原題:The Diet Myth: The Real Science Behind What We Eat (Abrams Books)
著者:Tim Specter(1958-) 疫学。遺伝学(双子研究)。
訳者:熊谷 玲美[くまがい・れみ] 翻訳家。
装幀:岩崎 寿文[いわさき・としふみ] デザイナー、イラストレーター。
【抜き書き】
・献辞の宛先が珍しい。
私と共に暮らす家族と微生物たちに
【目次】
献辞 [001]
目次 [002-008]
はじめに 009
1 ダイエットという神話 011
乱立するダイエット法
公的なアドバイスとインチキ科学
ダイエットをして太る人
世界にしかけられた時限爆弾
無知を広めないために
ジグソーパズルの足りないピース
2 微生物 ダイエットとマイクロバイオーム 025
最も身近な生き物
踊るアニマルキュール
未開拓地への入植者
受け継がれていく微生物たち
マイクロバイオームで肥満を予測する
3 カロリー 運動で本当にやせられるのか? 035
熱力学の基本法則
カロリーの誤解
三六〇〇キロカロリーの食事を一〇〇日間続けると……
なぜ太りやすい人がいるのか?
もう一つの仮説
舌と栄養と超味覚者
運動の習慣と意志の力
痩せるためには何キロ走るべきか?
腸内細菌は運動がお好き
脳でカロリーを消費する
4 総脂質 体に良い脂肪、悪い脂肪 057
食品界の大悪党
実のところ、脂肪とは何なのか?
誤解されるコレステロール
不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸
脂肪はいつから悪者になったのか?
5 飽和脂肪酸 乳製品のすすめ 065
フランス人はなぜ長生きなのか?
生きているチーズ
フレンチ・パラドックスの謎を解く
腸内細菌が変われば反応も変わる
「脂肪悪玉説」の裏側
ピザしか食べない男
クレタ島の住民とアーミッシュ
ブルガリアの健康食品からヤクルトへ
ヨーグルトで痩せられる?
プロバイオティクスという可能性
「ヨーグルトは体に良い」の科学的根拠
遺伝子と腸内細菌
腸と脳
IBS患者の腸の中
ストレス対策にはヨーグルトを
6 不飽和脂肪酸 オリーブオイル、そのほか地中海式食事 096
「あかみ」と「あぶらみ」
肉抜きダイエット
ニワトリにマラソンランナーはいない
祖母が食べていたものを食べること
オリーブオイルの再発見
脂肪分たっぷりのミラクルドリンク
素晴らしき地中海式食事
エクストラバージン・オリーブオイルの効用
ポリフェノールと腸内細菌
7 トランス脂肪酸 ジャンクフードの恐るべき真実 115
世界で一番危ない食品
発明の才が生んだ奇跡
制限されるトランス脂肪酸
トランス脂肪酸の現状
ちょっと具合が悪くって……
世界を支配するファストフード
ジャンクフードの依存性
「スーパーサイズ・トム」
肥満は感染するか?
中国のお粥と荒くれ者の細菌
悪いものを追い出し、良いものを迎えよう
肥満大国化する中国
腸内細菌のマインドコントロール?
8 動物性タンパク質 肉と魚と旧石器時代 138
肉を食べるということ
太っちょの葬儀屋
ステーキを食べて痩せる
アトキンスダイエットの興隆
なぜリバウンドするのか?
何キロ痩せるかは腸内細菌が知っている
肉を食べない人々
ビタミンの問題
パレオダイエットの背景
狩猟採集民族の腸内細菌
肉と言ってもいろいろあるが……
L-カルニチンと心臓発作
では、魚はどうなのか?
旧石器時代に連れ戻す
リデュースタリアンのすすめ
9 非動物性タンパク質 豆、海藻、キノコ 166
肉以外のタンパク質源
大豆の健康効果
イソフラボンとエピジェネティクス的効果
豆乳、そのほかの大豆製品
海藻と日本人
飛び移る遺伝子
長寿とうま味をもたらす秘密
キノコおよび菌類について
10 乳製品由来のタンパク質 「牛乳を飲めば大きくなる」は本当か? 178
消えゆく牛乳
ひねり出される相関関係
牛乳を飲んでおなかを壊す人、壊さない人
残された謎
マイクロバイオームとラクトース不耐症
なぜオランダ人は背が高いのか?
身長が違う一卵性双生児
11 糖類 あらゆるところに忍び寄る砂糖の影 190
最も危険なドラッグ
最高にヘルシーな朝食
純然たるエネルギーか、まったくの詐欺か
甘いもの好きの遺伝子
どんどん安くなる砂糖
純白、この恐ろしきもの
子どもの虫歯
ミュータンス菌から歯を守れ
噛まずに食べると太るのはなぜ?
