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『日本人のための憲法原論』(小室直樹 集英社 2006//2001)

著者:小室 直樹[こむろ・なおき] (1932-2010) 社会学。評論。
NDC:323.01 憲法学.国法学.比較憲法


日本人のための憲法原論 | 集英社インターナショナル 公式サイト


【目次】
まえがき ようこそ『憲法学』の世界へ!――教科書が教えない民主主義と憲法(平成13年(西暦2001年)弥生 小室直樹) [002-004]
目次 [005-012]


第1章 日本国憲法は死んでいる 013
  あなたは護憲派改憲派
  日本国憲法は生きているか
  殺されたワイマール憲法
  憲法とは慣習法である
  アメリ憲法は「欠陥憲法」だった!
  黒人奴隷を持っていた建国の父たち
  ゴールド・ラッシュの恐るべき真相
  アメリカには民主主義がなかった
  なぜ、日本の憲法論議は不毛なのか
  憲法死んで、国滅ぶ


第2章 誰のために憲法はある 035
  法律とは何なのか
  刑法は殺人や窃盗を禁じていない!
  刑法違反ができるのは裁判官だけ
  裁判で裁かれるのは誰か
  「遠山の金さん」は暗黒裁判をしていた
  「有罪率100パーセント」の恐怖
  デュー・プロセスの原則
  なぜ、疑わしきは罰せずなのか
  法務大臣が死刑執行して、どこが悪い?
  言論の自由は、家庭にも職場にもない
  日本人傭兵は憲法違反か
  十七条憲法日本国憲法は、まったく


第3章 すべては議会から始まった 061
  民主主義と憲法とは関係ない!
  国王はいても、国家がなかったヨーロッパ
  奴隷と農奴はどこが違う
  王様は学級委員長
  契約を守るのが「いい家臣」と言われるわけ
  日本の武士に「武士道」はなかった
  中世ヨーロッパ理解の2つのポイント
  王様は中間管理職?
  「永遠の昨日」が支配する中世
  ペストと十字軍が封建領主を没落させた
  国王の新しい「金づる」
  常備軍、現わる
  なぜ教会は堕落していったのか
  議会が誕生した2つの理由
  マグナ・カルタは「反民主主義の憲法
  多数決誕生の意外な舞台裏
  南北戦争で多数決は定着した
  教科書が教えない「憲法」、民主主義


第4章 民主主義は神さまが作った!? 097
  絶対君主、現わる
  かくしてリヴァイアサンは生まれた
  十字架と聖書が怪獣退治をした?
  腐敗しっぱなしだったローマ教会
  世界史を変えた天才
  聖書すら読ませなかったローマ教会
  宗教改革とは原点回帰だった
  近代科学と仏教の共通点
  神はすべてを超越する
  人間は2度死ぬ
  ルールを変えられるのは神様だけ
  善人が救われない理由
  人間の努力も意志も意味がない!
  預言者は「神のラウド・スピーカー」
  神はこうやって現われる
  預言者ほど、つらい仕事はない!
  予定説の恐るべきパワー
  救われる人は、どんな人?
  なぜ、予定説を信じると熱心な信者になるのか
  「新人類」が近代を作った


【コラム】 かくして憲法は誕生した――イギリス憲法小史 134
  イギリスはなぜ議会を産み出したのか
  ジェントリーとヨーマン
  国王と手を組んだ「庶民」
  「議会の中の王」
  混乱するイギリス
  ブラッディ・メアリとの対立
  名君エリザベスが議会を育てた
  王政復古から名誉革命


