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『私的所有論』(立岩真也 勁草書房 1997)

著者:立岩 真也[たていわ・しんや](1960-) 


私的所有論 - 株式会社 勁草書房

arsvi内の本書のページ(書評・文献表など)。
立岩真也『私的所有論』


・第二版が文庫版で刊行。解説は稲葉振一郎
私的所有論[第2版] | 生活書院


【目次】
序 [i-v]
目次 [vii-xiv]
凡例 [xv]


第1章 私的所有という主題 001
1 私的所有という主題 003
  [1]能力 
  [2]所有=処分に対する抵抗 
  [3]自己決定の外側、そして線引き問題
2 主題が置かれている環境 009
  [1]技術・生命倫理学 
  [2]社会学 
  [3]問いについての歴史
注 019


第2章 私的所有の無根拠と根拠 025
1 所有という問題 027
  [1]自己決定の手前にある問題 
  [2]私的所有という規則 
2 自己制御→自己所有の論理 031
  [1]自己制御→自己所有の論理 
  [2]批判 
  [3]「自由」は何も言わない 
3 効果による正当化と正当化の不可能性 041
  [1]利益?(1) 
  [2]利益?(2) 
  [3]「共有地の悲劇」? 
4 正当化の不可能性 052
  [1]サバイバル・ロッタリー 
  [2]正当化の不可能性 
注 056


第3章 批判はどこまで行けているか 067
1 自己決定の条件 069
  [1]批判を検討する 
  [2]決定のための情報 
  [3]自己決定ではないとする批判 
  [4]他者(達)の侵害/パターナリズム
2 公平という視点 078
  [1]何が問題にされているか 
  [2]富者しか利用できない? 
  [3]貧しい者が搾取される? 
3 交換と贈与について 085
  [1]交換と贈与について
  [2]本源性の破壊?
注 089


第4章 他者 101
1 他者という存在 103
  [1]制御しないという思想 
  [2]私でないのは私達ではない 
  [3]他者である私 
  [4]「自然」
  [5]他者という存在 
2 境界 116
  [1]境界という問題 
  [2]境界線は引かれる 
  [3]β?その人のものでないもの 
  [4]α? その人のものであるもの 
  [5]α/β 
3 自己決定 127
  [1]自己決定は肯定される 
  [2]自己決定の/を巡る困難 
  [3]自己決定は全てを免罪しない 
  [4]決定しない存在/決定できない事態 
  [5]自己決定のための私的所有の否定
  [6]条件を問題にするということ
4 技術について 145
  [1]技術 
  [2]「私」 
  [3]私が私を作為することに対する他者の感覚 
  [4]離脱? 
  [5]他者による規定 
5 生殖技術について 153
  [1]抵抗の所在 
  [2]単なる快と不快という代償 
  [3]偶然生まれる権利 
注 165


第5章 線引き問題という問題 173
1 自己決定能力は他者であることの条件ではない 175
2 線はないが線は引かれる177
  [1]線引きの不可能 
  [2]同じであること/近いこと
3 人間/非人間という境界 182
  [1]ヒトという種、あるいは、人であるための資格 
  [2]人のもとに生まれ育つ人であることを受け止める人 
  [3]資格論の限界
  [4]その人のもとにある世界 
4 はじまりという境界 195
  [1]はじまりという問題 
  [2]生産物に対する権利 
  [3]他者が現われるという経験 
  [4]所有と資格
注 205


第6章 個体への政治 215
1 非関与・均一の関与 217
  [1]自由な空間 
  [2]均質な関与・権力の透明な行き渡り 
  [3]自己を制御する自己の想定
  [4]関数の不在→個体関与の戦略 
2 主体化 223
  [1]主体化 
  [2]二重予定説 
  [3]公教育 
  [4]介入・成長・消失 
3 性能への介入 228
  [1]環境・遺伝への注目と介入 
  [2]アメリカ合衆国とドイツにおける優生学 
  [3]優生学の「消失」 
4 戦略の複綜 241
  [1]自己原因/被規定性 
  [2]放任/介入 
  [3]介入/非関与 
  [4]個体への堆積 
注 249


第7章 代わりの道と行き止まり 269
1 別の因果 271
  [1]社会性の主張 
  [2]真性の能力主義にどう対するのか 
  [3]間違っていない生得説に対する無効 
  [4]因果を辿ることの限界 
2 不可知による連帯 280
  [1]保険の原理による修正 
  [2]可知になる時 
3 抵抗としての自由 285
  [1]抵抗としての自由 
  [2]自由であるための資格 
4 より「根底的」な批判 290
  [1]能力主義者である私の否定 
  [2]関係の自然史 
  [3]政治学への転換 
  [4]閉塞? 
5 行き止まりを通り抜ける 301
  [1]禁じ手を使う 
  [2]人のいない市場 
  [3]円環から抜ける 
注 309


第8章 能力主義を否定する能力主義の肯定 321
1 問い 323
  [1]いくつかの問い 
  [2]答が答えていないことについて 
2  I 〈私が作ったものが私である〉の否定 328
  [1]手段性・個別性に関わる批判 
  [2]手段性の不可避性 
  [3]個別性の不可避性 
  [4]Iの否定 
3  II 〈能力に応じた配分〉の否定+肯定 335
  [1]正しさはないが起こってしまう 
  [2]廃絶の試みについて 
  [3]市場+再分配という退屈な仕掛けの、しかし退屈であるがゆえの採用
4  III 〈能力しか評価してはならない〉の肯定 348
  [1]IIIは所有・契約の原理からは導かれない 
  [2]I・IIはIIIを正当化しない 
  [3]IIIの擁護 
5 結論と応用問題への回答と解けない問題 352
  [1]結論および再確認 
  [2]他者があることの経験の場――例えば学校について
  [3]遺伝子検査と雇用、保険 
  [4]他者が他者であるがゆえの差別
注 367


第9章 正しい優生学とつきあう 373
1 出生前診断 375
  [1]出生前診断 
  [2]障害者の社会運動の批判 
  [3]女性の運動の批判・応答 
  [4]残されている問題 
2 女性の「自己決定」という設定の錯誤 390
  [1]決定の対象は「自己」ではない 
  [2]負担者であるがゆえの権利という論理 
3 「当事者」の不在 393
  [1]「本人の不幸」という主張は成り立ちえない 
  [2]抹殺とする批判を採らない 
  [3]範疇に対する差別? 
4 なぜ私達は行うのか 401
  [1]不快/不都合 
  [2]死/苦痛 
  [3]いずれも勝手な行いであることの中の差異 
  [4]「正しい」優生学としての出生前診断・選択的中絶 
5 何がなされうるのだろうか 412
  [1]知らされてよいのか 
  [2]積極的な権利としての選ばない権利 
6 積極的優生について 418
  [1]積極的優生 
  [2]積極的優生は不愉快だから禁止される 
7 引き受けないこと 422
  [1]否定するのでなく、場から降りること 
  [2]小さな場に現われる 
  [3]私から遠ざけること 
注 428


おわりに(一九九七年五月 立岩真也) [443-445]
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