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『経済学〈ヒューマニティーズ〉』(諸富徹 岩波書店 2009)

著者:諸富 徹[もろとみ・とおる] (1968-) 財政学、環境経済学
NDLC:DA1
NDC:331 経済学.経済思想
備考:七人の経済学者(ケネー,スミス,リカードマルクスピグーケインズシュンペーター)の学説を紹介する本。ややアレンジはあるものの、「NDC 332 経済学説史」のテキストとして分類する方が適切だと思う。


経済学 - 岩波書店


【目次】
はじめに [iii-ix]
目次 [xi-xiv]


一、社会認識の学としての経済学――経済学は社会の役に立つのか 001
(一) 「科学」としての経済学 001
(二) 効率性と公平性――科学にとっての価値の問題 004
(三) グローバリゼーションのインパクト 008
(四) 「概念装置」としての経済学 012
  市場と国家
  経済学における「自然の体系」と「人為の体系」
  「金融経済」と「実物経済」の二分法
  経済システムを担う主体は誰か
  動態的視点の重要性――今後、資本主義経済システムはどのように変わっていくのか


二、経済学はどのようにして生まれたのか――そして、それはどのように発展を遂げたのか 031
(一) 経済の再生産と資本蓄積 031
  ケネー「経済表」と租税による社会改革
  アダム・スミスにおける「自然的自由の体系」と国家
  リカードの資本蓄積論と租税転嫁論
(二) 資本蓄積と貧困・搾取・恐慌――マルクスの経済学 053
  資本主義経済の基本問題
  マルクスによる資本主義経済分析
  マルクス以降の資本主義とマルクス経済学
(三)「私的なもの」と「社会的なもの」の乖離――ピグーによる市場介入の経済学  072
  資本主義経済システムの変貌と「自由放任の終焉」
  所得再分配と累進所得税の正当化
(四) 資本主義の不安定性と「人為の体系」の確立――ケインズの経済学の革新性 082
  「豊富の中の貧困というパラドクス」
  投機がもたらす資本主義の不安定性
  「自然の体系」から「人為の体系」へ
(五) 技術革新と資本主義発展のビジョン――シュンペーター『経済発展の理論』 104


三、経済学の未来はどうなるのか――まは、経済学はこれから何を考えていくべきか 111
(一) 変容する国家と市場の関係 111
  市場を補完する国家
  「公正な競争ルール」としての規制
  「規制国家」が果たす積極的な役割
(二) 「実物経済」の「金融経済」に対する優位 120
  二〇世紀的現象としての「実物経済」と「金融経済」の分離
  「人為の体系」としてのブレトンウッズ・システム
  新たな「人為の体系」への復帰の必要性
(三) 「ケインズ連合」の崩壊 130
(四) 資本主義の未来とその「非物質主義的転回」 134
  資本主義の将来ビジョン
  「わが孫たちの経済的可能性」
  「非物質的労働」論


四、経済学を学ぶ意味とは何か――読者への期待を込めて 143


五、経済学を学ぶために何を読むべきか 155


おわりに [163-166]