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『ポライトネス――言語使用における、ある普遍現象』(Penelope Brown, Stephen C. Levinson[著] 斉藤早智子ほか[訳] 研究社 2011//1987)

原題:Politeness: Some Universals in Language Usage
著者:Penelope Brown(1944-) 
著者:Stephen C. Levinson(1947-) 
寄稿:John Joseph Gumperz(1922-2013) 
監訳:田中 典子[たなか・のりこ](1954-)
訳者:斉藤 早智子[さいとう・さちこ](1957-)
訳者:津留崎 毅[つるさき・たけし] 
訳者:鶴田 庸子[つるた・ようこ](1953-)
訳者:日野 壽憲[ひの・ひさのり] 
訳者:山下 早代子[やました・さよこ] 
装丁:吉崎 克美
件名:ポライトネス (言語学)
NDLC:KE12
NDC:801 言語学
NDC:801.03 言語学
備考:「再刊のための序論」の階層が壊れている。目次ページでのインデントもずれている。


研究社 - 書籍紹介 - ポライトネス ――言語使用におけるある普遍現象



【簡易目次】
再刊のための序論
1.00 序論 
2.00 議論の要旨
3.00 論点:直観的根拠と派生的定義
4.00 モデルの性質について
5.00 言語におけるポライトネス・ストラテジーの現れ
6.00 派生的仮説
7.00 社会学的意味合い
8.00 言語研究への意味合い
9.00 結論




【目次】
Colophon [ii]
献辞 [iii]
監訳者はしがき(2011年6月  東日本大震災からの復興を祈りつつ 田中典子) [v-ix]
日本語版出版によせて(2011年6月 オランダ、ナイメーヘンにて ペネロピブラウン、スティーヴン・C・レヴィンソン) [xi-xvi]
目次 [xvii-xxiii]
記号と略号 [xxiv]
まえがき(ジョン・J・ガンバース) [xxv-xxvi]


再刊のための序論 最近の研究の概観 001
はじめに 001

1.0 一般的枠組み 004
  1.1 Griceの枠組み

2.0 再評価 013
  2.1 いくつかのただし書き
  2.2 詳細な再評価
    2.2.1 「フェイス」という文化的概念
    2.2.2 P、D、R:分析不十分か
    2.2.2 オン・レコードとオフ・レコード、およびポライトネスの序列
  2.3 数量化と操作化の問題
  2.4 言語学的テーマに関する最近の研究
    2.4.1 敬語
    2.4.2 発話行為FTAに関する文化横断的データ
    2.4.3 ポライトネス・ストラテジーのその他の言語的現れ

3.0 諸分野における最近の発展 039
  3.1 言語、力、統制
    3.1.1 女性と言語使用
  3.2 相互作用における言語間。文化間の干渉
    3.2.2 第二言語習得
  3.3 子供の言語とポライトネスの獲得
  3.4 ポライトネス、談話、会話分析
  3.5 儀礼としてのポライトネス
4.0 結論 061
原注 066


1.00 序論 071
  1.1 プロローグ 071
  1.2 問題 073
  1.3 方法 074


2.00 議論の要旨 077 


3.00 論点: 直観的根拠と派生的定義 079
  3.1 想定: 相互行為者の特性 079
    3.1.1 フェイス
    3.1.2 欲求としてのフェイス
    3.1.3 合理性

  3.2 本質的FTA[face-threatening act] 085
    3.2.1 第一の区別:脅かされるフェイスの種類
    3.2.2 第二の区別:Hのフェイスへ脅威 vs. Sのフェイスへの脅威

  3.3 FTA を行うためのストラテジー 089

  3.4 ストラテジーの選択に影響を及ぼす要因 092
    3.4.1 様々な利益:先験的考察
    3.4.2 状況:社会学的変数
      3.4.2.1 FTA の重さの算出
      3.4.2.2 P、D、Rの状況依存性
      3.4.2.3 独立変数としてのP、D、R
      3.4.2.4 P、D、Rの証拠としての曖昧さと明確化
    3.4.3 ストラテジー選択における利益とリスクの重さの見積もりの統合


