著者:伊藤 友計[いとう・ともかず](1973-) 音楽学。
装丁:奥定 泰之
カバー図版:DeA Picture Libraty/PPS通信社
シリーズ:講談社選書メチエ;
件名:音楽 (西洋)
NDLC:KD141 芸術・言語・文学 >> 音楽・舞踊・演劇・娯楽 >> 音楽 >> 音楽学 >> 音楽史
NDC:762.3 芸術 >> 音楽 >> 音楽史.各国の音楽 >> ヨーロッパ
備考:71、79頁はカラー印刷。
『西洋音楽の正体 調と和声の不思議を探る』(伊藤 友計):講談社選書メチエ|講談社BOOK倶楽部
【目次】
目次 [003-006]
はじめに──音楽の複数性について [007-013]
本書の構成
Cruda Amarilli [014]
凡例 [015]
第I部 音楽のかたちについて
第1章 モンテヴェルディ、1600年前後の音楽 018
(1)モンテヴェルディ[Claudio Giovanni Antonio Monteverdi(1567-1643)]が敢行した禁則の一音
(2)モンテヴェルディの業績
(3)パレストリーナ[Giovanni Pierluigi da Palestrina(1525-1594)]の音楽とカトリックの精神
(4)パレストリーナ様式――スティレ・アンティコの特徴
(5)モンテヴェルディの掟破り――《つれないアマリッリ》の不協和音程
(6)旧陣営からの猛烈なモンテヴェルディ批判
(7)モンテヴェルディ兄弟による反論――第一作法vs.第二作法
(8)歌詞に対する音楽の態度の変化
(9)モンテヴェルディの革新とその後
第2章 西洋音楽はどのように流れるのか? 042
(1)音楽の基礎構造――音楽の“文法”とは
(2)カデンツの内実――結末へと導く
(3)カデンツとバスラインの関係性――根音あるいは基礎低音の進行
(4)カデンツの歴史をさかのぼる
(5)音楽を前進させるP‐i‐P原理――“怠惰な手のペトルス”に見るカデンツの原形
第3章 西洋音楽における半音と三全音――予定調和のための塩と悪魔 069
(1)西洋音楽における半音という存在
(2)音階を構成する音程――全音、半音、四分音
(3)グイド・ダレッツォ[Guido d'Arezzo(991-1050)]と階名唱法(ソルフェージュ)の伝統
(4)音階を教える「グイドの手」――潜んでいる半音と悪魔
(5)目に見えない動く半音――ムジカ・フィクタ
(6)ザルリーノ[Gioseffo Zarlino(1517-1590)]が強調する音楽における“塩”――導音から主音への半音
(7)塩と悪魔の共存する同時的響き――属七の和音
第II部 調・調性・和声について
第4章 調と調性 106
(1)調? 調性?――用語の整理
(2)調と音階、そして旋法とは――古代ギリシャから
(3)8つの教会旋法――諸音の並びについての理論化
(4)『ドデカコルドン』――12の旋法へ
(5)長・短調の出現――24の調の一覧の初出は?
(6)音階と情感――アフェクト論で調を語る
第5章 調性とは何なのか 141
(1)調性を歴史的に捉える視点
(2)多義的な調性
(3)主音の存在――調性音楽の核心
(4)複調・多調/近代フランス和声/拡大された調性
(5)無調/十二音技法/トータル・セリー
(6)「調性の崩壊」とは?
(7)ワーグナー[Wilhelm Richard Wagner(1813-1883)]と調性の死
[コラム]減七の和音について 160-164
(8)調性と現代
第6章 和声の成立 167
(1)和声とは何か
(2)和声、和音、和音の転回
(3)記譜・演奏実践と和音の存在
(4)理論における和音の存在
(5)ラモー[Jean-Philippe Rameau(1683-1764)]による「転回」理論の完成
終章 音楽と自然 194
(1)和声的調性音楽は“自然”なのか
(2)“自然探究”と音楽
(3)音楽は自然ではなく、自然は楽器も音階も和音も作らない
ベルリオーズ[Louis Hector Berlioz(1803-1869)]による批判
ヘルムホルツ[Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholtz(1821-1894)]による批判
シャーロウ[Matthew Shirlaw(1873-1961)]による批判
(4)和音と自然
(5)音楽と自然――総括
あとがき [217-220]
本書の基礎理解のために [221-228]
音階について
音程について
和音について
調について
本書で言及した主な音楽家・理論家など [226-228]
注 [229-232]
参考資料 [233-237]
著者略歴 [238]