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『日本の財政――再建の道筋と予算制度』(田中秀明 中公新書 2013)

著者:田中 秀明[たなか・ひであき] (1960-) 官僚(大蔵省)。財政学、経済政策。
NDC:342.1 財政史・事情

日本の財政|電子書籍|中央公論新社


【目次】
はじめに [i-vii]
  確実に高まってきたリスク
  経済成長だけでは解決できない


第1章 財政悪化の軌跡――危機を深めた二〇年 003
1 バブル崩壊後の公債依存――継続する財政法違反 003
  一九九〇年、特別公債脱却目標の達成
  財政構造改革元年だった一九九七年
  「財政構造改革法」の挫折
2 小泉財政構造改革――成果と限界 009
  小泉政権の誕生
  会計間操作と歳出削減
  二〇〇六年の歳出・歳入一体改革
  リーマン・ショックと改革の頓挫
3 民主党政権下の試み――政治主導の模索 017
  政権交代の実現
  大きく振幅した経済
  民主党の政治主導
  模索が続いた予算編成
  事業仕分けの功罪
  「子ども手当」をめぐる迷走
  菅政権の発足と消費増税の検討
  東日本大震災と復興増税
  反対のなかで達成した社会保障・税一体改革
  民主党政権三年間の財政の軌跡
  マニフェストの財源確保
  民主党の敗北と自民党の政権復帰


第2章 財政赤字の政治経済学――問題は政治家か制度か 043
1 財政赤字の理論――モデルの探求 043
  景気循環財政赤字
  「政治家の行動」に求めるモデル
  「制度」に求めるモデル
2 予算制度と政治家――コミットメントの重要性 048
  情報の問題
  財政・予算とは
  集権化と透明化
  財政ルール
  中期財政フレーム
  意思決定システム
  予算・財政に関する情報と透明性
  制度とプレーヤーの相互作用


第3章 先進国の財政再建――失敗した国、成功した国 061
1 財政再建のモデル――開始・実行・結果 061
  財政再建過程
  財政再建を促す要因
  支出削減か増税
  財政再建の効果
2 一〇ヵ国の失敗と成功――二〇〇〇年代の明暗 066
  OECD一〇ヵ国の事例分析
  アメリ
  支出ルールの成功と限界
  イギリス
  ゴールデン・ルールとサスティナビリティ・ルール
  ニュージーランド
  財政責任法というアンカー
  オーストラリア
  予算公正憲章法
  カナダ
  一九九〇年代前半の予算制度改革
  フランス
  ドイツ
  権限の断片化と財政規律の低下
  イタリア
  財源確保規定による一定の改善
  スウェーデン
  三ヵ加年の歳出総額上限の先決
  財政規律のさらなる強化
  オランダ
  「トレンドベース・アプローチ」の成功
3 財政再建――成功の鍵は何か 117
  二〇〇〇年代の明暗/アメリカでの財政規律の低下
  ユーロ危機に直面する欧州
  事前のコミットメント――ルール・目標の約束
  事後のコミットメント――ルール違反の監視
  ピア・レビュー
  独立財政機関の導入
  大国と小国の相違
  透明性の重要性


第4章 日本財政が抱える病理――財政規律と予算制度 133
1 予算制度の実態――さまざまな「抜け穴」 133
  日本の予算とは
  二〇〇〇ページを超える予算書
  予算の“一生”
  関心が低い「決算」
  定例化する赤字公債発行
  規律が低下する建設公債
  一般政府レベルの財政ルール
  抜け穴だらけの「シーリング」――増分主義の遺産
  政策判断を歪める当初予算の比較
  「予定」されている補正予算
  一般会計と特別会計間の操作
  「隠れ借金」
  単なる見通しの中期財政フレーム
2 予算編成過程――拒否権プレーヤーの存在 163
  断片化している意思決定
  与党の介入
  党介入の起源――独立直後からの関与
  政治主導と「特別枠」
  税制改革――自民党税制調査会による決定
  拒否権プレーヤー
  首相や財務相の弱い力
  ガーディアンとスペンダーの戦い
  執行面の軽視
3 改革には何が必要か――日本版財政責任法 178
  橋本改革のねらい
  経済財政諮問会議の設置
  小泉内閣の予算の検証
  公共事業費の削減
  経済財政諮問会議の評価
  民主党政権の予算制度改革
  ベースライン導入への財務省の反対
  問題の整理
  財政責任法の制定を


第5章 予算と政治――ガバナンスの強化 195
1 与党・官僚内閣制――曖昧な責任の所在 195
  与党議員と官僚の連携
  公務員の政治化と専門性の劣化
  中央省庁等改革の限界
  民主党政権統治機構改革
2 財務省の役割とは――専門性と透明性 208
  予算編成のゲームのルール
  財政再建に成功した国の特徴
  財政当局の新たな役割
  財務相の政治化と利害
  財務省のジレンマ
3 公務員制度の再構築――日本版上級管理職制度 215
  財政再建公務員制度改革
  公務員制度の分類
  上級管理職制度(上級公務員制度)
  オーストラリアのSES
  国家公務員制度改革基本法の成立と停滞
  改革の具体化の頓挫
  日本の公務員制度の問題
  国家公務員法の問題
  基本法に基づく改革案の問題
  公務員制度改革の課題
  日本版上級管理職制度の導入を


終章 日本財政の展望――三つの課題 237
  政権交代のたびに悪化する財政
  社会保障では大きな政府
  消費税一〇%で十分か
  経常赤字のリスク
  人口オーナス社会と後期高齢者の急増
  財政再建の第一歩――危機感の共有
  財政再建の第二歩――予算制度改革
  財政再建の第三歩――社会保障制度改革


あとがき(二〇一三年盛夏 東京 田中秀明) [259-262]
主要参考文献 [263-264]