 さまざまな認知能力 306
    1.3.1 4種の中核性認知能力
    1.3.2 知能は複数
    1.3.3 知能分離の基準
  1.4 「学び」とは「教えたいことを覚えさせること」ではない 310


2章 学習における力学系/身体性/意識[池上高志] 311
  2.1 力学系と学習過程 311
  2.2 相互学習のダイナミクス 314
  2.3 会話における時間発展 318
  2.4 学習における身体性:センサーとモーターのコンティンジェンシー 320
  2.5 能動性・受動性 323
  2.6 学習における心の配置 326


3章 学びとワーキングメモリ[苧阪満里子・苧阪直行] 330
  3.1 ワーキングメモリ 330
  3.2 バッドリーのワーキングメモリのモデル 334
  3.3 音韻ループと視覚・空間的スケッチパッド 336
  3.4 ワーキングメモリの個人差 339
  3.5 リーディングスパンテストと言語理解 340
  3.6 学習とワーキングメモリ 342


4章 言語の習得[辻幸夫] 344
  4.1 人類と言語 344
    4.1.1 言語とは何か
    4.1.2 言語の特徴と学習
    4.1.3 言語習得研究の概観
  4.2 言語習得とは何か 348
    4.2.1 言語習得の多様性
    4.2.2 言語習得と臨界期
    4.2.3 母語習得
    4.2.4 第二言語習得
  4.3 言語習得の基盤 351
    4.3.1 はじめに
    4.3.2 前言語期:コミュニケーションの萌芽
    4.3.3 社会的基盤と認知能力
    4.3.4 象徴化と一語発話
    4.3.5 学習を促す養育者の働きかけと育児語
  4.4 母語習得:語の習得 358
    4.4.1 初語〔しょご〕と語の誤用
    4.4.2 急速な語彙の増加
    4.4.3 語の習得順序
    4.4.4 語の習得メカニズム
  4.5 母語習得:語の結びつきから文へ 362
    4.5.1 二語発話から文へ
  4.6 新しいことばと知識の創造 364
    4.6.1 類推と比喩
    4.6.2 比喩と理解


5章 動物の学び[川合伸幸] 368
  5.1 動物の学習 368
    5.1.1 「学習」と「学び」
    5.1.2 動物は学ぶか
  5.2 動物の学び 370
    5.2.1 学習することの学習
    5.2.2 脳の大きさと学習することの学習
    5.2.3 さまざまな霊長類における学習の質的な違い:「学びの出現」
  5.3 「動物の学び」をうながす要因 376
    5.3.1 強化の法則だけでは「学び」をうみださない
    5.3.2 「学び」をひきだす「まなざし」
  5.4 年齢と「学び」 382
    5.4.1 動物の言語訓練と年齢
    5.4.2 動物の「文化化」
    5.4.3 老齢ザルの「学習セット」
  5.5 おわりに 386


  V部――関係と状況の中での「学び」
1章 関係論的学び論―関係発達論の立場から[鯨岡峻] 389
  1.1 人は周囲の人と共に生きる中で学ぶ 389
  1.2 学ぶ(まねぶ)ことの基本 390
    1.2.1 「育てる―育てられる」関係の中に生まれる学び
    1.2.2 同一化のメカニズム
  1.3 「育てる―育てられる」という関係 393
  1.4 子どもという存在の両義性(ambiguity):「ある」と「なる」 395
  1.5 大人による養護的対応(treatment of caring)の必要 396
  1.6 大人による教育的対応(treatment of educating)の必要 397
  1.7 「ある」から「なる」へ 398
  1.8 子どもにとって「なる」の目標は周囲の大人や仲間である 400


