編著者:八代 充史[やしろ・あつし] 人的資源管理論、労働経済学
編著者:牛島 利明[うしじま・としあき] 商学。産業史、経営史。
編著者:南雲 智映[なぐも・ちあき] 人的資源管理論、組織行動論、労働経済学、労使関係論。
編著者:梅崎 修[うめざき・おさむ] 労働経済学、
教育の経済学(戦後日本の雇用システムの形成過程、労使関係)。
編著者:島西 智輝[しまにし・ともき] 日本経済史、経営史(エネルギーの生産・利用の歴史、オーラルヒストリーを活用した労働史)。
インタビュー対象者:成瀬 健生[なるせ・たけお] 日本経営者団体連盟常務理事
インタビュー対象者:小柳 勝二郎[おやなぎ・かつじろう] 日本経営者団体連盟賃金部長
インタビュー対象者:福岡 道生[ふくおか・みちお] 日本経営者団体連盟専務理事
インタビュー対象者:荒川 春[あらかわ・しゅん] 日本経営者団体連盟労務管理部長
インタビュー対象者:樋渡 智子[ひわたり・さとこ] 日本経営者団体連盟賃金部課長代理
インタビュー対象者:鈴木 不二一[すずき・ふじかず] 連合総合生活開発研究所研究員
シリーズ:慶應義塾大学産業研究所選書 戦後労働史研究
件名:人事管理
NDLC:DH311
NDC:336.4 経営管理 >> 人事管理.労務管理
慶應義塾大学出版会 | 『新時代の「日本的経営」』オーラルヒストリー | 八代充史 牛島利明 南雲智映 梅崎修 島西智輝
【目次】
慶應義塾大学産業研究所について [/]
はじめに [i-iii]
目次 [v-xii]
解題――本書の概要とその意義 001
はじめに
1 『新時代の「日本的経営」』とは
2 『新時代の「日本的経営」』の背景――「河毛委員会」との連続性
3 事務局および委員会の体制
4 「雇用ポートフォリオ」について
(1) 「雇用ポートフォリオ」とは何か?
(2) 「雇用ポートフォリオ」の図とグループの名称
5 職能資格制度と定期昇給
6 フォローアップ調査
7 報告書の世間への受け止められ過多
(1) 報告書刊行およびその広報
(2) 新聞記事から見た『新時代の「日本的経営」』
8 労働組合から見た『新時代の「日本的経営」』
(1) 鈴木不二一氏の証言から
(2) 連合本部の対応
9 『新時代の「日本的経営」』から二〇年――日本的経営は変わったのか?
参考文献 038
第一章 「新日プロ」の起源と背景――成瀬健生氏(第一回) 041
日経連での業務を振り返って 043
日経連へ入職するまで
日経連労働経済研究所へ
調査研究部へ
生産性基準原理
支払能力理論
国際部次長を兼務
調査部長就任
男女雇用機会均等法
常務理事就任
日経連の全国組織
日経連の意思決定方式
日経連設立の経緯 062
設立当時の危機意識
GHQの影響
地方経営者協会との関係
日経連主要部局の役割 066
労政部の業務
労務管理部の業務弘報部の業務
職務分析センターの業務
職務給と職能給
組織部の業務
本部と地方の経営者協会の関係 075
経協からの出向
社会主義への危機感
職務分析センターと能力主義管理研究会 077
理想としての職務給
職務分析センターの試行錯誤
能力主義管理研究会との関係
職能資格制度の導入
日本賃金研究センターとの関係
「新時代の「日本的経営」』プロジェクト 088
部門横断的執筆体制の構築
プロジェクトの背景
「雇用ポートフォリオ」の着想
三つの箱へ
非正規雇用の拡大について
第二章 ポスト「年功賃金」を考える―― 小柳勝二郎氏 099
プロジェクト参画までのキャリア 101
職務分析センターに配属
交換出向で現場を経験
出向先での間接部門効率化
日経連への復帰
調査部賃金課長に就任
関東経営者協会で中小企業問題に取り組む
証券会社の労務管理
『新時代の「日本的経営」』プロジェクト始動 111
賃金部設立と賃金部長就任
プロジェクト立ち上げの経緯
プロジェクトの組織構成
報告書の執筆過程 119
報告書の構成と執筆分担
「雇用ポートフォリオ」作成の苦労
「ポートフォリオ」と命名した理由
報告書刊行後の反響 126
「雇用ポートフォリオ」への賛否
四パターンの具体策提示
年功賃金見直しの選択肢を示す
「つまみ食い」発言の真相
高度専門能力活用型グループの位置づけ
事例提示による根拠づけ
労働組合の反応は鈍かった
アンケート調査の実施
雇用三グループのバランス
職務給から役割給へ
高齢者雇用をめぐる議論
降格問題をめぐる賛否
「挑戦」と名づけた意図
書籍化しなかった理由
議論できなかった課題
日経連の自由な組織風土
第三章 「人間尊重」の継承と改革―― 福岡道生氏 151
『新時代の「日本的経営」』プロジェクトの起源 155
河毛委員会
経営環境の激変
プロジェクトの発足 157
プロジェクトの構成
日経連常務理事就任の経緯
プロジェクトの理念
雇用三分類の起源
プロジェクトの推進 168
組織内の役割分担
企業委員の役割
事例の選択
ワーキンググループでの議論
報告書形式での発行について
報告書の提言内容について 177
「雇用ポートフォリオ」図の意図
「高度専門能力活用型」について
「雇用ポートフォリオ」図の反響
職能資格制度の是非
定期昇給廃止案
職務給の導入
降格処遇について
賞与について
複線型人事制度
女性労働問題と外国人労働者問題
新規学卒一括採用
労使関係について
高度専門能力活用型グループの賃金
第四章 「終身雇用」の脱神話化―― 荒川春氏 195
日経連での略歴 197
日経連入職後、労務管理一筋に
日経連事務局の柔軟な組織風土
集団的労務管理とは?
