著者:佐藤 成美[さとう・なるみ] 科学ライター。
カバー装幀:芦澤泰偉・児崎雅淑
カバー写真:“Vertumnus, porträttet av Rudolf II” [『ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世』Giuseppe Arcimboldo作、1590年頃。]
NDC:498.53 食品化学
『「おいしさ」の科学 素材の秘密・味わいを生み出す技術』(佐藤 成美):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部
【目次】
はじめに [003-005]
目次 [006-012]
第1章 おいしさとはなにか 013
「食べてよい」すなわち「おいしい」
味はシグナル
おいしさは生命維持のために備わった快感
第2章 おいしさを生む化学変化 023
おいしさへの変化 024
分解されるとうまくなる
タンパク質の変性と凝固
こんがりはメイラード反応
乳化でとろりとした口ざわりに
食べ物の状態を決める、水の役割 033
水分量とおいしさ
水分活性と保存性
第3章 おいしさの素を探る 039
◎だし 040
うま味とは
合わせるとおいしくなる
うま味は凝縮する
世界のだし
やみつきになるかつおだし
◎調味料 051
おいしさを引き出す食塩、砂糖、食酢
微生物が作る複雑なおいしさ――みそ、
食品を格段においしくする油脂
おいしさを引き立てる香辛料(スパイス)や香草(ハーブ)
◎熟成 066
時間をかけてもっとおいしく
うま味と色の変化
しょうゆのメカニズム
独特の食感を生み出す
食品をおいしくする魔法
第4章 食材のおいしさを探る 073
◎肉のおいしさ 074
肉のおいしさを決める要因とは
組織構造と脂肪がおいしさの決め手
ナッツのような香りが魅力の熟成肉
和牛肉特有のおいしさの秘密
肉のかたさは何で決まるか
◎魚介類のおいしさ 085
握りずしは江戸の偉大な発明品
赤身、白身、イカ、貝――すしネタの食感にはワケがある
シャリやノリも使い分け
海藻の色
アワビの歯応えの秘密
◎野菜のおいしさ 108
野菜独特の味・香り・食感
おいしさを左右する鮮やかな色
野菜や果物の変色を防ぐには
次々生まれる新品種
高機能野菜を量産できる、管理技術
◎米のおいしさ 099
味がないからおいしい
粘り気が米の特性を決める
冷めたご飯がおいしくないのは
◎豆類のおいしさ 122
世界中で食べられている豆
大豆七変化
デンプンを巧みに操るあん作り
第5章 調理から生じるおいしさ 133
◎おいしさを作る熱 145
熱の伝わり方
ゆでる、煮る、蒸す
煮込み料理のおいしさ、カレーのおいしさ
熱が生む卵料理のおいしさ
焼く、揚げる
電子レンジのスピード加熱
◎おいしさを作る形・テクスチャー
切る
混ぜる、こねる
攪拌する
第6章 おいしさを作るテクノロジー 167
◎香りを作る 168
コカ・コーラが火付け役だった、食品香料の進化
調香師が数千の香料から香りを組み立てる
「ひとくち目」「のどごし」「余韻」の3段階変化
次々に生まれる個性的なフレーバー
◎冷凍食品と不凍素材 177
おいしくなった冷凍食品
不凍素材が冷凍食品をさらにおいしく
◎おいしさを計る 186
おいしさを評価する
味を計ることが可能に
味覚センサーを使って味を設計
◎おいしさを包む技術 197
プラスチックフィルムの包装技術が向上
5種類の貼り合わせでいつでもパリパリ
呼吸する野菜や果物に透過性で対応
第7章 おいしさを感じる脳と味細胞のしくみ 207
おいしさを感じる脳の連係プレー
空腹は最高の調味料
もっと食べたい
分子レベルで明らかになった、味細胞のしくみ
脂肪と糖はなぜおいしい
甘味を感じるしくみ
味覚は衰えるか
状況によっておいしさは変わる
なぜ食べすぎるのか。止まらない食欲のメカニズム
おわりに [232-233]
参考書籍 [234]
さくいん [235-238]