著者:大田 暁雄[おおた・あきお](1981-) デザイン研究家(ダイアグラム・主題地図を中心とした情報視覚化の研究)。グラフィック・デザイナー。
カバーデザイン:鈴木成一デザイン室
NDC:002.7 知識.学問.学術 >> 研究法.調査法
備考:雑誌『アイデア』(誠文堂新光社)の連載を書籍化。
世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生 | Ohmsha
【目次】
目次 [003-005]
まえがき [007-008]
反例 [009]
第1部 「自然画」と生態学的視線の芽生え 010
1章 世界を一枚の紙の上に:近代デザインの祖としてのアレクサンダー・フォン・フンボルト 012
1-1. 自然世界のミニアチュール――垂直植生分布図と生態系の目覚め 013
1-1-1. ダイアグラムと絵画の共存
1-1-2. 地球規模の相対的リファレンスとして
1-1-3. 自然現象から人類の生活まで
1-1-4. 個別事象の記述から全体の再構築に向けて
1-1-5. 「自然画」のバリエーション
1-2. 地球と生命の起源――創造論的世界観から生態学的世界観へ 024
1-2-1. 地図上に現れた自然現象
1-2-2. 地質学と洪水
1-2-3. 生物の生態分類の幕開け
1-2-4. 垂直植生分布図の先駆者スラヴィ[Jean-Louis Giraud-Soulavie]
1-2-5. ツィンマーマン[Eberhard August Wilhelm von Zimmermann]の世界動物地図
1-2-6. 野生植物の生育限界
1-2-7. リッター[Carl Ritter]による自然アトラス
1-3. 「見ること」と「測ること」の融合 034
1-3-1. ゲーテ[Johann Wolfgang von Goethe]の世界風景図
1-3-2. フンボルトによる等温線の発明
1-3-3. 垂直植生分布図への結実
1-3-4. 結び
2章 「コスモス」の視覚化:ハインリヒ・ベルグハウスの『自然アトラス』とフンボルティアン・グラフィズムの展開 041
2-1. 世界の計測 042
2-1-1. 物理的側面から見た世界像
2-1-2. 「自然アトラス」の誕生
2-2. 地図学的言語の革新 044
2-2-1. 気象学
熱
風
雨
2-2-2. 水圏学
潮汐
海流
2-2-3. 地質学
起伏の科学的表現「等高線」
火山と地震
層序学[stratigraphy]的断面図と古生物
2-2-4. 地磁気学
2-2-5. 植物地理学
垂直植生比較図と植物区系図
栽培植物の分布域と限界
2-2-6. 動物地理学
鳥綱の分布図
哺乳綱の個別分布地図
2-2-7. 人類学・民族学
2-3. コスモス理念と地図学的才能の融合 066
2-3-1. 『コスモス』の身体
2-3-2. 地図学的な才能の集結
2-4. 『自然アトラス』の波及 067
2-4-1. 英国版『自然アトラス』
2-4-2. 直弟子ペーターマン[August Heinrich Petermann]の活躍
2-4-3. 『コスモスのアトラス』
2-4-4. 結び
第2部 近代社会のタブロー 074
3章 「社会」を描く:国民国家の確立と初期の統計グラフィック 077
3-1. 統計と国勢視覚化――人工、面積、経済 078
3-1-1. 政治経済「アトラス」
3-1-2. 都市の面積と人口の比較
3-1-3. 人口の分布と出生の哲学
3-2. 教育改革と倫理の統計学 085
3-2-1. 近代市民社会の教育改革
3-2-2. 道徳統計と徳育
3-2-3. 社会物理学と「平均人」
3-3. センサスの整備と産業革命 091
3-3-1. 人口と生活空間
3-3-2. 産業地図
3-4. 近代化の功罪――パンデミックと視覚的推論 095
3-4-1. 自然地理学的アプローチ
3-4-2. ロンドン 1848-1849 ――グレンジャー[Richard Dugard Grainger]の地図
3-4-3. ロンドン 1848-1849 ――ファー[William Farr]のダイアグラム
3-4-4. ロンドン 1854 ――スノウ[John Snow]の地図
3-4-5. 結び
4章 再組織化される国土 シャルル・ジョセフ・ミナールの流動地図 105
4-1. 「ナポレオンのモスクワ遠征地図」の忘れられた作者 106
4-1-1. フランス産業革命の到来
4-1-2. 移動のダイアグラム化
4-1-3. 流動ダイアグラムから流動地図へ
4-1-4. 鉄道時代が生んだ流動地図
4-2. 流動地図が描く「水路と陸路の戦争」 114
4-2-1. 「大ダコの触手」
4-2-2. 目による計算と精神による計算の相補性
4-2-3. 鉄道が変えた都市・農村の距離
4-3. 流動地図の変容――ハンニバルとナポレオンの遠征図 119
4-3-1. ハンニバル行軍地図
4-3-2. ナポレオンのモスクワ遠征地図
4-3-3. ハンニバル地図とナポレオン地図の共通性
4-3-4. 並置の意味
4-4. 「目による計算」のために 126
4-4-1. 比例図形と人口重心
4-4-2. 円の問題
4-4-3. 市場圏の算出
4-4-4. 視覚化の原則
4-4-5. 結び
5章 政策としての統計図表 エミール・シェッソンの『図的統計アルバム』 135
5-1. 産業化と図的統計 136
5-1-1. 統治と統計
5-1-2. 産業主義思想と万国博覧会
