編者:金水 敏[きんすい・さとし](1956-)
著者:定延 利之[さだのぶ・としゆき](1962-) 言語学・コミュニケーション論。
著者:山口 治彦[やまぐち・はるひこ](1961-) 英語学 (語用論・談話分析)。
著者:恩塚 千代[おんずか・ちよ](1959-) 日本語教育学・音韻論。
著者:鄭 惠先[Jung, Hyeseon](?-) 社会言語学、日韓対照研究。
著者:太田 眞希恵[おおた・まきえ](1968-) NHKディレクター。放送用語の研究。
著者:金田 純平[かねだ・じゅんぺい](1977-) 言語学。音声コミュニケーション。
著者:細川 裕史[ほそかわ・ひろふみ](1979-) 社会言語学、ドイツ語史。
著者:米井 力也[こめい・りきや](1955-2008) 中世日本文学 (キリシタン文学)。
著者:本浜 秀彦[もとはま・ひでひこ](1962-) 比較文学、メディア表象論。
著者:岡崎 友子[おかざき・ともこ](1967-) 日本語史。
著者:南 侑里[みなみ・ゆり](?-) 就実大学人文科学部平成20年度卒業生。
著者:依田 恵美[よだ・めぐみ](1976-) 日本語史
著者:西田 隆政[にしだ・たかまさ](1958-) 日本語史。
著者:富樫純一[とがし・じゅんいち](1971-) 現代日本語文法。
※以下13章掲載の卒業論文の執筆者・要約者。
著者:田中 さつき
著者:小島 千佳
著者:津田 としみ
著者:仲川 有香里
著者:中野 直也
著者:三好 敏子
著者:東 雅人
著者:伊藤 怜菜
要約(13章):岩田 美穂
要約(13章):藤本 真理子
装丁:庄子 結香[しょうじ・ゆうこ] グラフィックデザイナー。カレラ。
イラスト:阿部 伸二[あべ・しんじ]
備考:金水敏[編] 『役割語研究の地平』(くろしお出版、2007年)の続編。
NDC:801.4 言語 >> 言語学 >> 語彙論:位相
NDC:814.9 言語 >> 日本語 >> 語彙 >> 隠語.俗語.階級語.女房詞.遊里語
件名:位相(言語学)
【目次】
目次 [III-IV]
導入[金水 敏] 001
第1部 キャラクタをめぐって
第1章 現代日本語の役割語と発話キャラクタ[金水 敏] 007
1 はじめに
2 子供と大人のキャラクタ――言語獲得との関連――
3 性差と世代
3.1 女ことば
3.2 男ことば
3.3 若者言葉
3.4 老人語
4 方言
5 品位
6 アウトロー
7 外国人の表現・ピジン
8 歴史的キャラクタ
9 人ならざるもの
10 ずらし、臨時的キャラクタ
11 さいごに
付記
参考文献
参照ウェブサイト
第2章 キャラクタは文法をどこまで変えるか?[定延利之] 017
1 はじめに
2 語彙
3 統語法
4 新しい品詞の創出
5 おわりに
付記
第3章 役割語のエコロジー ――他人キャラとコンテクストの関係――[山口治彦] 027
1 はじめに
2 役割語は物語の記号なのか?
