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『[新装版]音律と音階の科学――ドレミ…はどのように生まれたか』(小方厚 ブルーバックス 2018//2007)

著者:小方 厚[おがた・あつし](1941-) 工学(ビーム物理)。
カバーイラスト:木野 鳥乎[きの・とりこ] イラストレーション、絵本。
目次・本文デザイン:坂 重輝(?-) 書籍・雑誌のデザイン。グランドグルーヴ。
シリーズ:ブルーバックス;B-1567
件名:音律
件名:音階
NDLC:KD121 芸術・言語・文学 >> 音楽・舞踊・演劇・娯楽 >> 音楽 >> 音楽学 >> 音楽理論
NDC:761.1 


『音律と音階の科学 新装版 ドレミ…はどのように生まれたか』(小方 厚):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部


【目次】
まえがき [00-005]
目次 [006-008]


第1章 ドレミ……を視る,ドレミ……に触れる
1.1 音楽はデジタルだ 010
  音楽は最初から抽象的だった
  音楽はデジタルだ
  西洋音楽の2つの特徴

1.2 デジタル楽器とアナログ楽器 014
  楽器を分類しよう
  デジタル楽器に見るドレミ…の構造
  音律と音階
  シャープ(#)とフラット(♭)

1.3 聴覚は「差」ではなく「比」を感じとる 019
  音程を周波数で見ると……
  音の高さは比で決まる

1.4 手製の一弦琴でオクターブを視る 024
  空き箱と輪ゴムで音律の大原則を確かめる
  オクターブ等価性
  基本波と倍音
  音高と音量をスペクトルで視る


第2章 ドレミ…はピタゴラスから始まった
2.1 ド・ソの協和からピタゴラス音律へ… 036
  「三平方の定理」のピタゴラス
  ピタゴラス音律のたった1つの原則――3倍音
  3倍音を使って芋づる式に……

2.2 音のらせん 043
  人間は音楽を「対数」で感じている
  ピタゴラス音律
  ヨナ抜き5音階
  ピタゴラス音律の完成

2.3 音程の数え方「度」という単位 052

2.4 5度円から長音階へ 055
  5度円の登場
  ドレミの起源と6音階

2.5 旋法,あるいはモード 058
  7つの旋法
  モード小史
  長音階短音階
  3つの短音階


第3章 音律の推移――閉じない環をめぐって
3.1 ピタゴラス負の遺産コンマ 070
  ピタゴラスのコンマ
  「異名同音」ではなく「異名異音」

3.2 協和とうなりとウルフ 075
  2つの楽音の協和
  うなりと聴覚の錯覚
  missing fundamental

3.3 ドとミの甘美な響き――純正律 080
  5倍音が欲しい!
  純正律
  オイラー格子

3.4 純正律の泣きどころ――転調 087
  ウルフ,大半音と小半音,大全音と小全音
  転調とは
  純正律で転調すると……
  では,ピタゴラス音律の転調は……

3.5 平均律の功罪 094
  平均律では協和度が低い
  ピアノとともに広まった平均律

3.6 ミーントーンとウェル・テンペラメント 096
  甘く美しい長3度
  モーツァルトが愛したミーントーン
  バッハの「平均律」は「ウェル・テンペラメント」だった

3.7 純正律を鍵盤で 103
  コンマをもっと小さく
  53音平均律
  オクターブに26の鍵を持つ純正律オルガン!


第4章 なぜドレミ…が好き? 音楽の心理と物理
4.1 2重音の心理と物理 110
  なぜ純正律か?
  不協和の心理
  不協和曲線

4.2 同時に鳴る2つの音をどう聞くか? 114
  2音の関係をさらに調べる
  2つの音をどこまで認識できるか

4.3 楽器が出す倍音 119
  楽器の音のスペクトル

4.4 楽音の不協和感から純正律へ 122
  倍音を含んだ音の不協和度
  楽器の音の不協和曲線
  不協和曲線が音階を導く
  「レ」と「シ」がない……
  平均律純正律と比べれば……
  オクターブの等価性?
  コードの転回


第5章 コードとコード進行――和音がつくる地形を歩く 133
5.1 3重音のポテンシャル 134
  和音の表情
  3重音の不協和度を計算すると……
  等高線図の窪地が心地よい
  ドミソは共鳴する

5.2 長3和音と短3和音 142
  五線譜の「だんご3兄弟
  第1グループ――長3和音
  第2グループ――短3和音
  第3グループ――減3和音
  長調短調
  等高線図の上のだんご3兄弟
  コードネーム

5.3 コード進行の原理 150
  ベースの音を追え
  コードは5度円に沿って
  4重音の効用
  コード譜の先祖は通奏低音

5.4 転調の行き先 158


第6章 テトラコルド自由で適当な民族音楽 163
6.1 西洋音楽と,西洋音楽以外の民族音楽 164

6.2 音階のユニット箱――テトラコルド 165
  4本の弦
  テトラコルドを2つ重ねるとオクターブ
  音階を箱にたとえると……
  より小さいユニットへ
  起源は古代ギリシャ

6.3 箱を積んでつくる日本の音階 172
  日本固有のテトラコルド
  テトラコルドがつくる日本の音階
  5音階のモード

6.4 ブルースはポピュラー音楽のルーツ 177

6.5 数十段の音階,微分音階 180

6.6 旋律打楽器バンド――ガムラン 182
  ガムランの音律
  ボナンの音階とスペクトル


第7章 楽器の個性を生かそう 187
7.1 楽器と5度円 188
  弦楽器の調弦
  スティールパン
  ピアノ式アコーディオン

7.2 弦楽器の奏法,管楽器の構造 193
  弦楽器・管楽器の音高
  擦弦楽器
  弦の腹と筋
  開管と閉管

7.3 2次元打楽器 201
  2次元の振動
  円盤の振動
  円盤楽器の設計プロセス

7.4 リズム楽器 207

7.5 電子楽器テルミン 209

7.6 声こそ最高の楽器 212


第8章 音律と音階の冒険――新しい音楽を求めて 
8.1 そっくりメロディからの解放 216

8.2 平均律だからできること 217
  コルトレーンの冒険
  周波数比が√2 となるペア――平均律の減5度
  裏コード
  全音音階,全半音階
  オーネット・コールマンのハーモロティクス
  無調音楽

8.3 純正律をさらに追求すれば 228
  7リミットの純正律
  さらに11リミットの純正律
  臨機応変に調整して純正律を実現!

8.4 12音ではない平均律 236
  12~24音平均律の試み
  16音平均律と17音平均律

8.5 純正律のように響く平均律 240 
  楽音のスペクトルをいじれば……

8.6 オクターブからの解放 242
  オクターブを区切りとしない音律
  閉管楽器の不協和曲線と閉管楽器のための音律

8.7 音律と音階の将来 248
  アナログの音律と音階
  12音律と7音階という制約を外せば……
  打楽器による旋律
  タフマインド度


付録 [255-263]
  音の高さの名付け方
  音程の単位「セント」
  5度円の分割角度
  ソノグラム
参考文献 [264-266]
索引 [267-270]