5-1-3. 国家管理のための視角的エビデンス
5-2. シェッソンの理論的準備――1878年パリ万国博覧会 141
5-2-1. パリ万博1878 ――統計グラフィックの繚乱
5-2-2. 図化様式の類型分類
5-3. 『図的統計アルバム』 147
5-3-1. 流動地図の応用
5-3-2. 面積比例とその分割
5-3-3. 面積比例シンボルとその分割+等高線
5-3-4. 時間と空間
5-3-5. コロプレス+経時的な円環ダイアグラム(面積比例シンボルの時系列変化)
5-3-6. バラ型
5-3-7. 時間地図
5-3-8. 影響
5-3-9. 結び
第3部 地球の再組織に向けて 162
6章 地球の「描き方」 エリゼ・ルクリュの地図批判 165
6-1. 自然のイメージ 166
6-1-1. 地図への疑念
6-1-2. 平等社会の実現に向けて
6-1-3. 「隠れた調和」
6-1-4. 「大いなる家族」――ユマニテの敷衍
6-2. 地球を描く 171
6-2-1. 自然そのものから学ぶために――慣例的アトラスの問題
6-2-2. 地球は丸い、地図は平たい
6-2-3. 大地の起伏を喚起せよ
6-2-4. 「レリーフ主義」――起伏の直接的知覚
6-2-5. 地球の丸みを再現する
6-2-6. 知覚を支える縮尺の「正しさ」
6-2-7. 光と空気を圧縮する
6-2-8. 「レリーフ地図」――新しい地図制作法
6-3. 大地球儀――国境なき、大地そのものの表象 184
6-3-1. 「リリパット人の地球」
6-3-2. 地球の一体性
6-3-3. 地図学と「地球儀学」
6-3-4. 「大いなる家族」の神殿
6-3-5. 結び
7章 視覚言語による社会革命 オットー・ノイラートの『社会と経済』アトラス 193
7-1. 言葉は分かち,絵は結びつける 194
7-1-1. 政戦時経済に見た社会建設の可能性
7-1-2. ジートルンク運動への関与
7-1-3. 「ウィーン社会経済博物館(Gesellschafts- und Wirtschaftsmuseum in Wien)」の誕生
7-1-4. ウィーン学団(Wein Kreis)と「科学的世界把握」
7-1-5. ウィーン・メソッドから国際的な啓蒙教育へ
7-2. 「絵ことば」の規格化 198
7-2-1. サインとその配列
7-2-2. 単位の尺度
7-2-3. サインの成立時期と仕切り線
7-2-4. 色彩と形の使い方
7-3. 《言明〔ステートメント〕》の構築に向けて 206
7-3-1. 《言明》をつくり出す――「補助図」と例外的な処理
7-3-2. 文字と絵ことばの相補性
7-3-3. 図表同士の並列から生まれる意味
7-3-4. 恣意的な色のコード
7-3-5. 関係の中で立ち上がる、世界の体系
7-4. 「事実」を基礎とした教育の普及――メタ・ミュージアムとしての「社会経済博物館」 217
7-4-1. 「社会経済博物館」の創立
7-4-2. ウィーン・メソッドの分業制作体制
7-4-3. 展示空間の規格化
7-4-4. 実際主義と複製博物館
7-5. 革命装置としてのアイソタイプ 220
7-5-1. 「人間化」対「大衆化」
7-5-2. 絵ことばと視覚資料は誰がつくるのか?――偽りの中立性の棄却
7-5-3. 開かれた系としての百科全書
7-5-4. 結び
8章 「世界」を収集し、分類し、体系化する ポール・オトレの20世紀型《百科全書》 225
8-1. 「世界」という書物 226
8-1-1. 《百科全書》の類型学〔タイポロジー〕
8-1-2. 世紀末ブリュッセル――国際中心としての土壌
8-1-3. 《普遍書誌》の創始
8-1-4. 《書物》の解体と再組織
8-2. 世界の索引〔インデックス〕――アンチ・バベルの塔としての博物館 232
8-2-1. 「国際博物館」と「ムンダネウム普遍百科全書」
8-2-2. 「アウトルック・タワー」
8-2-3. 地域と世界の接続
8-3. 『普遍文明アトラス』と『新世界図絵』 237
8-3-1. 視覚的かつ体系的な《百科全書》の制作向けて
8-3-2. 第一次大戦後による断絶――「ムンダネウム」へ
8-3-3. 『普遍文明アトラス』――20世紀の『世界図絵』に向けて
8-3-4. 第3のグラフィック・ミュージアム――ウィーン社会経済博物館
8-3-5. 『新世界図絵』計画から見た『社会と経済』
8-4. オトレの到達した「世界」 245
8-4-1. 『EUM』のその後――「アトラス・モンド」
8-4-2. 世界の表象、ムンダネウム
8-4-3. ネットワークの中にある知的作業場――《百科全書》のリモートアクセス
8-4-4. 結び――断片化された世界を紡ぎ直すために
あとがき(2021年11月 大田暁雄) [252-255]
図版クレジット [257-259]
参考文献 [260-261]
人名録 [262-265]
索引 [266-268]
謝辞 [269]
【メモランダム】
・誤植。上記目次では勝手に修正しておいた。
[誤]
8-1. 「世界」という書物 226
8-1-1. 《百科全書》の類型学
8-1-2. 世紀末ブリュッセル――国際中心としての土壌
8-1-3. 《普遍書誌》の創始
8-1-3. 《書物》の解体と再組織
[正]
8-1. 「世界」という書物 226
8-1-1. 《百科全書》の類型学
8-1-2. 世紀末ブリュッセル――国際中心としての土壌
8-1-3. 《普遍書誌》の創始
8-1-4. 《書物》の解体と再組織