原題:In Defense of Globalization (Oxford University Press, 2004)
著者:जगदीश नटवरलाल भगवती[Jagdish Natwarlal Bhagwati](1934-) 国際経済学(貿易理論)。
訳者:鈴木 主税[すずき・ちから](1934-2009) 翻訳。
訳者:桃井 緑美子[ももい・るみこ] 翻訳。
NDC:333.6 国際経済
【目次】
献辞 [003]
目次 [005-007]
序文(二〇〇三年八月 ジャグディシュ・バグワティ) [009-013]
第一部 アンチ・グローバリゼーション派への提言
一章 なぜ、グローバリゼーションに反対するのか 017
グローバリゼーションの誇張された危険性 022
グローバリゼーションのさまざまな側面
南北格差――皮肉な逆転
今日のグローバリゼーション――過去との相違点 028
三つの不満 032
反資本主義
アンチ・グローバリゼーション
反企業意識
その他のアンチ・グローバリゼーションの思想上の要因 049
右派
コミュニタリアニズムと市場制限
反アメリカ主義
二章 グローバリゼーション――経済だけでなく社会にももたらす恵み 054
三章 グローバリゼーションはもっと有益になる 059
想定しうるマイナス効果に対応する 060
社会変革のスピードを速める 061
最大ではなく最適な速度を保つ 062
四章 NGOとグローバリゼーション 064
NGOの爆発的増加 064
なぜこれほど急激に増えたのか? 067
貧困国の場合
市民社会団体、反政治、並行政治
グローバルなNGOの成長 074
グローバリゼーションを役立てる 075
高邁な大義を免罪符にしてはならない
文化的、政治的背景
富裕国のNGOと貧困国のNGO
第二部 グローバリゼーションの本当の顔――貿易と企業
五章 貧困は解消されたのか、深刻になったのか 087
重要なのは政策だ 090
経済成長と貧困 094
貿易と経済成長 102
インド、中国など 108
不平等とは何か 110
六章 児童労働は増えたのか、減ったのか 114
なすりつけられた責任 115
経済分析が明らかにすることは 116
さらなる証拠 119
警告 120
七章 女性は傷つけられるのか、助けられるのか 121
グローバリゼーションは女性を助ける―― 二つの例 122
外国に進出した日本企業
価格と偏見――貿易と賃金のジェンダー・ギャップ
女性が抱く不安 126
グローバル・ケア・チェーン
無報酬の家事労働
女性労働の他の側面
通商条約とWTOが追求するのは貿易と利益、発展と女性福祉ではない
輸出加工区への固執
WTO裁定と女性
IMF、世界銀行と女性
グローバリゼーション――出稼ぎ、旅行客相手の売春、人身売買 146
八章 民主主義は危機に向かうのか 149
パラドクス 150
民主主義を促進する 151
民主主義を制約する 157
急激な左傾化政策
財政支出――総支出と社会的支出
グローバリゼーション支持する政治家は非民主的か? 165
WTOは「欠陥民主主義」を患っているか? 168
九章 文化は侵食されているのか、豊かになっているのか 171
主流の文化 174
土着の文化 183
グローバリゼーションの国際ルール 188
第一〇章 賃金と労働の水準は問題か 196
グローバリゼーションと労働者の賃金 197
底辺ではなく頂点へ向かう競争 203
他国に高い基準を要求する別の理由 211
第一一章 環境は危機に瀕しているのか 214
ありがちな誤解――環境政策なき貿易自由化は有害である 219
「最善」の政策――自由貿易と適切な環境政策の結合 223
環境の評価――真の問題 224
所得と環境 227
国内の汚染に関する低基準国との競争 230
国内の汚染環境基準における底辺への競争 234
WTOは環境保護に反対か? 237
ホルモン牛肉と遺伝子組み換え作物など安全性のからむ生産物
イルカ、ウミガメなど価値観のからむ生産物
地球規模の汚染とWTO 249
第一二章 企業は略奪しているのか、恩恵をもたらしているのか 254
有害な影響? 256
また別の底辺への競争
大企業と小国
政治介入
労働者の搾取?
賃金と搾取
労働者の権利
マイナス効果の原因となる悪しき国内政策 279
広がるプラス効果 282
国際協定と多国籍企業のロビー活動 284
知的所有権保護とWTOの協定
企業のロビー活動が害悪をもたらす
有害商品
自国では有害だが他国では有益なケース
自国では有益だが他国では有害なケース
「まぎらわしい」商品――合法ではあるが危険
企業の社会的責任 297
社会規範の形成
自発的な規準
義務的な規準
第三部 グローバリゼーション――その他の側面
一三章 無謀な国際金融資本主義の危険性 307
間違った説明 308
自由な国際資本移動の問題点 312
ウォール街=財務省複合体 314
マレーシアの資本取引規制の問題 319
一四章 国境を越える人の移動 322
移民の現状 322
国際間の移住に影響する要因 324
供給要因
需要要因
不均衡 329
ソフトウェア技術者は十把一絡げにできない 329
不法移民 334
移民を規制せず、受け入れる 336
第四部 適切なガバナンス――よりよいグローバリゼーションのために
一五章 適切なガバナンス――概観 339
適切なガバナンス――三つの重要方針 340
グローバリゼーション管理の広い展望 341
成功の共有 342
一六章 マイナス効果にも目配りを 349
マイナス効果の発生を防ぐか、それとも対応する制度を作るか 349
マイナス効果の予測の複雑さと難しさ 351
適切な制度による安全策 353
調整支援
WTOの紛争処理機関
農業の不安定性に対処する
経済不安と国内制度による支援
一七章 社会的課題の達成を加速せよ 365
二つの問題
全面的貿易制裁
制裁の有効性
代替手段の有効性
必要基準を満たさない製品にたいする制裁 370
一八章 移行期を乗り切る――肝心なのは最大ではなく、最適な速さ 384
時間をかけるのか、急ぐのか 386
ブレトン・ウッズ機構のコンディショナリティ――開放を急がせすぎるのか 388
歓迎すべき圧力
抵抗ないし不履行
政策転換
WTOはどうなのか? 396
第五部 最後に
一九章 さあ、新たにはじめよう 401
原注 [403-452]
訳者あとがき(二〇〇五年三月 訳者) [453-456]
著訳者紹介 [458]