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目次とメモを置いとく場

『俳句――四合目からの出発』(阿部筲人 講談社学術文庫 1984//1967)

著者:阿部 筲人[あべ・しょうじん](1900-1968) 俳人。本名は阿部亨。
解説:向井 敏[むかい・さとし](1930-2002) 随筆。広告制作。
カバーデザイン:菊池 薫
NDC:911.307 詩歌 >> 俳諧.俳句 >> 作句法.作句用書.歳時記


『俳句』(阿部 ショウ人):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部


【目次】
はしがき [003-009]
  本書の読み方
  本書の目的
目次 [010-025]
凡例 [028]


序の章 029
  一 すべての初心者の同じ過誤 029

  二 過誤の分類――表現技術の整理 031

  三 俳句の位置一一俳句らしさ 033


 第一部 俳句の両側


第一節 川柳との違い
  四 主観的な俳句・傍観的な川柳 038

  五 洒落・もじり 041

  六 滑稽・皮肉 047

  七 世故・人情 054
    ◇詩情——人情
    ◇縦と横
    【子役俳句】
    【母もの俳句】
    【孫まご俳句】
    【おのろけ俳句】
    【人情俳句】
    【お涙頂戴俳句】
    【親もの俳句】
    【家族俳句】
    【夫婦俳句】

  八 世態・風俗 064
    【ベタ惚れ俳句】
    【芸者俳句その他】
    【世俗俳句】


第二節 格言・標語・諺などとの違い
  九 言葉の使い方の二大領域――実用的と文学的 075

  一〇 説明と表現と 076

  一一 具象性と普遍性・抽象性と普遍性 079
    ◇人間性

  一二 非論理の世界の俳句 083

  一三 理屈の露出俳句 087
    【真理発見俳句 1】
    【断定俳句】

  一四 理屈の支柱俳句 091
    【三段論法俳句】
    【も・に俳句】
    【陰性だから俳句】

  一五 説明俳句 097
    【陽性だから俳句】
    【筋入り俳句】
    【説明俳句】

  一六 記述俳句 102
    【セロファン俳句 1】

  一七 報告・通告俳句 106
    【世間俳句】
    ◇共通知識は省略する立場
    【慶祝俳句】
    【時事俳句】
    【身辺俳句】


 第二部 俳句の道

  一八 俳句らしさ
   ◇俳句性
   ◇言葉のどんづまり性


第三節 凝縮性
  一九 凝縮性 118

  二〇 現在 119

  二一 凝縮形式――結晶形 121

  二二 言葉の掛け算――俳句は言葉の和に非ず 125
    ◇俳句の完成度 1

  二三 言葉の積をはずれた俳句 127

  二四 省略の極限 130
    ◇季語 (1)
    ◇事物直指〔じぶつちょくし〕の立場
    ◇連想の範囲
    ◇常識的連想は省略
    ◇無言の文学
    【水増し俳句】

  二五 弛緩俳句 140
    【態度の弛緩】
    【物臭俳句】
    【言葉の弛緩】
    【ためらい俳句】

  二六 未整理の俳句 146

  二七 五七五の形の崩れ 149
    【箍なし俳句】

  二八 三段切れ俳句 153
    【ああして、こうして、どうした俳句】

  二九 や・かな俳句 158
    ◇切れ字
    ◇切れ目の重要性
    ◇けり

  三〇 二段切れ俳句 162

  三一 凝縮力 172

  三二 伝統の遺産 173

  三三 季重なり 174
    ◇ 季語 (2)
    ◇季語・季題・季感その他の語
    【季重なり俳句】
    【蛇足俳句】
    ◇歳時記・季寄せについて

  三四 事実誤認の過失 182
    【トンチンカン俳句】

  三五 語法の過失――活用語について 186
    【語感薄弱俳句】

  三六 語法の過失――文脈について 195
    【自動・他動・受身の混乱】
    【主語ずっこけ】
    【主語行方不明】
    【助詞の誤り】
    【助詞脱落】
    【挿入文混乱俳句】
    【掛り方不安】
    【ブツ切れ俳句】
    【多義俳句】

  三七 言い損ない俳句 211
    【省略語】

  三八 ルビ俳句および読み方不安の俳句 219
    ◇表記の理想
    【俗用のルビ】
    【旧ルビ俳句】
    【耳目分裂のあて字】
    【難読俳句】
    【新造語俳句】
    【漢語俳句】
    ◇やまと言葉の尊重


第四節 新しさと古さ
  三九 古さとは 231
  四〇 真の古臭さ 233
    【骨董俳句】

  四一 題材の陳腐俳句 236
    【流行素材】

  四二 言い回しの陳腐俳句 240
    【馬面俳句】
    【古着俳句】
    【馬車馬俳句】

  四三 見方・考え方の陳腐俳句 251
    ◇新鮮な目を持て


第五節 深さと浅さ
  四四 深さとは 264

  四五 平浅俳句 266
    【セロファン俳句 2】

  四六 感傷俳句 270
    【泣き面俳句】
    【めそめそ俳句】
    【しょんぼり俳句 1】
    【孤独俳句 1】
    【立ちん坊俳句】
    【ちまちま俳句】
    【センチ語俳句 1】