第5章 民主主義と資本主義は双子だった 143
  人間は便器である!?
  なぜ、神は人を救うのか
  笑止千万「子どもの人権」
  最初に特権ありき
  王様も領主も神の奴隷
  予定説は「革命のすすめ」
  革命を起こした総理大臣の子孫
  民主主義の扉を開いた「人民協約」とは
  パトニーの大論争
  資本主義の起爆剤
  陶朱・掎頓の富
  なぜ、中国やアラブでは資本主義が誕生しなかったか
  資本否定の思想が資本主義を作る
  利息を禁じたキリスト教
  儒教独占禁止法の共通点
  世界の1割を所有したフッガー家
  カルヴァンのルール
  KGBをしのぐ秘密警察
  予定説を信じれば、カネが貯まる
  「天職」の誕生
  働かざる者、食うべからず
  受験勉強とキリスト教
  隣人愛が定価販売を作った
  エートスこそが、すべてのカギ
  資本主義の精神とは
  日本人に民主主義は理解できるか


第6章 はじめに契約ありき 183
  レボリューションと革命の違い
  18世紀を支配した男
  「自然人」と「自然状態」
  社会科学の始まり
  なぜ、経済学は科学になったのか
  王はアダムの子孫である
  革命の哲学
  ロックの論敵はホッブスだった
  人間は人間に対して狼である
  ピヒーモス対リヴァイアサン
  土地フェティシズムとは
  なぜ信長は茶の湯を奨励したか
  私有財産はなぜ神聖なのか
  人民の、人民による、人民のための政府
  契約は守られるのか
  代表なくして課税なし
  ロックが起こした革命
  なぜ、アメリカ人は銃を捨てないか
  なぜ、アメリカ人はロックを信じたのか
  日本国憲法も社会契約説だ
  公約違反は民主主義の敵


第7章 「民主主義のルール」とは何か 223
  英国史上、最高の首相は誰か
  国論を分裂させた穀物
  アイルランド人がイギリス人を憎む、本当の理由
  そして誰もいなくなった
  ディズレーリが作った3つのルール
  日本の民主主義は250年も遅れている
  契約とは言葉である
  「黙って俺について来い」
  なぜ、欧米人は契約を重んじるのか
  聖書を読めば、国際人になれる
  ユダヤ教キリスト教も「契約教」
  約束の地「カナン」
  エジプト脱出
  恐るべきペナルティ
  危機一髪
  イスラエルの懲りない人々
  旧約聖書は「破約の書」
  神との契約を改訂したイエス
  契約に書かれていなければ、何をしてもいい
  タテの契約、ヨコの契約
  なぜ、イスラム教徒は契約を守らないのか
  アッラーは寛大である
  砂上の楼閣ニッポン


第8章 「憲法の敵」は,ここにいる 263
  「デモクラシーは最悪の政治である」
  なぜアメリカ人は自分たちを共和主義者と呼んだのか
  デモクラシーは「禁句」だった
  フランス革命の光と影
  ブルボン王朝を滅ぼした「ユグノーのたたり」
  恐怖政治の本家本元
  ロベスピエールの登場
  「民主主義の敵」を抹殺せよ!
  「結果の平等」と「機会の平等」
  大哲学者はデモクラシーが嫌いだった
  「民主政治とは貧乏人の政治である」
  なぜプラトンアテネを憎んだのか
  共和国を殺した男
  イギリスで貴族が政治を握っていた本当の理由
  カエサルに学んだ天才
  独裁者は何度でも現われる
  民主主義とは独裁者の温床である
  憲法が死ぬと国民は幸福になる
  アメリカ大統領選に隠された知恵珊
  なぜアメリカ大統領は独裁者にならなかったのか
  日本にヒトラーが現われる


第9章 平和主義者が戦争を作る 301
  平和憲法は「神話」だった/これだけある「平和憲法
  第9条の「お手本」
  いい戦争、悪い戦争
  戦争肯定が近代的とされたわけ
  勝者なき第1次大戦
  台頭する平和主義
  憲法第9条自衛戦争を否定しない理由
  平和主義者がヒトラーを産んだ
  別世紀のカエサル、現わる
  ドイツを復興させた経済政策
  ユダヤ人への「質問」
  最も大切な「自由」は何か
  なぜ、独裁政治はいけないのか
  ヴェルサイユ体制への挑戦
  ついにラインラント進駐
  チャーチルだけが気付いていた「危険」
  かくしてフランスの栄光は地に落ちた
  敗北の原因はミュンヘンにあり
  ケネディはなぜキューバ危機を解決できたか
  平和主義と軍備は矛盾しない
  戦争よりも恐ろしい危機