2章 文化・歴史学派(ヴィゴツキー学派)の理論とその展開[高木光太郎] 403
  2.1 文化・歴史学派の形成 403
  2.2 文化・歴史理論の概要 404
    2.2.1 歴史的発達の所産としての高次精神機能
    2.2.2 複数の発生領域とその関係への注目
    2.2.3 高次精神機能の記号による媒介
    2.2.4 文化的発達の一般的発生的法則
    2.2.5 科学的概念と生活的概要
      (1) 科学的概念の特徴
      (2) 科学的概念の発達
    2.2.6 最近接発達領域
      (1) 科学的概念の発達における教授の役割
      (2) 発達可能性への注目
  2.3 レオンチェフ[Алексе́й Лео́нтьев]の活動理論 412
  2.4 欧米における文化・歴史理論の再評価と拡張 413
    2.4.1 コール[Michael Cole]による媒介概念の拡張
    2.4.2 ワーチ[James V. Wertsch]による媒介概念の拡張
    2.4.3 ロゴフ[Barbara Rogoff]による参加概念の導入
    2.4.4 エンゲストローム[Yrjö Engeström]による活動理論の拡張
  2.5 おわりに 421


3章 生態学的学び―知覚と行為の相補的発展[三嶋博之・丸山慎] 423
  3.1 学びにおける知覚の重要性 423
  3.2 「知覚学習」という学び 426
    3.2.1 知覚学習とは
    3.2.2 能動的な知覚
    3.2.3 知覚と行為の相補的な接続
  3.3 知覚学習の根拠となる発達研究 429
    3.3.1 「知覚の初心者」による環境の短縮
    3.3.2 ビジュアル・クリフ
    3.3.3 行為の可能性を知覚するためのリアルな環境
    3.3.4 環境の変化から「道具」の機能を知る
    3.3.5 アフォーダンスの学習
  3.4 学習と発達のグランドセオリーに向けて 434
    3.4.1 変化に対する柔軟な対処
    3.4.2 新生児歩行反射消失のミステリー
    3.4.3 ダイナミック・システムズ・アプローチ
    3.4.4 知覚学習への示唆
  3.5 生態学的な学びと、動物-社会-環境システムの進化 438


4章 学びの評価[松下佳代] 442
  4.1 評価の新しいパラダイム 442
    4.1.1 二つのパラダイム
    4.1.2 オルターナティヴ・アセスメントの社会・歴史的文脈
  4.2 学びの評価としてのパフォーマンス評価 444
    4.2.1 パフォーマンス評価とは
    4.2.2 パフォーマンス評価の特徴
      (1) 評価の直接性
      (2) パフォーマンスの文脈性
      (3) パフォーマンスの複合性(クラスター性)
      (4) 評価の分析性と主観性
    4.2.3 学校外でのパフォーマンス評価のバリエーション
  4.3 学校でのパフォーマンス評価 449
    4.3.1 パフォーマンス課題とルーブリック
    4.3.2 事例1:医療教育におけるパフォーマンス評価
    4.3.3 事例2:数学教育におけるパフォーマンス評価
      (1) ハンズオン課題(TIMSS[Trends in International Mathematics and Science Study])
      (2) 筆記課題(JELS[Japan Education Longitudinal Study]ほか)
    4.3.4 学校でのパフォーマンス評価の困難さ
      (1) 真正性とシミュレーション
      (2) ルーブリックの陥穽
  4.4 パフォーマンス評価の今後 457


5章 協調的な学び[三宅なほみ] 459
  5.1 はじめに:「協調的な学び」という考え方 459
  5.2 認知科学の歴史の中で 460
  5.3 協調的な認知プロセス 463
    5.3.1 収斂説と建設的相互作用説
    5.3.2 建設的相互作用を引き起こすデザイン原則
  5.4 協調的な学びを支援する:長期にわたる実践デザイン 467
    5.4.1 ジグソー法とその発展
    5.4.2 仮説の構成を支援する仮説実験授業
  5.5 「協調的な学び」研究のこれから 473
    5.5.1 学習目標を作り変える
    5.5.2 学習目標のタイミングを変える
    5.5.3 「協調的な学び」の認知科学を目指して


