著者:宮本 直美[みやもと・なおみ](1969-) 音楽社会学、文化社会学。
件名:ミュージカル--歴史
NDLC:KD594 >> 芸術・言語・文学 >> 音楽・舞踊・演劇・娯楽 >> 演劇 >> 演劇の特殊形式 >> ミュージカル
NDC:775.4 演劇 >> 各種の演劇 >> レビュー.少女歌劇.ミュージカル
【目次】
序 言葉か音楽か――古くて新しい問題 [i-vii]
目次 [vii-xi]
第1章 歌の世界と台詞の世界 001
人はいつ歌うのか
映画音楽の枠組
ミュージカルにおける複数のリアリティ世界
音楽劇の宿命
第2章 芸術としてのオペラ・娯楽としてのオペラ 019
古代ギリシャ悲劇
オペラの誕生──音楽劇の原理
商業オペラ──歌と台詞の混在
市民社会のオペラ
オペレッタの展開
第3章 劇場とポピュラー音楽 039
楽譜の流通とナンバー
バラエティ・ショーからレヴューへ
ミュージカル・コメディ
ティン・パン・アレーの音楽産業
ソングライターとソングプラガー
ラジオ・レコードと音楽市場
ミュージカルの録音
第4章 ブロードウェイ・ミュージカルの確立 073
アメリカン・オペレッタの流行
ショーと物語の接近
《ショウ・ボート》──ドラマとしてのミュージカル
《オクラホマ!》──物語とナンバーの統合
黄金期──多様な形態の併存
「統合」の理念
第5章 音楽によるミュージカル革命 107
ロック音楽と劇場
《ヘアー》と新しいサウンド
コンセプト・アルバムとロック・オペラ
《ジーザス・クライスト・スーパースター》──音楽先行の受容
サウンドの理想と現実
劇場界と音楽界の論理メガ・ミュージカル
グローバル文化としてのミュージカル
第6章 音楽とサウンドが作るドラマ 149
音楽による物語り
① 文化的意味を背負っている音楽的要素
② 音楽による情景描写
③ 序曲とオープニング・ナンバー
④ 音楽モチーフの関連付け――リプライズ
台詞・歌の統合とアンダースコア
重層的サウンドの説明力──現代版コロスとしてのアンサンブル
劇音楽の自立
終章 ポピュラー文化としてのミュージカル 175
新しい歌声と表現
ナンバーの商業的意義
ミュージカルの可変性と不変性
補遺 ナンバー解説――音楽の役割 192
音楽ジャンルによるキャラクター付けとドラマ展開 《ラブ・ネバー・ダイ》
公共財としての音楽モチーフ――グレゴリオ聖歌「怒りの日」 《スウィーニー・トッド》《貴婦人の訪問》
音楽によるキャラクター描写 《キャッツ》
オープニング・ナンバーが示す作品世界とテーマ 《ジキル&ハイド》
音楽モチーフのリプライズ――複数の物語の統合 《レ・ミゼラブル》
アンダースコアによる歌と台詞の融合1 《パレード》
アンダースコアによる歌と台詞の融合2 《ジキル&ハイド》
あとがき(二〇二二年四月 宮本直美) [211-213]
参考文献 [214-217]
【メモランダム】
・目次について:第6章には8つの小見出しがある。しかし本書の目次ページでは、紙版でもkindle版でも、そのうち四つ(丸囲み数字が文頭についている四つ)が載っていない。つまり、より下位の階層として扱われていることになる。
ただし、見出しのフォントや位置を確認したが、そちらでは階層の差が付けられていない。内容からは微妙なラインにある。
とりあえず、上記目次では八つを同列にしておいた。
・本書の主題とは無関係の話:「あとがき」の冒頭で、COVID-19流行と日本政府の対応を俎上にあげて、「何の根拠もない段階でライブ・エンターテインメントは「自粛」を強要された」と書いている。私としては、制限を行う根拠がなかったと言い切るのは過言だと思う。