2.1 フィクションの記号としての役割語
2.2 フィクションのの語り以外での他人キャラの創出
3 口頭の語りにおける他人キャラの導入
4 対話における他人キャラの導入
5 ネットにおける他人キャラの導入
6 コンテクストと役割語の関係
付記
参考文献
第2部 教育と役割語
第4章 韓国の教科書における役割語の役割 ――「生きた日本語」を教えるバーチャルリアリティ――[恩塚千代] 051
1 はじめに
2 役割語とは
3 教科書における登場人物の無性別化とその問題点
4 テキストとしての教科書、その役割
5 目的別教科書の必要性――真の「生きた日本語」とは――
6 まとめ
参考文献
引用資料
第5章 役割語を主題とした日韓翻訳の実践 ――課題遂行型の翻訳活動を通しての気づきとスキル向上――[鄭 惠先] 071
1 はじめに
2 実践の概要
3 実践1:課題翻訳に対する分析
3.1 どこに気をつけて訳したか――翻訳上の注意点――
3.2 役割語教育がどう生かされたか――学習者のストラテジー――
3.3 討論を通して何に気づいたか――学習者の自己修正――
4 実践2:創作・自主翻訳に対する分析
4.1 地域差に注目した作品例
4.2 性差に注目した作品例
4.3 世代差に注目した作品例
5 実践の成果と今後の課題
参考文献
課題として使用した作品
第3部 外国語と役割語
第6章 ウサイン・ボルトの“ I ”は、なぜ「オレ」と訳されるのか ――スポーツ放送の「役割語」――[太田眞希恵] 093
1 はじめに
2 対象としたデータとテレビ翻訳テロップの文体
2.1 対象としたデータ
2.2 翻訳テロップの典型的な文体と形
3 テレビ・スポーツ放送における役割語
3.1 「スポーツ放送における役割語」の定義
3.2 「役割語」が出るパターン
4 スーパースターの役割語「オレはスーパースターさ 強いんだ」
4.1 男性役割語が多用される〈スーパースター語〉
4.2 〈スーパースター語〉の文体表現
4.3 〈スーパースター語〉の1人称代名詞
4.4 男性性の強調=「強さ」の記号
4.5 ボルト選手の "I" はなぜ「オレ」と訳されるか
4.6 「ぼく」と「おれ」の人物像
5 "女王"の役割語「負ける気がしないわ」
5.1 女王役割語が多用される〈女王語〉
5.2 頂点に立つ"女王"の「強さ」の記号
6 ライバル対決に表れる男性役割語の「攻撃性」
7 "濃いキャラクター性"を際立たせるための役割語
役割語で"親しみキャラ"を表現
8 「です・ます体」の役割語的機能
"思い" "訴え"に似合う「です・ます体」
9 テレビメディアにおける「場面」の重要性――実例と製作者意識調査から――
"興奮" "感情の高ぶり"を伝える役割語の機能
10 おわりに――今後の課題――
付記
引用文献
参考資料
第7章 要素に注目した役割語対照研究 ――「キャラ語尾」は通言語的なりうるか――[金田純平] 127
1 はじめに
2 役割語に関する対照研究に向けて
2.1 全体的特徴と役割語要素
2.2 役割語対照研究
3 役割語研究への通語的視野の導入
3.1 類型論的視座の導入
3.2 役割語要素としての音韻・語彙・文法変種
3.3 人称代名詞
3.4 役割語要素の対照に向けて
4 役割語要素の対照――マンガ・アニメ・ゲームから――
4.1 音韻変種の出現パターン
4.1.1 ケース1:デフォルメと幼児言葉
4.1.2 ケース2:外国人
4.2 特定語彙の使用
4.3 単純形式による文法的破格
4.4 人称代名詞
4.5 まとめ
5 役割語から見た文末詞の対照
5.1 文末詞
5.2 英語・フランス語に見られる文末詞の対照
5.3 発話キャラクタの導入による動的分析:n'est-ce pasとnon
5.4 呼びかけ・罵倒語
5.5 翻訳されるキャラ語尾
5.6 まとめ
6 おわりに
6.1 結論
6.2 Web上の動画等の研究目的使用に伴う問題
付記
参考文献
参考資料
第8章 コミック翻訳を通じた役割語の創造 ――ドイツ語史研究の視点から――[細川裕史] 153
1 役割語の境界
2 社会語用論的語史研究の視点からみた役割語
3 ドイツにおけるコミック翻訳
3.1 ドイツ・コミック市場の変遷
3.2 コミック翻訳に際するスコポスと人工方言
4 人工方言から役割語へ