ソフトドリンク、糖尿病、内臓脂肪
フルクトースと魔女狩り
12 糖質(糖類以外) スーパーフードに騙されるな 209
紅茶とチーズサンドイッチ
老人ホームの食事が死をまねく?
足りないのは糖質
ローフードダイエットとその問題点
バナナガール・フリーリー
デブで病気で死にそう
ジューシングとデトックスの魔法
ファスティングダイエット
断食で腸をきれいに
「朝食抜きは体に悪い」を検証する
スーパーフードにご用心
なぜ野菜嫌いな人がいるのか?
13 食物繊維 プレバイオティクスという新しい科学 231
大英帝国最後の科学者
食物繊維とは何か?
プレバイオティクスと腸内細菌
ニンニクを食べると風邪が治る?
三日間のプレバイオティクスダイエット
科学的根拠を考える
グルテンフリーダイエットの真実
唾液の突然変異
双子なのに体重が違う理由
FODMAPダイエットと腹部膨満感
14 人工甘味料および保存料 ダイエット飲料の甘くない現実 250
飛ばし屋ジョンの不満
ダイエット飲料への期待と現実
アステルパームとスクラロース
腸内細菌が教える人工甘味料のリスク
保存料とアレルギー
15 カフェイン コーヒーとチョコレートの誘惑 259
間違った科学
世界で最も有名な向精神薬
チョコレートは奇跡の食べ物か?
腸内細菌再び
ミルクチョコよりダークチョコを
カフェイン中毒の誘い
予測できない含有量
コーヒーの健康効果
16 アルコール 百薬の長か、万病の元か 272
ロシアの密造酒
飲料をめぐる矛盾だらけの主張
ハリウッドスターのご乱心
すぐに酔うアジア人、酒に強いヨーロッパ人
酒の消費量とワインサプリメント
赤ワインをたしなむ腸内細菌
お酒はほどほどに……
17 ビタミン サプリメントを買う前に 284
食事から点滴へ
ビタミンの発見とビッグビジネス
サプリメントに忠誠を誓う人々
「多ければ多いほど良い」という幻想
天然の栄養と人工の栄養
ビタミンD不足には太陽の光を
本物の食品を選ぶこと
18 抗生物質 腸内細菌の殺戮兵器 295
感染症が根絶される日
消し去られた共通点
濫用される抗生物質
無菌出産がもたらす問題
この世で初めて触れる人
最初の数時間が未来を決める
帝王切開の赤ちゃんにはアレルギーが多い
抗生物質と肥満の関係
薬漬けの動物たち
世界は抗生物質であふれている
どうすれば避けられるのか?
プロバイオティクスは治療薬になるか?
19 ナッツ 食品とアレルギー 319
高度九〇〇〇メートルでの出来事
ナッツとポリフェノール
神話が生まれる瞬間
食物アレルギーは最近の現象か?
衛生仮説と清潔ヒステリー
自然な環境を友人として受け入れること
20 賞味期限 捨てられていく大量の食品 330
賞味期限と消費期限
神経質な客と製造者の都合
21 騙されないためのチェックポイント 333
レジに向かう前に
私が見つけた食事への新しい向き合い方
食生活と腸内細菌の多様性を高めよう
腸の住人たちについて調べよう
腸内細菌の大改造
腸内細菌が変われば肥満は改善するか?
三〇品目を食べてペットと触れ合うダイエット
もっと健康になりたい人の食事法
毒は体に良い?
健康な社会のために私たちができること
腸はあなたの庭である
謝辞 [351-352]
訳者あとがき(二〇一七年春 熊谷玲美) [353-358]
註 [359-414]
用語集 [415-423]
索引 [424-425]
著訳者略歴 [426]
【メモランダム】
・本書のタイトルは、The Diet Myth
・奇妙なことに副題が二種類見つかった。[書籍本体][版元のサイト][Wikipedia]
[(本書冒頭の)コロフォン]The Real Science Behind What We Eat
[版元]Why the Secret to Health and Weight Loss is Already in Your Gut
[Wikipedia]The Real Science Behind What We Eat Why the Secret to Health and Weight Loss is Already in Your Gut
……さらに英語版wikipediaにおける著者の記事では、下記のスクリーンショットの通り、本書のタイトルが二通り見つかった(「Why ...」だけの場合と、両方の場合)(2022-12-05アクセス)。
また二つ目の表記(両方の場合)でコロンが二重に用いられているが、意図的なのかミスなのかわからない。