著者:浅川 芳裕[あさかわ・よしひろ] (1974-) 編集者。月刊『農業経営者』副編集長。カイロ大学 中退(文学部東洋言語学科セム語専科)。
装丁:鈴木成一デザイン室
NDC:612.1 農業史・事情(日本)
『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』(浅川 芳裕):講談社+α新書|講談社BOOK倶楽部
【目次】
はじめに――日本農業弱者論はまったくの事実無根(二〇一〇年二月 浅川芳裕) [003-008]
目次 [009-013]
第一章 農業大国日本の真実 015
「エセ国内農業保護」の実情
農水省のヒット商品
「世界最大の食料輸入国」の嘘
農業GDPが示す実力
食料自給率に潜むカラクリ
現実に即した自給率は高水準
自給率栄えて国民滅びる
もう一つの食料自給率計算法
自給率の歴史に隠された闇
自給率の発表は日本だけ
世界の笑いものになった政策
食料自給率は新たな自虐史観
減反政策の延命装置
第二章 国民を不幸にする自給率向上政策 049
国が示す空虚すぎる皮算用
自給率一パーセント向上の中身
自給率向上政策の被害者
知らずに増える国民のコスト負担
リスクが高すぎる飼料米の生産
農家の思考力を奪う補助金
補助金支給は環境破壊の元凶
自給率五〇パーセントは非現実的
民主党が推進する農業衰退化計画
黒字の優良農家が消える日
悪知恵を働かせる労働組合
自給率向上は票田獲得の手段
「黒字化優遇制度」の創設を
第三章 すべては農水省の利益のために 083
耕作放棄地を問題にするワケ
小麦の国家貿易でボロ儲け
食料安全保障という偽善
事故米問題で見えた農水省の陰謀
税金で事故米を増産する愚かさ
消費者不在のバター利権
利益を誘導する巧妙な仕掛け
豚肉業界を圧迫する差額関税
「養豚家保護」は真っ赤な嘘
米国農務省のとてつもない戦略
比較から見えた農水職員の無職責
農水職員を有効活用すると
第四章 こんなに強い日本農業 113
大幅な増産に成功した日本農業
生産性の向上はここまできた。
「農業人口減=農業衰退」の幻想
日本の農家数はまだ多すぎる
知られていない農家の所得
自給率の呪縛から脱した農業者
農家の高齢化は問題ではない
農業に魅せられる若き事業者たち
第五章 こうすればもっと強くなる日本農業 135
「農業は成長産業」が世界の常識
「日本農業成長八策」を提言する
作物別マーケティング組織の構築
科学ベースで国際競争に勝つ
大きな可能性を秘めた農産物輸出
農産物輸出は検疫戦争
農家も海外で経営するという発想
世界を視野に入れた農業者たち
第六章 本当の食料安全保障とは何か 161
自給率による食料安全保障は幻想
何が食料危機の脅威になるのかの
自給率政策の誤りを唱えた英国
農業輸出大国オランダの自給率
「輸出大国=輸入大国」の常識
食料危機は来ない
バイオ燃料は米国農家のヒット作
補助金廃止が発展させる農業
自給率向上政策の終焉
【関連記事】
『「調べる」論――しつこさで壁を破った20人』(木村俊介 NHK出版新書 2012)
……インタビュー集。第二章では、浅川芳裕が本書(『日本は世界5位の農業大国』)の執筆動機について詳しく語っている。