4.1 〈ローマ人ことば〉および〈侍ことば〉のドイツ語訳
4.2 コミック翻訳を通じた役割語普及の可能性
5 おわりに
付記
用例
参考文献
第4部 さまざまな役割語
第9章 『風の谷のナウシカ』と役割語――映像翻訳論覚書――[米井力也] 173
1 二人の「姫様」
2 『風の谷のナウシカ』における役割語
3 ナウシカとクシャナのちがい
4 役割語としての〈男性語〉
付記
第10章 「沖縄人」表象と役割語――語尾表現「さ」(「さぁ」)から考える――[本浜秀彦] 181
1 はじめに
2 先行研究について
2.1 終助詞「さ」の用法
2.2 沖縄語〔ウチナーグチ〕における語尾表現「さ」の用法
3 本論
3.1 「癒しの物語」の構造分析
3.2 テレビ版「ちゅらさん」における「さ」の使用例
3.3 小説版とマンガ版の「ちゅらさん」における「さ」の使用例
3.4 癒しの物語と「ハッピー・オキナワン」像
参考文献
第11章 役割語としての「幼児語」とその周辺[岡崎友子・南侑里] 195
1 はじめに
2 幼児語の研究とその種類
3 マンガに見られる幼児語について
3.1 語彙的な特徴について
語彙①オノマトペ
語彙②その他
語彙③接頭辞・接尾辞
3.2 音声的な特徴について
音声①省略
音声②置換
音声③付加・倒置
3.3 文法
4 その他、特徴的な幼児について
年齢的にかなり合わないものについて
幼児語(音声②置換)の多用による、他のキャラクタ性の表出
5 表記上の工夫について
6 幼児語の周辺
7 さいごに
追記
調査資料
幼児語資料
甘え語資料
参考文献
第12章 役割語としての片言日本語――西洋人キャラクタを中心に――[依田恵美] 213
1 はじめに
2 役割語としての西洋人の片言
2.1 文法的に崩れた日本語――終助詞「ね」の誤用――
2.2 文法的に崩れた日本語――モーラの挿入、および消去――
2.3 母語の出現
2.4 カタカナ表記――視覚的効果――
2.5 片言要素とその効果
2.6 片言を話さない西洋人
3 西洋人像とその表現――戦前から現代へ――
3.1 西洋人の表現
3.1.1 戦前の西洋人
3.1.2 戦中の片言意識
3.1.3 戦後の西洋人
3.2 西洋人キャラクタと片言――能ある鷹は片言で爪を隠す?
3.2.1 西洋人キャストの日本語をめぐって
3.2.2 片言がもたらすイメージ
3.2.3 片言の役割――イメージと効果――
4 「敬体西洋人」と「常体東洋人」
4.1 東洋人キャラクタの日本語とその背景――ネイティブの目・ことば――
4.2 「常体」「敬体」の使い分けと二次的ステレオタイプ
4.3 東洋でもなく西洋でもない
4.4 まとめ
5 おわりに
付記
調査資料
参考文献
第13章 大阪大学卒業論文より(2002~2010)[金水 敏(他)、岩田美穂・藤本真理子(要約)] 249
1 はじめに[金水 敏]
2 「お嬢様言葉」成立[田中さつき]
3 役割語としての「僕」と「俺」の差異[小島 千佳]
4 母親の呼称の役割語[津田としみ]
5 黒人登場人物の〈田舎ことば〉[仲川 有香里]
6 社会階層に対応する役割語[中野 直也]
7 「おばあさん」の役割語[三好 敏子]
8 〈ヤクザことば〉について[東 雅人]
9 〈お嬢様〉の変容[伊藤怜菜]
第5部 ツンデレをめぐって
第14章 役割語としてのツンデレ表現――「常用性」の有無に着目して――[西田隆政] 265
1 ツンデレとは
2 ツンデレの定義
3 ツンデレ表現の使用例――恋愛(対男性)
4 ツンデレ表現の使用例――友人(対女性)
5 役割語としてのツンデレ表現
6 おわりに
参考文献
参考サイト
第15章 ツンデレ属性における言語表現の特徴――ツンデレ表現ケーススタディ――[冨樫純一] 279
1 問題の所在
2 ツンデレとは何か――概念規定――
2.1 ツンデレ属性
2.2 普及・遡及・波及
2.3 ツンデレとは
3 ツンデレ表現分析――ケーススタディ――
3.1 うっかえ
3.2 「のだから」による言いさし
3.3 「~てあげる」「~てもいい」
4 ツンデレ表現と役割語――今後の課題――
付記
参考文献
Abstract of the Papers [297-309]
索引 [310-316]
著者略歴 [317-319]