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『デスマーチはなぜなくならないのか―― IT化時代の社会問題として考える』(宮地弘子 光文社新書 2016)

著者:宮地 弘子[みやじ・ひろこ] 元・ソフトウェアエンジニア。現象学的社会学エスノメソドロジー(主にIT業界をフィールドとした働くことをめぐる諸問題の社会学)。
NDC:007.35 情報産業、情報サービス
NDC:549.805 


デスマーチはなぜなくならないのか 宮地弘子 | 光文社新書 | 光文社


【目次】
目次 [003-006]


はじめに 007
デスマーチ」(死の行進)という言葉
二〇〇〇年代以降の関心の高まり
デスマーチ」をめぐるこれまでの理解
現場の人々の声
みずからの経験から
本書の目的


第一章 究極の迷宮 ――どのようなものづくりとも異なるソフトウェア開発の特質 025
外からも内からも見えにくいソフトウェア開発のプロセス
ソフトウェア開発作業の核――コンピュータへの命令書の記述
ソフトウェア開発という協働作業
ソフトウェア開発産業の「黒歴史
究極の迷宮としてのソフトウェア開発――「銀の弾はない」という名言
ソフトウェア開発作業に特有の性質
「見えていて、やっているが、気づかない」ソフトウェアづくりの方法
調査の対象――なぜX社なのか?
調査の方法――なぜインタビューなのか?


第二章 「デスマーチ」の語り ――ソフトウェア開発者たちに聞く経験 055
ある中堅エンジニアとのインタビューから

当事者によって語られた燃え尽きの経験 058
  フォトリンクプロジェクト
  ソフトウェア開発作業に独特の性質に起因する困難
  できないといわない――ソフトウェア開発者としての美徳
  「アドインモデル」という頼みの綱
  迷宮へと迷い込むプロジェクト
  俺がやるからいい

「名誉の戦死」としての燃え尽き
ある若手エンジニアとのインタビューから

新人時代のカルチャーショックの経験 080
  配属当初の戸惑い
  先輩エンジニアの燃え尽き

さらなる教育的指導の洗礼
「正しい」ソフトウェアづくりの方法としての抱え込み
説明・説得の実践としてのインタビュー
ソフトウェア開発者の社会に独特の常識


第三章 当事者にとっての「デスマーチ」の経験とは 097
語りの諸側面

語り手の生活史との邂逅 102
  大学受験の失敗からフリーのゲームプログラマ
  結婚を契機とした転身
  「ステータス」が決め手となった転職
  「格上」の開発部門への異動

燃え尽きの主観的経験 124
  プロジェクトの先行きへの不安を黙認した意味――「吊しあげ」の回避
  「悪いスパイラル」の風景――迫り来る「吊しあげ」の危機
  燃え尽きにいたるまで仕事を抱え込んだ意味――現実となった「吊しあげ」の阻止

「地獄」と「悦楽」とが表裏一体となった「デスマーチ」の経験
ソフトウェア開発者たちの内罰性


第四章 「人々の社会学」という考え方――逸脱の問題から常識の問題へ 143
社会学というツール
ガーフィンケルと違背実験――エスノメソドロジーという視角
違背実験があぶり出したこと
ソフトウェア開発者たちの「人々の社会学
「カラートラブル」――ガーフィンケルの根本的関心
デスマーチ」をめぐる眼差しの転換


第五章 「あたりまえ」の起源を探る 163
あるベテランエンジニアとのインタビューから 「規律」など一切なかった現場

「革命」の足音とニッチな居場所の確立 174
  思いがけないエンジニアへの転身
  ソフトウェア開発をめぐる「革命」の端緒
  強い「自信」の源泉
  「キャリアの絶頂期」と変化の兆し

二〇〇〇年の分水嶺――業界、X社、そして自分自身
リーマン・ショックと現場の「工場化」
「激動」の物語が示唆すること


第六章 今、「デスマーチ」が問題化していることの意味 211
かつては問題なかった「過酷な労働」
ソフトウェア開発者のライフステージの変化
「仕事」としてのソフトウェア開発
ソフトウェアの大規模化と依存関係の複雑化
企業による管理体制の「逆行」
ものづくりの「亡霊」
死の行進としての問題化


第七章 IT化時代の社会問題としての「デスマーチ」 229
ソフトウェア開発者たちの葛藤の歴史
「あたりまえ」の問い直し
若者たちの声の重要性
ソフトウェア開発者に必要な「能力」とは何か
「人が大切」ということの意味
「エンジニアリング」としてのソフトウェア開発の限界
ソフトウェア開発者はいかにして死の行進へと巻き込まれていくのか


あとがき(二〇一六年 秋 宮地弘子) [247-249]
参考文献 [250-253]





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