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『日本文学史序説』〈上・下〉(加藤周一 ちくま学芸文庫 1999//1980)

著者:加藤 周一[かとう・しゅういち](1919-2008) 評論、小説。医学(内科学、血液学)。
件名:日本文学--歴史
NDLC:KG12 
NDC:910.2 
備考:内容は実質的に「日本思想史」。
備考:『日本文学史序説』(筑摩書房、上下巻、1975年-1980年)を文庫化したもの。
備考:各国語版あり。David G. Chibbett翻訳の英語版(A History of Japanese Literature: From the Manyoshu to Modern Times, Kodansha International, 1979)など。


筑摩書房 日本文学史序説 (上) / 加藤 周一 著
筑摩書房 日本文学史序説 (下) / 加藤 周一 著


【目次】
目次 [003-005]
下巻〔内容〕 [006]


日本文学の特徴について 009
  文学の役割
  歴史的発展の型
  言語とその表記
  社会的背景
  世界観的背景
  特徴相互の連関について


第一章 『万葉集』の時代 047
  『十七条憲法』から『懐風藻』まで
  『古事記』および『日本書紀
  民話と民謡
  『万葉集』について


第二章 最初の転換期 125
  大陸文化の「日本人化」について
  『十住心論』および『日本霊異記
  知識人の文学
  『古今集』の美学


第三章 『源氏物語』と『今昔物語』の時代 183
  最初の鎖国時代
  文学の制度化
  小説的世界の成立
  女の日記について
  『源氏物語
  『源氏物語』以降
  『今昔物語』の世界


第四章 再び転換期 273
  二重政府と文化
  仏教の「宗教改革
  禅について
  貴族の反応
  『平家物語』と『沙石集』


第五章 能と狂言の時代 349
  封建制の時代
  禅宗の世俗化
  仲間外れの文学
  芸術家の独立
  能と狂言


第六章 第三の転換期 405
  西洋への接触
  初期の徳川政権と知識人
  本阿弥光悦とその周辺
  大衆の涙と笑い


第七章 元禄文化 461
  「元禄文化」について
  宋学の日本化
  徂徠の方法
  白石の世界
  『葉隠』と「曾根崎心中」
  俳諧について
  町人の理想と現実



【下巻 目次】
目次 [003-004]
上巻〔内容〕 [005]


第八章 町人の時代 009
  教育・一揆・はるかな西洋
  文人について
  富永仲基と安藤昌益
  心学について
  忠臣蔵と通俗小説
  平賀源内と蘭学者たち
  梅園と蟠桃
  本居宣長
  上田秋成国学者たち
  歌舞伎と木版画
  笑いの文学


第九章 第四の転換期 上 147
  近代への道
  国体と蘭学
  詩人たち
  日常生活の現実主義
  町人の逃避
  農民たち


第十章 第四の転換期 下 233
  吉田松陰と一八三〇年の世代
  福沢諭吉と「西洋化」
  中江兆民と「自由民権」
  成島柳北と江戸の郷愁
  一八六八年の世代
  露伴と鏡花
  鈴木大拙柳田国男
  子規と漱石
  鷗外とその時代
  内村鑑三安部磯雄
  「自然主義」の小説家たち〈一〉
  「自然主義」の小説家たち〈二〉
  幸徳秋水河上肇
  有島武郎永井荷風


第十一章 工業化の時代 397
  一八八五年の世代
  谷崎潤一郎と小説家たち
  木下杢太郎と詩人たち
  一九〇〇年の世代
  マルクス主義と文学
  芥川龍之介とその後
  外国文学研究者と詩人たち
  三つの座標


終章 戦後の状況 503
  戦争体験について
  「第二の開国」について
  高度成長管理社会について


あとがき(一九八〇年三月、於 上野毛 著者) [531-535]
事項索引 [16-46]
人名索引 [1-15]






【関連記事】
・続編ではないが姉妹書のようなもの。
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【抜き書き】


・『平家物語』の文体について(上巻343頁)。

〔……〕衒学的な仏教的語彙は修辞上の工夫に過ぎない(余談ながら、意味の明瞭でない漢語を連ねて、考えのすじみちをはっきりさせず、しかし漫然として悲壮な雰囲気をかもし出す日本語の散文は、今日なおこの国の少年少女の好むところである〔……〕)。