『新時代の「日本的経営」』プロジェクト 204
プロジェクト発足の経緯
なぜ「新・日本的経営システム等」なのか
河毛委員会との人的継続性
「雇用ポートフォリオ」の作図について
プロジェクト内の役割分担について
プロジェクトに対する当初の認識
「雇用ポートフォリオ」について 216
最初の問題提起
「三種の神器」の脱神話化
日本の労務管理は「雇用調整」の歴史
中立的「グループ」分けの意図
各グループへの思い
図に託された意図
「ポートフォリオ」の命名
三分類への収斂とプロジェクト内の反応
報告書の反響について
研究者からの影響は少ない
第五章 報告書の作成とフォローアップ調査―― 樋渡智子氏 229
日経連での経歴 241
東京経営者協会と日経連
調査部経済課へ
賃金部へ
経団連から東京経営者協会へ
日経連での主な業務
「新時代の「日本的経営」』プロジェクト 247
河毛委員会報告の継承
ストック型/フロー型分類の影響
アドバイザーとワーキンググループ
新日プロ事務局の体制
中間報告の発表
事例の聞き取りと位置づけ
中小企業の扱いについて
アンケート調査について
執筆の割り振りと調整
「雇用ポートフォリオ」図のこだわり
二回のフォローアップ調査
「雇用ポートフォリオ」の推移
非正規雇用の拡大
頒布とプレスリリースについて
各界からの反応
新日プロの今日的評価
第六章 雇用ポートフォリオとは何だったのか――成瀬健生氏(第二回) 285
『新時代の「日本的経営」』 執筆者の構成 287
企業委員の役割
河毛委員会との連続性
「雇用ポートフォリオ」の誕生 290
「雇用ポートフォリオ」のきっかけ
「雇用ポートフォリオ」図の誕生まで
中間報告の提出
メンバーの役割分担
高度専門職の扱い
時間軸の導入の検討
中小企業への対応
雇用三タイプの比率
高度専門職の育成
雇用柔軟型の変容と増加
報告書のとりまとめ過程 309
成瀬氏の役割
福岡氏の役割
アドバイザーの貢献
報告書の反響 313
報告書配布の経緯
予想外の反響と対応
講演での反応
メディアの反応/労働組合の反応
派遣労働の拡大について
報告書の歴史的意味と非正規雇用の今後
第七章 労使関係から財務の論理へ:労働組合の視点――鈴木不二一氏 321
連合総研での略歴 323
雇用構造の地殻変動期に
情報労連時代
連合総研へ
連合と日経連の関係 328
雇用の柔軟化
アダプタビリティ
『新時代の「日本的経営」』について 332
ホワイトカラー主導の労働運動
時代背景としての規制緩和と円高
連合による新経済社会ビジョンの模索
連合の役割と行動スタンス
「人材ポートフォリオ」論について――労使関係から財務の論理へ
財務の論理の伸長
短期成果主義
「雇用ポートフォリオ」について 344
「高度専門能力活用型」の虚妄性
専門職志向と管理職志向
「雇用柔軟型」から「非正規雇用」へ
「職業安定、雇用不安定」な働き方
自己責任型の市場社会
一九九七年の転換
企業はポートフォリオを組めるのか
専門職型キャリアは拡大しているか
職業的アイデンティティの不在
賃金問題
日経連と経団連の統合について 358
参考文献 [361-364]
索引 [365-369]