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『数学の想像力――正しさの深層に何があるのか』(加藤文元 筑摩選書 2013)

著者:加藤 文元[かとう・はるふみ] (1968-) 数学、数理解析。 
件名:数学--歴史
NDC:410.2 数学 >> 歴史
NDC:410.4 数学 >> 評論


筑摩書房 数学の想像力 ─正しさの深層に何があるのか / 加藤 文元 著


【目次】
目次 [003-006]


第1章 背理法の音楽 009
  音楽と数学
  「流れ」
  「流れ」の自己相似性
  論理的推論
  三段論法――最小の入れ子構造
  論理と流れ
  音楽的な数学
  背理法
  背理法による証明の例
  仮定の〈後出し〉
  虚構の推論
  間接証明
  背理法の音楽
  人間と数学


第2章 見よ! 041
  ソクラテスと僕童
  無邪気な信念
  「見る」ということ
  普遍的〈正しさ〉と証明
  証明の決済としての「見る」
  「無邪気な信念」の是非
  「代数語を話す」という前提
  正しさの認識における三要素


第3章 数を観る 066
  円周率
  素朴な計算法
  その歴史
  日本人の寄与
  建部賢弘の計算
  数を「観る」
  「注目すべき事実」
  証明のない〈正しさ〉


第4章 儀式としての証明 087
  「証明する」ということ
  『ユークリッド原論』
  議論の形式化
  「見る」の排除
  厳密性の基準
  明証性のコペルニクス的転回
  ピタゴラス神秘主義
  ピタゴラスピタゴラス学派
  オルフェウス教の影響
  見ることへの忌諱
  ギリシャ的明証性の根底にあるもの


第5章 見えない正しさ 119
  線分と数
  形相か質料か
  数と量
  弦の長さの比
  対角線の長さ
  無理数
  ピタゴラスの定理
  通約不可能性
  背理法による証明
  見えない数への恐怖
  計算と論証
  複合的要因


第6章 無限に対する恐怖 152
  数学の時代性・地域性
  「1」は〈数〉か?
  エレアのパルメニデス
  「真理の道」と「臆見の道」
  背理法の起源
  様式化された正しさ
  「運動」の否定
  矢の逆理
  競技場の逆理
  二つの逆理が示すこと
  〈無限〉に対する恐怖


第7章 無限の回避 188
  円の面積
  アルキメデス『円の計測』
  アルキメデスの公理
  正多角形による近似
  アルキメデスによる証明
  証明の構造
  取り尽くし法
  「アキレスと亀」の逆理
  計算と論理


第8章 伝統のブレンド 215
  現代数学への道
  古代文明の数学
  古代中国数学
  古代インド数学
  「0」の発見
  中世の中国とインド
  アラビア数学
  数学の算術化


第9章 無限小算術 250
  十二世紀ルネサンス
  幾何学代数学
  近代西洋数学の成立
  微分積分学の勃興
  無限小算術の「基盤」
  ゼノンの再来
  論理的不整合


第10章 西洋科学的精神 275
  西洋数学の十九世紀革命
  極限概念
  問題の回避
  数学の解放
  自然科学と数学
  対象を〈作る〉
  理性と信仰
  「奇跡は起こっているのだ!」


エピローグ(平成二十五年四月 熊本にて 加藤文元) [301-304]
参考文献 [305-307]