第10章 ヒトラーケインズが20世紀を変えた 339
  経済思想もロックが作った
  「経済は国家とは関係がない」
  神の見えざる御手
  夜警国家とは何か
  歴史始まって以来の大不況
  失業なんて、ありえない
  それでも懲りない古典派の人々
  難解な、あまりにも難解な
  「セイの法則」がすべてのカギ
  需要が供給を作る
  穴を掘っても公共事業
  ケインズ理論の奥義は「波及効果」にあり
  有効需要は雪だるま式に膨らむ
  憲法違反と言われたニュー・ディール政策
  インフレを抑え込んだヒトラー
  ケインズ対古典派の戦い
  ケインズの逆襲
  公共投資に潜む「罠」
  社会主義国・日本
  「ハーベイ・ロードの仮定」
  日本経済復活の条件


第11章 天皇教の原理――大日本帝国憲法を研究する 375
  デモクラシーは「優曇華の花」
  「半主権国家」にされた日本
  文明開化とは何だったのか
  アメリカ教育を真似した明治の日本
  「手本は二宮金次郎
  伝統主義こそ維新の敵
  「天皇の前の平等」
  天皇教は神道にあらず
  日本にも「予定説」はあった!
  天皇教のルーツはどこか
  「神の国」明治日本
  「憲法の奥義」を知っていた伊藤博文
  皇室こそ憲法政治のカギ
  明治憲法は誰との契約か
  拒否権が立憲君主制の分かれ道
  天皇に拒否権はあったか
  「これは朕の戦争ではない!」
  天皇に戦争責任はない
  藩閥政府VS議会
  首相を殺した大演説
  大正デモクラシーは日本の誇り


第12章 角栄死して,憲法も死んだ 413
  デモクラシーを食い殺す怪物
  軍部と戦った代議士たち
  言論の自由は議会から生まれた
  かくして議会は「自殺」
  何が軍部の横暴を許したのか
  議会が独裁者を作る
  「越境将軍」の敗北
  帝国軍人すら恐れた「伝家の宝刀」
  国権の最高機関
  戦争に熱狂した日本人
  「空気」が支配する国
  誰が角栄を殺したのか
  議員立法のレコード・ホルダー
  なぜ日本の議員は法律を作れないのか
  身の毛もよだつ暗黒裁判
  魔女狩りと同じだった角栄の逮捕
  裁判官と検事がグルになる恐怖
  裁判所が憲法違反を行なった!
  反対尋問こそ被告の生命線
  かくして日本国憲法は死んだ


第13章 憲法はよみがえるか 455
  「見えない裁判所」
  無能な独裁者たち
  官僚制の研究
  家産官僚の特徴は「公私混同」
  役人は「法律マシーン」たれ
  日本経済を支配したエリート官僚
  役人の害をどう防ぐか
  なぜ中華帝国は2000年も続いたか
  「最高の官僚は最悪の政治家である」
  もはや日本の運命は決まった
  日本国憲法が民主主義を殺した
  アメリカ人はデモクラシーも資本主義も知らない
  アメリカ民主主義は予定説である
  天皇教は崩壊した
  「平等」の誤解はここに始まる
  真の自由主義とは何か
  「社会の病気」アノミー
  権威がなくなると、秩序は消える
  「父なき社会」だった戦前のドイツ
  戦後日本を襲った急性アノミー
  三島由紀夫の「予言」
  日本復活の処方菱はあるか
  第2の明治維新を!