著者:山内 昶[やまうち・ひさし] (1929-2006)
NDC:389 民族学.文化人類学
NDC:383.8 飲食史[食制]
件名:肉食
件名:ペット
件名:タブー
文春新書『ヒトはなぜペットを食べないか』山内昶 | 新書 - 文藝春秋BOOKS
【目次】
目次 [003-006]
序章 読者のあなたへ 007
I 章 イヌを食べた人々(ドッグ・イーター) 011
ペットの王様と女王様
食文化の衝突
イヌは食用に飼い馴らされた
一 日本の犬肉食 016
古代と中世の禁食域
野犬は目こぼし
近世は貴賤を問わず
江戸、秋田、薩摩、伊勢の犬食い
男色と犬食い
二 中国の犬肉食 026
古代では魚より上位
犬肉食の衰退
なぜ食べなくなったか
犬肉食の復活
周恩来の大好物
三 西洋の犬肉食 036
古代ギリシアの聖と賤
中世以降は犬喰いに不利
飢えたら食べた?
クックの航海日誌
現代でもスイス、スペインに愛好家が
II章 ネコを食べた人々(キャット・イーター) 048
一 ネコの飼い初め 048
水鳥猟で活用
ネコの女神
二 西洋の猫肉食 051
なぜ古代と中世では忌避されたか
近世以降の料理法
魔性のネコ
三 東洋の猫肉食 057
ネコの東漸
猫と狸の化かし合い
ネコの来日
狸汁か猫汁か
日本のキャット・イーター
III章 ペットを愛した人々(ペット・ラヴァー) 068
一 獣姦の世界 069
獣姦は聖婚
ヒトと動物は同類
浄めの機能としての獣姦
変りゆく動物観
西洋の獣姦裁判
東西の動物観の差異
二 民話の異類婚姻譚 084
カニと結婚した女(イヌイット)
サルと結婚した女(日本)
ガマと結婚した女(フランス)
三 食と愛 091
コンソメの話
有歯膣〔ワギナ・デンタータ〕の女神
金精神〔こんせいじん〕と剃刀婆〔ビータイボホ〕
IV章 タブーの仕組み 100
一 コト分けとしての文化秩序〔コスモス〕 101
創世神話の理〔コスゴモニア〕
境界〔リーメン〕の不思議
タブーの暗号解読〔デコード〕
道祖神とヤヌス神
二 境界〔リーメン〕上の存在 110
境界の人々
境界の動物
『旧約聖書』の食タブー
カテゴリーの紊乱者
三 タブーの構造 118
食・性タブーの相同構造
食人のタブー
生命エネルギーの交換
インセスト回避のメカニズム
役に立つから食べないのか
牧畜民と農耕民の対立
世俗タブーの形成
V章 贈物と祭り 135
一 贈物 136
贈与は人類の黄金律
食物と女性の贈与交換
贈与交換と商品交換
未開社会はペット肉も交換で
二 タブーの侵犯 147
文明の狂宴〔オルギア〕
歌垣と五月祭
未開の狂宴〔オルギア〕
三 祭りの文化的意味 154
ケ・ケガレ・ハレ
カオスの活力
水のシンボリズム
箱舟は子宮の象徴
王殺しと祭りの両義性
VI章 ペットと消費文明 163
一 ペットは近代の産物 164
ペットの語源
動物機械論
近代生活の反射鏡
二 世俗化する現代 170
動物の脱獣化
動物の脱聖化
祭りの卑俗化
百鬼夜行の食文化
三 仮象の擬似世界〔ヴァーチャル・ワールド〕 177
電子ペットの出現
消費財としてのペット
操作される欲望
ペット禁食は人類最後の砦か
あとがき(須磨の苫屋にて 著者 二〇〇四年九月四日) [187-188]
参考文献 [189-193]