尾本 惠一[おもと・けいいち](1933-) 人類学。
小暮 得雄[こぐれ・とくお](1932-2009) 刑法学。
伊達 宗行[だて・むねゆき](1929-) 物性物理学。
笠谷 和比古[かさや・かずひこ](1949-)
羽生 善治[はぶ・よしはる](1970-)
谷川 治惠[たにかわ・はるえ](1954-)
木村 汎[きむら・ひろし](1936-2019) 政治学。地域研究(ロシア)。
木村 義徳[きむら・よしのり](1935-2021)
清水 康二[しみず・やすじ](1964-)
佐伯 真一[さえき・しんいち](1953-)
増川 宏一[ますかわ・こういち](1930-) 遊戯史。
竹村 民郎[たけむら・たみお](1929-) 社会学(近代日本の大衆文化など)。
早川 聞多[はやかわ・もんた](1949-)
十時 博信[ととき・ひろのぶ](1934-) 元・(株)富士変速機 代表取締役社長。東大落語研究会OB(三山亭多樂)。
旦代 晃一[たんだい・こういち](1932-)
飯田 弘之[いいだ・ひろゆき](1962-)
米長 泰[よねなが・やすし](1937-) 元・秋田高専教授。将棋指導など。
入江 康平[いりえ・こうへい](1939-)
熊澤 良尊[くまざわ・りょうそん](1943-)
谷岡 一郎[たにおか・いちろう](1956-)
山田 奨治[やまだ・しょうじ](1963-)
装幀:東大路 道恵[ひがしおおじ・みちえ]
NDC:796 諸芸・娯楽
備考:ハードカバー。
【目次】
まえがき(二〇〇二年十月 尾本惠市) [003-012]
目次 [013-017]
第1部 将棋という文化
将棋という日本文化[尾本惠市] 020
一 囲碁と将棋
二 文化としての将棋
三 将棋の戦略と人経営の極意
参考文献・謝辞 038
将棋、この玄妙なるもの――その“独自性”をめぐって[小暮得雄] 039
一 まえがき
二 持駒使用とその背景
三 盤上八十一格の秘術
四 将棋と袁彦道
五 絢爛たる詰将棋の世界
六 将棋とは何か
江戸期の科学と将棋[伊達宗行] 061
一 はじめに
二 雁行した和算と詰将棋の興隆
三 共に衰えた和算と詰将棋
四 和算と詰将棋の共存
五 おわりに
戦国武将の陣立と将棋の戦略[笠谷和比古] 077
一 戦国末・特選時代の陣立の基本型
一 戦国大名の軍団の基本構成と「備〔そなえ〕」の配置
二 戦国大名の軍団の陣形について
二 戦国大名の軍団の陣立および合戦の実例
一 永禄四年九月 信州川中島の合戦
二 天正十二年四月 小牧・長久手の合戦
三 慶長五年九月 関ヶ原の合戦
むすびに 103
自己表現としての将棋[羽生善治] 105
女流棋士の世界[谷川治惠] 108
人間の可塑性[木村汎] 111
第2部 将棋の起源と歴史
駒型と持駒使用[木村義徳] 116
はじめに
一 敵味方同型同色の駒型だから持駒使用ができる
二 別の理由で駒型になっていたから持駒使用が発想できたのである
三 タイのマックルックのピアの成るとウラ返しが到着し、歩兵のみ駒型になった
四 一〇五八年の興福寺駒は持駒使用であるから、それは一〇〇〇年頃の改良であったろう
おわりに
参考文献 132
考古学から見た古代日本将棋[清水康二] 133
一 はじめに
二 平安時代の将棋駒
三 平安時代将棋駒の特徴と年代
四 「奈良将棋」は指されていたか?
五 まとめ
注 148
追記 150
平安から室町のさまざまな将棋[佐伯真一] 151
一 大型将棋の歴史
二 鎌倉大将棋と『普通唱導集』
三 大型将棋の魅力と衰退
参考文献 163
江戸時代の将棋[増川宏一] 164
一 将棋家の確立
二 武士への普及
三 町人への普及
四 段位の制定
五 御城将棋
六 将棋の普及
七 将棋の隆盛
参考文献 178
棋士集団の誕生[竹村民郎] 179
一 実力名人制の成立
二 ジャーナリズムがリードした将棋の大衆化
むすび
参考文献 193
江戸庶民と将棋[早川聞多] 195
将棋と落語と私[十時博信] 199
第3部 将棋というゲーム
将棋とチェスの比較論[旦代晃一] 204
まえがき 204
一 チェスというゲーム 205
二 将棋とチェスの比較 210
コンピュータは名人に勝てるか[飯田弘之] 216
一 コンピュータ将棋の夜明け 216
二 市販ソフトの出現 217
三 コンピュータ将棋協会(CSA) 218
四 世界コンピュータ将棋選手権 219
五 コンピュータ将棋の技術的側面 221
六 コンピュータ対プロ棋士 223
七 将来では 226
QC手法による棋士の棋風分析[米長泰] 228
一 QC的な視点から 228
二 現代と昔の比較 229
一 各駒の使用頻度
二 勝者と敗者の玉将に触れる頻度
三 一局の平均手数
四 各棋士の好きな駒
三 コンピュータによる棋風分析 234
一 主成分分析とは
二 羽生マジックを追求する
四 むすびの言葉 236
武道・スポーツと勝負[入江康平] 237
一 戦いの原点としての武道 237
二 軍・戦・兵法・作戦 239
三 武術から武道へ 242
一 実戦実利を主目的としていた時代の武術
二 教育的意図とスポーツ的な性格をもつようになった時代の武術
註 248
水無瀬駒を探る――将棋駒・その伝統と文化について[熊澤良尊] 251
一 はじめに
二 我が国の駒の特徴
三 日本将棋の変遷
四 能書家による駒書き
五 駒は黄楊に限るべし
六 「水無瀬駒」
七 水無瀬兼成の『象戯圖』
八 水無瀬兼成の駒製作記録
九 おわりに
賭けと日本人[谷岡一郎] 275
序 二つの設問
一 日本人は賭けの好きな民族か
ギャンブルの統計
なぜ搾取されるのか――日本人の無理解と不寛容
二 ゲームにお金を賭けることの意味は何か?
人はなぜ賭けるのか
将棋に賭ける人々
将棋を好む人々
三 日本人とギャンブル 292
参考文献 293
将棋の進化と情報地理学のすすめ[旦代晃一] 294
注
弓と将棋[山田奨治] 296
最後の眞剣師――太田学の聞き取り[木村義徳] 299
塀の中の大道棋[小暮得雄] 303
あとがき[木村義徳] [306-309]
執筆者紹介 [310-311]
【メモランダム】
・尾本惠市「将棋という日本文化」でも一応但し書きはあるが、「文化とは何か」「日本文化とは何か」をきっちり定義していない。