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『東アジアの農村――農村社会学に見る東北と東南』(細谷昂 筑摩選書 2022)

著者:細谷 昂[ほそや・たかし](1934-) 農村社会学
シリーズ:筑摩選書;229
NDC:361 社会学


筑摩書房 東アジアの農村 ─農村社会学に見る東北と東南 / 細谷 昂 著


【目次】
目次 [003-007]


はじめに 011


  I まず北へ――日本、韓国、中国 

第1章 日本農村――長野県富士見町瀬沢新田 016
  日韓中の比較研究
  まず日本――長野県瀬沢新田
  単一の家から複合の家へ
  日本の家と同族、村と水利
  農間稼ぎと貢租、商品交換
  瀬沢新田の「村」と「組」
  神社・寺院、小祠・社祠の「三重の階統構造」
  村と祭、家と祭


第2章 韓国農村——忠清南道唐津郡大湖芝面桃李里 030
  次は韓国――忠清南道桃李里
  宗族マウル(村)、日本における 「武士の帰農」との違い
  戦後の変化、桃李里農業の概況
  両班マウルの二重原理、宗族と同族の違い
  桃李里の運営組織
  チプ、家族、家口
  桃李里の家族
  宗族集団と宗族マウル
  桃李里の水利組織、畜産業
  労働組織――トゥレ・プマシ・賃労働
  祖先祭祀と民間信仰


第3章 中国農村——山東省萊蕪市萊城区鹿野郷房幹村 049
  続いて中国――山東省房幹村
  八路軍・土地改革・人民公社文化大革命
  その後の推移
  水庫(貯水湖)の築造、人民公社の解体と農地の再編成
  村の祭祀と信仰生活
  家族あるいは家庭とその継承
  大家族の事例と均分相続の実態、「輪流管飯」
  日本の分家との違い
  結婚式と葬儀
  父系出自親族集団の特徴
  農村工業化と労働問題
  信仰世界と村落祭祀


第4章 日韓中農村の比較 060
  同族団と宗族
  歴史的背景
  秋とウリ・ナム
  定住、移動と宗教 (信仰)
  社・やしろと自然神


  II 南に向かって――東南アジア 

第5章 東南アジア農村の「基層」――タイと台湾 078
  東南アジア農村の基層 少ない人口と豊富な土地
  交易社会と農業社会の二重構造
  支配層と農民との関係
  戦後農村社会の変化
  かつてはシャム
  バーン、屋敷地共住集団
  村落の内部構造
  屋敷地共住集団の現状
  屋敷地共住集団と村落
  タイの農民家族
  妻方居住、男女均等相続・夫婦別財システム
  タイにおける産業化と家族変動
  台湾における「社区」形成
  台湾南部の客家の村
  前期の「社区発展」事業
  後期の「社区発展」事業


第6章 東南アジア農村の「地方的世界」――ラオス中国西南部雲南ベトナム 108
  「地方的世界」とは何か
  東アジア「地方的世界」の特質
  メコン圏概説 ラオス北部農山村
  農山村に暮らす人々の移動ラオス北部サイの変貌
  ラオス北部における農村都市関係
  中国西南部雲南回族の世界
  隊商馬の発展
  西南中国の地方的世界と自然村
  ベトナムカオダイ教について
  ベトナム北部の村落社会


第7章 東南アジア島嶼部――インドネシア、ジャワとバリ 131
  インドネシア・ジャワ島
  調査対象地
  家族と親族間の相互扶助
  行政と村落社会
  農業生産の構造
  稲作の展開
  刈り取り作業の変化
  ギアツのいう「貧困の共有」
  農業新技術導入と農外所得世帯・親族関係
  集落内関係
  バリのデサ(村落)
  二重の規範秩序
  デサ政策の推移
  農業と農村の変容
  調査対象地プモガン村
  行政村を構成する一六の集落
  プモガン慣習村
  クパオン慣習村
  二つの水利組織
  チュチュラン水利組織(Subak Cuculan)
  クパオン水利組織(Subak Kepaon)
  二つの水利組織のメンバーへの聞き取り
  プモガン村農民生活の変容
  イスラム教の人々多様なエスニシティ、多様な言語


  III ふたたび北へ——中国各地 

第8章 『中国農村社会の構造』――華中と華北 172
  東南アジアから中国へ
  大戦中の中国調査
  華中農村 クリーク地帯
  土地所有関係――「田底田面所有権の分離」
  日本の地主制との対比
  水田の灌漑
  肥料と農具
  農業労働
  農村副業と商品経済
  華中農村の家族
  相続から見た家族の性質
  華北農村の集落――土壁
  村落の自治組織
  求雨と驅蝗
  宗教的な協同、経済的な協同
  隣接村落との関係、行政的な関連
  村落の内部構造
  村落の集団的意識


第9章 「沸騰する」華北平原農村――河北省辛集市新塁頭村 204
  中華人民共和国初期の変動
  耕地の請負期限
  郷鎮企業
  失地農民
  新農村建設
  一人っ子政策
  脚光を浴びていた人民公社
  中国河北省社会科学院との共同調査
  河北省新塁頭村
  農業機械サービス・センター、水利の状況
  事例農家①〜⑤
  事例農家⑥〜⑩
  事例農家①~⑩
  自家農業の現況と動向
  農外の職業
  「沸騰状態」の中国農村、その問題点
  村の仕組み
  村の中の区分け(範域)
  日本の農村との違い
  一〇年後の変化


第10章 華北農村における新農村建設――山東省平陰県 243
  山東省農村調査の三部作
  農業共同組織の歩み
  農業産業化の歩み
  農村合作経済組織の類型
  山東省の事例に見る変化の方向性
  日本の農協との対比
  山東省農村調査の第二作と第三作
  「三農問題」とは何か
  新農村建設政策の内容
  晃峪村の事例
  生活の変化
  張山頭村の事例
  新型農村社区の類型
  集住化のなかでの問題点
  社区はコミュニティなのか


第11章 蘇南農村における経済発展 268
  沿海部農村経済発展の三つのモデル
  離土離郷とは
  食糧自弁の転籍、暫定戸籍の認可
  蘇南地域における工業化農村M村の事例
  村民への分配と村民生活の変化
  内発的農村工業化は可能か


第12章 そして今――二〇〇〇年代の中国 280
  村の変化
  「アウトロー的行為の正しさ」
  中央政府と地方政府
  「団地移転プロジェクト」の導入と住民の言い分
  中国の村と「尺蠖の屈め」
  中国の村の懐の深さ


おわりに [291-293]