編者:
吉川 洋
岡崎 哲二
コンファレンス参加者:
植田 和男
河合 正弘
河村 哲二
佐口 和郎
塩路 悦朗
篠原 三代平
柴田 徳太郎
侘美 光彦
武田 晴人
照山 博司
西川 純子
西村 清彦
原 朗
春田 素夫
樋口 美雄
シリーズ:東京大学産業経済研究叢書 コンファレンスシリーズ
【目次】
はしがき(1990年9月 吉川洋・岡崎哲二) [i-ii]
目次 [iii-v]
序章 経済学における理論と歴史 001
I 大恐慌
第1章 大恐慌と経済理論[侘美 光彦] 011
1.はじめに
2.大恐慌における物価・投資・賃金の変動
3.ケインズ経済学の説明とその限界
4.ケインズの不均衡理論と新古典派均衡理論の接点
5.マルクス経済学の対応とその限界
6.経済理論の課題
注・参考文献
第2章 負債デフレーションと大恐慌[柴田 徳太郎] 043
1.諸説の検討
貨幣仮説(Friedman & Schwartz[1963])
支出仮説(Temin[1976])
負債デフレ論(Fisher[1933],Minsky[1975][1982][1986])
2.金融恐慌の発生過程
株式ブームの崩壊と負債デフレーション
銀行恐慌と負債デフレーション
3.おわりに
負債デフレーションについて
「最後の貸し手」について
参考文献
II 長期経済変動
第3章 長期波動分析――回顧と現状[篠原 三代平] 071
1.そのリバイバルと背景
リバイバル
コンドラチェフとその先行者
コンドラチェフとシュムペーター
2.コンドラチェフ波は価格循環にすぎないか
長波は価格循環か
戦争循環 vs 金生産のメカニズム
3.一時産品価格の役割
アーサー・ルイス
一次産品価格の長期的下降
金存在量vs農産物供給
4.投資と技術革新
資本ストックの調整
不況トリガー仮説
デマンド・プル仮説
「不況は革新の母」か
技術パラダイムと対応
5.相対価格構造の激動・債務危機と長期波動
1930年代と80年代
累積債務増大のメカニズム
貨幣の非中立性と長波
長波の3局面
注・参考文献
第4章 経常収支の長期変動[植田 和男] 101
1.はじめに
2.理論的枠組み
3.19世紀から20世紀初めにかけての英米経済
イギリスの経常収支黒字
経常収支黒字長期化の原因
資本受け入れ国側
4.1970-80年代の悲惨喩発展途上国への資金流入
5.日本・韓国の経済成長と経常収支
6.1980年代の国際収支不均衡
参考文献
第5章 価格と数量――日本と米国の100年[西村清彦・照山博司] 121
1.はじめに
2.日本と米国の100年――実質GDP成長率とGNPデフレーター上昇率
(a) 価格と数量――第1次大戦前・戦間期・第2次大戦後
(b) 標準偏差によるナイーブな比較の問題点
3.二つのショックと経済の安定性の指標
(a) 「短期・需要」ショックと「長期・供給」ショックー経済の安定性の指標
(b) 時系列分析
(c) ショックの制約付きVARモデル[Vector AutoRegressive]
(d) VARモデルのマクロ経済学からのひとつの解釈
4.第1次大戦前と第2次大戦後――価格の伸縮性と経済の安定性
(a) 日本
(b) 米国
(c) 国際比較
(d) 「短期・需要」ショックと「長期・供給」ショックの相対的重要性
5.戦間期
(a) 戦間期の特異性
(b) ウルトラ・ケインズモデルと戦間期
6.おわりに
注・参考文献・データ付録
III 日本経済の歴史的経験
第6章 戦前日本経済のマクロ分析[吉川洋・塩路悦朗] 153
1.戦前の景気循環
2.価格・賃金の伸縮性
3.生産数量の動き――有効需要の役割をめぐって
4.おわりに
注・参考文献
第7章 戦前期日本の景気循環と価格・数量調整――綿糸紡績業の事例[岡崎哲二] 181
1.戦間期の価格・数量調整
2.日清・日露戦後恐慌
3.昭和恐慌
4.おわりに
注・参考文献
第8章 日本の内部労働市場――1960年代末の変容を中心として[佐口 和郎] 207
1.課題の設定
2.「若年技能労働力不足」と高卒化
3.職業紹介制度の変容
4.臨時工制度の「解体」と職能資格制度
5.歴史的位置
6.おわりに
注・参考文献
コメント
「大恐慌の経済学」への挑戦[春田素夫] 235
(1) 不可能への挑戦?
(2) クレオパトラの鼻が低ければ?
(3) 体制存続のための雇用?
長期経済変動と経済学の「中間理論[河村哲二] 238
労働市場分析における横断面資料と時系列資料の補完的活用[樋口美雄] 245
経済理論と経済史の対話[原朗] 252
コンファレンス出席者および日程 [257-258]
【抜き書き】
・本書の元について、「はしがき」(pp. i-ii)から抜粋。
東京大学経済学部の日本産業経済研究施設ではその研究活動の一環として毎年,学内外の研究者によるコンファレンスを行なっている.「経済学の歴史的パースペクティブ」をテーマとした1989年度のコンファレンスは,1990年3月22~24日の3日間,マルクス経済学,近代経済学,経済史学の研究者約20名の参加者を得て開催された.運営委員会は,侘美光彦,原朗,吉川洋,西村清彦,柴田徳太郎,岡崎哲二によって構成された.本書はその成果をとりまとめたものである.コンファレンスでは各報告に1,各セッションに2,計14本のコメントが提出されたが,紙幅の都合から,本書への収録は専ら討論者として参加された方のものだけに限定した.また本書に掲載された論文は当日のコメントを前提に改稿されているので,討論者には当日のものとは別に改めてコンファレンス全体に対する意見等を自由に執筆していただいた.
