著者:中野 剛志[なかの・たけし] (1971-) 官僚。評論家。
NDC:331.23 経済学説史.経済思想史
【目次】
目次 [001-006]
序章 正統と異端 009
第一章 もうひとつの政治経済学 ハミルトンとリスト 019
1.アレクサンダー・ハミルトン 019
代表的な経済ナショナリスト
ハミルトンの国民国家構想
『製造業に関する報告書』
2.フリードリヒ・リスト 032
悲劇の愛国者
ネイションの政治経済学
生産力の理論
歴史と経験
3.経済ナショナリズムの理論の本質 046
ハミルトンとリストの共通点
重商主義との相違
第二章 国力論の源流 ヒューム 053
1.経済ナショナリズム発祥の謎 053
コルベールか、ハミルトンか
誤解されたヒュームとスミス
なぜヒュームなのか
ヒュームの一生とその思想
2.社会科学の誕生 064
近代経済の勃興
ネイションの誕生
社会科学の成立
ヒュームの社会科学革命
解釈学
共和主義との違い
3.ヒュームの政治経済学 078
政治の優位
慣習
人的資本としての労働力
国力増進という目的
経済発展と国力
経済政策
自由貿易による産業の多様化
自由貿易による国内産業の発展
保護貿易の可能性
4.経済思想史の修正 103
ヒュームの継承者たち
経済自由主義と重商主義
第三章 国力の哲学 ヘーゲル 111
1.ヘーゲルの方法 111
政治経済学者ヘーゲル
社会科学の方法
合理主義という狂信
解釈と自由
2.欲求の体系 120
前近代社会と近代社会
財産権
仕事
仕事の不均衡
資本主義に内在する矛盾
職業団体の重要性
3.ヘーゲルの国民国家理論 135
近代国家とナショナリズム
合理主義的国家建設の拒否
ヘーゲルの理論とその合意
第四章 裏切られた創始者 マーシャル 143
1.マーシャルの誤算 143
新古典派経済学の開祖?
マーシャルの方法論
2.経済とネイション 150
『産業と貿易』
ネイション発生の理論
ナショナリズムと国際秩序
幼稚産業保護論
マーシャルの社会主義と保守主義
3.愛国者マーシャル 166
自由主義的なナショナリズム
経済騎士道と経済ナショナリズム
マーシャルのスミス解釈
第五章 経済理論とナショナリズム 173
1.国を忘れた経済学 173
失われた系譜
2.ケインジアンとナショナリズム 176
ジョン・メイナード・ケインズ
ジョーン・ロビンソン
3.福祉国家とナショナリズム 184
グンナー・ミュルダール
4.成長理論とナショナリズム 190
サイモン・クズネッツ
終章 経済ナショナリズムの可能性 195
参考・引用文献 [205-218]
あとがき(二〇〇八年三月一六日 中野剛志) [219-221]