  四七 小細工俳句 281
    【さのさ俳句】

  四八 俗語俳句 287
    【口語・文語混合俳句】

  四九 外国語俳句 292


第六節 普遍性と独善 296
  五〇 自他融合 296
    ◇ポケット俳句

  五一 素材の個人的扱い 297
   A 一般的素材
    【はみ出し俳句】
   B 生〔な〕まな素材
    【生ま生ま俳句】
   C 個人的素材
    【われ俳句】【自己宣伝俳句】
    【ナルシス俳句】【親族俳句】
    【師友俳句】【君〔きみ〕俳句】

  五二 固有名詞俳句 310

  五三 俳句における時間と場所と自分 314
    【今ここ俳句】【この・かの俳句】

  五四 独善的言い回し 318
   A 自分勝手な言い回し
    【うわ言俳句】
   B 言い過ぎ俳句
    【張り子の虎俳句】


  五五 独善的態度――自己露出 327
   A 主観露出俳句(1)
    【分裂症俳句】
   B 感情露出俳句(1)
   C 意図不明俳句


第七節 具象性 345
  五六 具体性・具象性 345
   A 外化・具体性
   B 言葉の二つの領域
   C 具象性

  五七 向こう側の言葉・こちら側の言葉 347
   A 具象名詞……櫛象名詞
   B 具象動詞……抽象動詞
   C 表現の具象性
    ◇俳句の完成度 2
   D 言葉の反逆

  五八 俳句の言語否定 352

  五九 具象性の完全な作品――蛇笏・水巴・秋桜子・誓子 354

  六〇 形容詞・副詞 363

  六一 観念露出 365

  六二 観念語俳句 366
   ◇観念語
    一【極限嗜好症俳句】【野狐禅俳句】
   ◇我々が生きている姿
    二 【どん底俳句】
    三 【遠方俳句】【限界俳句】
    四【自意識過剰俳句】
    五【煩悶俳句】
    六【サッカリン俳句】
    七【虚無俳句】
    八【孤独俳句2】
    九【夢遊俳句】

   ◇俳句の言葉は第一義を用いること◇ 383
    一〇【思い出俳句】
    一一【憂愁俳句】
    【春愁俳句】
    一二【恋愛俳句】
    一三【幸せ俳句】幸・倖
    一四【本性俳句】
    一五【葬式俳句】
    一六【芸術家気取り俳句】
    一七【詩人気取り俳句】詩・詩情等
    一八【カンカン俳句】○○感
    一九【もたれ込み俳句】
    二〇【生く】
    二一【住む】
    二二【思う・知る・意識する】
    二三【信ずる】
    二四【秘む・ひそと】
    二六【恋う 愛する】
    二七【化す】 


  六三 観念的ひねり俳句 402
    【結論俳句】
    【ひねくり結論俳句】
    【ひとまとめ結論俳句】
    【もの俳句】
    【ところ俳句】
    【形容詞の結論俳句】
    【自己結論俳句】
    【同感強要俳句】

  六四 理屈俳句 411
    【真理発見俳句2】

  六五 主観露出俳句(2) 415
    【独り解釈俳句】
    【独り合点俳句】

  六六 感情露俳句(2) 423
    【しょんぼり俳句2】
    【センチ語俳句】

  六七 でっち上げ俳句 428

  六八 小細工・ひねくり俳句 435
    ◇レディメイドの言い回し
   A 哪喩法(直喩法) 437
   B 暗喩法 440
   C 活喩法(擬人法) 443
   D 張法 446
    【ムード誇張俳句】
    【必死俳句】
    【ほかなし俳句】
    【追いつめられ俳句】
    【ばかり俳句】
    【ねばならぬ俳句】
    【得ず俳句】
    【小さき俳句】

   E 対照法 458
    【色彩対照俳句】
    【反対語俳句】
    【相対俳句】
    【相対語俳句】
   F 声法 466
    【畳語俳句】
   G 提喩法 473
    【出歯亀俳句】
    【久米仙俳句】
    【つぶら瞳俳句】
    【無作法俳句】
    【目に手に背に身に耳に俳句】

   H 喩法 485
   I 反復法 488
    【ああして、こうして、どうした俳句】
   K 冗言法 493
   L 引喩法 496
   M 実装法(婉曲法) 499
    【ムード美装俳句】
    【音楽美装俳句】
    【ムード用語】
   N 皮肉法 509
   O 疑問法 510


終りの章 514


解説 日本人の発想の根をあばく(向井) [516-524]




【メモランダム】
・本書において、「序の章」「終りの章」と「第一節」~「第七節」は、著者が同じ階層に設定したと思われる
  フォントサイズが同じ。
  「章」も「節」も、それぞれの下の階層に、通番で一~六八がある。 

・本書では、地の文において著者が任意の文/段落を呼ぶさいの便宜として、行頭に番号が振られている。これは、数学書において数式に番号を振るのと同様なので、目次で拾うものではないと判断した。
 386頁の小見出し「【春愁俳句】」は行頭に番号が振られていない。