著者:野嶋 剛[のじま・つよし](1968-) ジャーナリスト。
挿画・装画:矢野 恵司[やの・けいじ](1988-) イラストレーター。
装丁:木庭 貴信[こば・たかのぶ] グラフィック・デザイナー。(オクターヴ)
装丁:岩元 萌[いわもと・もえ] グラフィック・デザイナー。
NDC:334 人口.土地.資源
※2023年08月に筑摩書房より文庫化。『日本の台湾人――故郷を失ったタイワニーズの物語』に改題。装丁は変えない方がよかったと思う。
【目次】
まえがき [001-003]
目次 [004-006]
地図 [007]
第一章 政治を動かす異邦人たち 010
蓮舫はどこからやってきたか 010
二重国籍問題
謎の祖母を辿って
陳杏村をめぐる三つの顔
戦犯裁判資料が語る「真実」
台湾バナナで華麗なる復活
煙草をくゆらせ一喝
父・謝哲信の教育
再び花を咲かすために
[Column]「二重国籍問題」とは何か 042
日本、台湾、中国を手玉にとる「密使」の一族 辜寛敏&リチャード・クー 044
財閥・辜ファミリーの八男坊
ヒマワリ運動の源流
「特務の親玉」蔣経国
大陸反攻は「痴人の夢」
売国奴と呼ばれて
「92年コンセンサス」の仲立ち
大平外相の密命
日本政府からの7項目
日本に捨てられた
日本人だったらできない
中国共産党にも頼られて
辜家の運命
[Column]台湾独立運動の今昔 086
第二章 台湾で生まれ、日本語で書く
「江湖」の作家・東山彰良と王家三代漂流記 090
『流』に隠された父親の詩
元遊撃隊の祖父
ヤクザが各局する街
ホラを吹く大人たち
父の断筆
逃げて、また逃げて
冷たい雨に打たれた台湾総統選
浮遊するアイデンティティ
[Column]外省人と本省人、あるいは台湾人お中国人について 116
おかっぱの喧嘩上等娘、排除と同化に抗する 温又柔 118
怒りこそ創作を生む
南方の訛り
私が書かなければ、誰が書くのか
「対岸の火事」騒動
「在日」の意味を問う
蓮舫に言ってほしかったこと
[Column]台湾人と日本語文学 140
第三章 芸の道に羽ばたく 143
究極の優等生への宿題 ジュディ・オング 144
「他人の3倍生きてきた」
袁世凱暗殺を企てた祖父
政治には関わらない
日米合作映画でブレーク
日華断交で国籍変更
分かれ道は「魅せられて」
2度目の大病
版画の世界へ
日本の「戦後」に育てられた人
日中台の近代史のなかで
[Column]日華断交から日台関係の時代へ 178
客家の血をひく喜びを持って生きる 余貴美子 180
流浪の民の末裔に生まれて
祖父の小指の爪は長かった
出身地は広東省
池袋の歌謡喫茶
一族の誇り
「この人たちのために祈りたい」
[Column]客家〔はっか〕の背景は「中原」にあり 202
第四章 日本の食を変革する 205
「551蓬莱」創業者が日本にみた桃源郷 羅邦強 206
遊牧民由来の食物
「人間は学歴じゃない、学力や」
故郷・嘉義へ向かうと
カップヌードルの謎を追って 安藤百福 219
わが発明
チキンラーメンの原型
語らざるアイデンティティ
[Column]台湾ラーメンはどこにある? 232
第五章 帝国を背負い、戦後を生きる 235
3度の祖国喪失 陳舜臣 236
司馬遼太郎と李登輝
ふたの世界
2・28事件との遭遇
神の啓示
愛国華僑として
「民衆を殺す政権は長くは続かない」
国籍問題と出版紛争
ラストステージ
国民党のお尋ね者が「金儲けの神様」になるまで 邱永漢 262
割られたガラス
「食べないと金儲けできない」
香港へ逃亡
檀一雄の慧眼
文壇から評価されない理由
蒋介石政権への「投降」を演出
政界進出ならず
三つの約束
大人になれなかった子供
[Column]在日華僑? 在日台僑? 294
最終章 タイワニーズとは 297
日本社会のサボタージュ
日本にも持ち込まれた台湾の多様性
タイワニーズの絆に導かれて
あとがき [314-315]
年表 [316-317]
参考文献 [318-319]