  VI部――「学び」とテクノロジー
1章 テクノロジー利用による学びの支援[大島律子・大島純] 481
  1.1 学習環境を構築するための情報テクノロジー 481
  1.2 情報テクノロジーに期待される効果 482
  1.3 テクノロジーによる協調学習支援 483
    1.3.1 協調学習を支援する学習環境構築の背景理論
    1.3.2 協調学習支援システムの備える主な機能とデザイン原則
  1.4 WISE[web-based inquiry science environment]:知識統合を支援するシステム 485
    1.4.1 WISEの開発理念とデザイン原則
    1.4.2 WISEの提供する学習環境
  1.5 Knowledge Forum:知識構築を支援するシステム 489
    1.5.1 Knowledge Forumの開発理念とデザイン原則
    1.5.2 Knowledge Forumの提供する学習環境
  1.6 おわりに 493


2章 学びと身体空間―メディアとしての身体から感性を読み解く[阪田真己子] 495
  2.1 身体というメディア 495
  2.2 コミュニケーションのメカニズム 496
  2.3 身体動作のプロセス 497
  2.4 感性と感性情報 498
  2.5 身体動作と感性情報 499
  2.6 身体メディアからの感性情報の抽出 501
    2.6.1 言語情報による抽出
    2.6.2 計測機器によるデータ抽出
      (1) モーションキャプチャによる動作計測
      (2) アイトラッカーによる視線計測
    2.6.3 身体から感性を計測するということ
  2.7 身体空間と感性 506
  2.8 学びと身体空間 507


3章 認知ロボティクスにおける「学び」[小嶋秀樹] 509
  3.1 なぜロボットなのか 509
  3.2 従来の学習観 511
    3.2.1 機械学習とは
    3.2.2 機械学習は「学び」か?
  3.3 内発的動機づけ 513
    3.3.1 「学び」にゴールはない
    3.3.2 「学び」を動機づけるもの
    3.3.3 内発的動機づけのモデル
  3.4 環境に応じる身体 516
    3.4.1 身体を持った人工知能
    3.4.2 身体と環境のつながり
    3.4.3 新体制ロボティクス
    3.4.4 身体・活動・「学び」
  3.5 社会的インタラクション 519
    3.5.1 社会性の発達プロセス
    3.5.2 ロボットの社会性発達
    3.5.3 ロボットによる療育支援
  3.6 まとめ 523


4章 リソースの中に埋め込まれた学び―次世代ロボット創出プロジェクトの実践から[岡田美智男] 525
  4.1 状況に埋め込まれた行為 525
  4.2 はじめて小学校に通う 525
  4.3 教室という「ハコ」の中で 528
  4.4 理工科系離れとモノ作り教育における課題 530
  4.5 「次世代ロボット創出プロジェクト」のコンセプト 531
  4.6 「次世代ロボット創出プロジェクト」の実際 533
  4.7 ネットワークは陰の主役 536
  4.8 教えながら学ぶ 537
  4.9 学びはリソースに埋め込まれている 538
  4.10 社会からの評価もリソースの一部である 540


5章 超デジタル時代における「学び」の探求[渡部信一] 541
  5.1 デジタルから「学び」を探るプロジェクト 541
    5.1.1 ロボット開発と自閉症の「学び」
    5.1.2 デジタルテクノロジー活用による「学び」の探究
    5.1.3 伝統芸能をデジタルで伝える
  5.2 デジタルの発展はアナログへ向かう 545
    5.2.1 サンプリングレートの向上
    5.2.2 対象を丸ごとシミュレーションする
    5.2.3 状況との関係性を丸ごと扱う
    5.2.4 ウェブ世界における新しい「学び」
  5.3 「よいかげんな知」と「しみ込み型の学び」 548
    5.3.1 「よいかげんな知」に着目する
    5.3.2 「しみ込み型の学び」を取り戻す
  5.4 超デジタル時代の「学び」を探求する 552
    5.4.1 アナログとデジタルが融合する時代
    5.4.2 一つの提案:「しみ込み型の学び2010」
    5.4.3 「学び」の根底にある精神性への着目


あとがき(佐伯胖) [557-558]
参考文献 [559-593]
索引 [594-607]