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『希望の日本農業論』(大泉一貫 NHKブックス 2014)

著者:大泉 一貫[おおいずみ・かずぬき] (1949-) 農業経営学、農政学、地域政策学。

希望の日本農業論 (NHKブックス)

希望の日本農業論 (NHKブックス)

  • 作者:大泉 一貫
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

このポジティブなタイトルの下敷きには、おそらく神門『日本農業への正しい絶望法』(新潮社)がある。

日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)

日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)


【目次】
目次 [003-008]
はじめに [009-013]


第一章 日本の農業は稲作偏重農政で衰退し続けてきた 015
  稲作の一人負け
  輸出小国の日本
  稲作の生産調整で輸出に消極的になった日本
  論出したくてもノウハウが見当たらない
  稲作偏重農政が続く日本
  三つの「負の特徴」


第二章 稲作偏重が生む日本農業の不思議 029
1 稲作偏重農政が生む農業生産の不思議 030
  稲作偏重農政が生む農業システムの複雑化
  生産調整するコメと生産拡大するコメ
  コメを輸出するためには生産調整が必要?
  「生産拡大してもいいコメ」はなぜ生まれたのか
  生産調整しているのにコメを輸入するという不思議
  不自然な計画経済から生まれる不正
2 なぜ稲作偏重農政が続くのか 041
  稲作偏重農政の本質
  稲作偏重を招くロジック
  米価は農村の社会保障政策のツールと化した
  米価は「政官業のトライアングル」によって支えられた
  稲作偏重農政とは、実は農家保護農政である
3 政局化する農政が日本農業の課題 
  農業成長か農家保護か
  米政策改革大綱と品目横断的経営安定政策
  全農七〇〇〇円ショック
  農政の逆流
  民主党の戸別所得補償
  自民党「攻めの農林水産業」を打ち出す


第三章 成熟先進国型の農業で成長産業を目指せ 059
1 成熟先進国型農業とは何か 060
  世界には三つの農業の型がある
  成熟先進国型農業登場まで
  成熟先進国型農業の四つの特徴
2 オランダ・デンマークの成熟先進国型農業 068
  情報産業化するオランダ農業
  農業技術輸出に見る知識産業化
  オランダの戦略を見習った韓国農業の戦略
  シリコンバレーならぬフードバレーを作るオランダの戦略
  ニッチ戦略で顧客指向を貫くデンマーク農業
  デンマークアーラフーズかフォンテラか?
  オランダ・デンマーク農業の教訓


第四章 我が国の農業を成長産業に 081
1 日本の先進農業県 082
  我が国の農業県は成長法則を踏まえている
  ①顧客指向型農業
  ②新規投資に前向きで生産性の向上を目指す農業
  ③他産業とのネットワーク、融合化
  成熟先進国型農業を目指す農業の成長法則
2 日本農業の挑戦 088
  「営農・販売会社」の登場
  マーケットインという当たり前の手法
  営業が商談をまとめられなければ農業の仕事が発生しない
  マーケットニーズを背景にした農業者教育
  ニーズを実感できる直売所というビジネスモデル
  他産業と連携して生産性を上げる日本の農業
  「融合産業」というビジネスモデル
  農商工連携法と六次産業化法
  六次産業化の不安材料


第五章 稲作・水田農業の成長を考える 111
1 大規模水田複合経営への道 112
  農家が減少し、否が応でも進む規模拡大
  機関車農家論と離農政策
  収益力の違いについて
  収益力の高い大規模水田複合経営とは
  自立した水田農業への道
  内圃と外圃
  稲作での粗放と集約の関係はどうだったのか
2 コメの輸出の可能性 128
  「攻めの農林水産業
  ターゲットは国際コメ市場
  思いはあっても世界ではマイナーな日本のコメ
  コメ輸出は可能か?
  我が国のコメ輸出戦略
  技術支援や現地生産など世界で展開する日本のコメ作り
  コメの価格競争力は弱くはない
  世界のコメ価格は日本で作られるという戦略構想を


第六章 何といっても必要とされる経営者 145
1 成熟先進国型農業には経営者が必要 146
  農村自営業者の存在が我が国農村の健全さだった
  百姓像の転換
  「一国の元気は中産にあり」
  農業経営者の復活が我が国農業を救う
2 我が国のどこに農業経営者がいるのか? 154
  農家はいるが経営者はいない我が国農村
  多様な農家概念と農家の実態
  「効率的かつ安定的な農業経営」の育成
  農業経営の定義と三種類の農業経営解釈
  販売額で経営者の特定を試みると
  農業を成長軌道に乗せるには
3 国民に農業を開放し新規参入を進める 168
  農業生産法人による企業参入
  二〇〇〇年以降の農業経営政策 
  「農地法」という壁
  所有から利用へ―― 二〇〇九年農地法改正
  自治体の関与―― 二〇〇九年の前史
  農地中間管理機構への期待と懸念
  農業も農業経営者も普通になることが大切


第七章 農協の改革は可能か? 181
1 稲作偏重農政を続けている農協 182
  農協総合事業の実態
  農協はなぜ米価維持に固執するのか
  行政の下請け機能を持つ民間団体
  集落営農への固執
  営農指導・販売事業の弱体化
2 進む農協の脱農化 192
  農協の変化がはじまった一九九〇年前後
  信用事業が先行した農協改革と農協の金融機関化
  准組合員・非農業者の増加による地域組合化
  事業ごとに進む子会社化・株式会社化
  農協の実態は矛盾統合体
3 農協改革で農業を成長産業に 200
  農協批判の八つの類型
  自立的農協を築くための七つの基準
  農業振興団体を別組織にして農業成長を実現
  農協改革で農業を成長産業に


終章 自由貿易交渉と成熟先進国型農業構築の可能性 213
1 TPPと日本農業の選択 214
  TPP交渉への四つのポイント
  経済成長の恩恵に浴してきた農村経済
  貿易自由化に反対して農業を衰退させた日本
  国際交渉力が試される舞台
  国際化時代をどう認識するか――アジアの成長の取り込みに後れをとる日本
2 戦後農政システムの終わりと日本農業の未来 222
  あらためて「稲作偏重農政」とは何か?
  役割を終えた戦後農政システム
  希望はどこにあるのか
  戦後農家システムの転換がはじまった


おわりに(二〇一四年六月 著者) [229-233]
主要参考文献 [234-237]




【関連記事】

『「食」の研究――これからの重要課題』(生駒俊明[編] 丸善出版 2017)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20200629/1593437400
※山下一仁「2章 食料安全保障」
小林茂典「4章 食の6次産業化

『経済政策論――日本と世界が直面する緒課題』(瀧澤弘和ほか 慶應義塾大学出版会 2016)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20160625/1468839977
※山下一仁「第9章 農業政策」を参照。


『日本は世界5位の農業大国――大嘘だらけの食料自給率』(浅川芳裕 講談社+α新書 2010)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20121025/1351090800