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『新版 漢方の歴史――中国・日本の伝統医学』(小曽戸洋 大修館書店 2014//1999)

著者:小曽戸 洋[こそと・ひろし](1950-) 東洋医学、医学史。
装丁:本永 惠子

新版 漢方の歴史 (あじあブックス)

新版 漢方の歴史 (あじあブックス)


【目次】
口絵 [i-viii]
タイトル [ix]
目次 [xi-xvi]


はじめに――東洋医学と漢方 001


第一章 中国医学の形成 007
  甲骨文字の発見と漢方薬
  扁鵲伝説
  医師の分類
  医書の分類


第二章 よみがえる古代医学の遺物 021
  二千余年前の貴婦人と漢方薬
  出現した古代の医学書
  馬王堆医帛の復元研究
  新出の医学史料


第三章 神農伝説と『神農本草経』 039
  神農伝説
  『神農本草経』と本草
  本草学の継承と展開


第四章 『黄帝内経』と陰陽五行説 053
  黄帝と『黄帝内経』――『素問』『霊枢』『太素』『明堂』
  陰陽五行説と医学
  『難経』


第五章 張仲景の医学 069
  張仲景伝説
  張仲景方
  『傷寒論
  『金匱要略
  漢方が効く秘密
  華佗伝説


第六章 六朝隋唐医学と日本 091
  魏晋南北朝医学書
  千年ぶりに発見された『小品方』
  日本への医学の伝播
  隋唐の医学書
  遣唐使の開始
  「大宝律令」医疾令
  平城京での動向
  平安京での医学
  『医心方』の成立 


第七章 宋の医学と日本 125
  宋の医書出版
  朝鮮の医書出版
  宋版医書の渡来
  『孫真人玉函方』の出現
  鎌倉南北朝の医学


第八章 金元明清の医学と日本 145
  金元医学の新展開
  明清代の医薬書
  入明医師の活躍
  日本最初の医書出版と禅僧
  曲直瀬道三の登場


第九章 江戸時代の医学 165
  曲直瀬玄朔の手腕
  徳川家康と医療
  古活字版医書の盛行
  日本に帰化した中国人医師
  日本漢方の独自化
  後世方派の様相
  古方派の出現
  折衷派の人々
  幕末明治の巨頭・浅田宗伯
  考証医学の開花


第十章 日本から中国へ 207
  日本に目を向けた中国人
  医籍の還流
  現存する漢方古書の数
  衰退から復興へ


あとがき(平成十一年四月三日 小曽戸 洋) [221-223]
新版あとがき(平成二十六年七月二十三日 小曽戸 洋) [223-225]
漢方関連年表 [226-227]
和漢薬の来歴 [228-243]
主要書名・人名索引 [244-247]




【抜き書き】

p. 222

 漢方というと、江戸時代中期以降の日本漢方を中心に考えるむきもあれば、中国医学古典を中心に考えるむきもあり、また現代中医学しか念頭にないむきもある。しかし、どれに片寄っても悠久なる中国・日本の伝統医学の流れをとらえ全体像を見ることはできないというのが私の信念であり、そういう観点から小著では幅広い時代に紙面を配したつもりである。

◆本文の末尾から

 最近、西洋医学だけではなく、他の医療法(民間療法、東洋医学など――代替医学)を取り込んだ統合医学というものが提唱されている。西洋医学のみが万全ではないというのはもっともなことであるが、では西洋医学東洋医学(漢方)の理論統合が可能かというと、それには無理がある。また西洋医学の考えで漢方薬を使ったとしたら、それは単に材料が漢方に由来するだけで、もはや医学としての漢方とはいえない。漢方には漢方なりの理論体系がある。それでこそ漢方は漢方たりえるのである。背景にある思考の筋道を度外視して漢方薬を用いても、効果は江戸時代のそれに比すべくもなかろう。

◆江戸時代の医学においては、和漢蘭折衷もあったようだ(p. 190)。

蘭学外科と漢方の結合に成功した花岡清洲・本間棗軒なども〔……〕



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