4.00 モデルの性質について 109
  4.1 他のモデルについての所感 109
  4.2 形式化に向けて 112


5.00 言語におけるポライトネス・ストラテジーの現れ 119
  5.1 はじめに 119

  5.2 オン・レコードであからさまに 124
    5.2.1 フェイス威嚇を縮小しない場合
    5.2.2 「オン・レコードであからさまに」がFTAに向けられる場合

  5.3 ポジティブ・ポライトネス 134
    5.3.1 共通基盤を主張せよ
      ストラテジー1  H(の興味、欲求、ニーズ、 持ち物)に気づき、注意を向けよ
      ストラテジー2 (Hへの興味、賛意、 共感を)誇張せよ
      ストラテジー3 Hへの関心を強調せよ
      ストラテジー4 仲間ウチであることを示す標識を用いよ
        呼びかけ表現
        仲間言葉や方言の使用
        ジャーゴンスラングの使用
      ストラテジー5 一致を求めよ
        無難な話題
        繰り返し
      ストラテジー6 不一致を避けよ
        形だけの同意
        擬似同意(Pseudo-agreement)
        罪のない嘘
        意見にヘッジをかける
      ストラテジー7 共通基盤を想定喚起・主張せよ
        うわさ話、スモールトーク
        視点の操作
          中心人物の転換SからHへ
          時の転換
          場所の転換
          Hの視点への調整の回避
        前提の操作
          Hの願望や態度についての知識を前提にせよ
          Hの価値観がSと同じであることを前提にせよ
          S-Hの親密な関係を前提にせよ
          Hの知識を前提とせよ
      ストラテジー8 冗談を言え

    5.3.2 SHは協力者であることを伝えよ
      ストラテジー 9 SはHの欲求を承知し気づかっていると主張せよ、もしくは、それを前提とせよ
      ストラテジー10 申し出よ、 約束せよ
      ストラテジー11 楽観的であれ
      ストラテジー12 SとH両者を行動に含めよ
      ストラテジー13 理由を述べよ (もしくは尋ねよ)
      ストラテジー14 相互性を想定せよ、もしくは主張せよ

    5.3.3 Hの何らかのXに対する欲求を満たせ
      ストラテジー15 Hに贈り物をせよ(品物、共感、理解、協力)

  5.4 ネガティブ・ポライトネス 178
    5.4.1 直接的であれ
      ストラテジー1 慣習に基づき間接的であれ
        ポライトネス、及び間接発話行為の普遍性
        間接発話行為の表現におけるポライトネスの度合い
    5.4.2 推定/想定するな
      ストラテジー2 質問せよ、ヘッジを用いよ
        発語内効力へのヘッジ
          小辞にコード化されたヘッジ
          副詞節によるヘッジ
        Grice の行動指針に向けられたヘッジ
        ポライトネス・ストラテジーに向けられたヘッジ
        韻律的、動作的ヘッジ
    5.4.3 Hに強要するな
      ストラテジー3 悲観的であれ
      ストラテジー4 負担 R, を最小化せよ
      ストラテジー5 敬意を示せ

    5.4.4 H を侵害したくないというSの欲求を伝えよ
      ストラテジー6 謝罪せよ
        侵害の事実を認めよ
        本意ではないことを示せ
        圧倒的な理由を示せ
        許しを請え
      ストラテジー7 SとHを非人称化せよ
        行為遂行文 (Performatives)
        命令文
        非人称動詞
        受動態と状況態
        代名詞 I と youの不定表現 (indefinites) による置き換え
        代名詞 you I の複数形化
        'you' 回避の呼称
        'I' 回避の言及表現
        距離を置く視点操作
      ストラテジー8 FTAを一般的規則として述べよ
      ストラテジー9 名詞化せよ

    5.4.5 Hの他の欲求を補償せよ
      ストラテジー10 自分が借りを負うこと、相手に借りを負わせないことを、オン・レコードで表せ

  5.5 オフ・レコード 300
    5.5.1 会話による含意を促せ
      ストラテジー1 ヒントを与えよ
      ストラテジー2 連想のための手掛かりを与えよ
      ストラテジー3 前提に語らせよ
      ストラテジー4 控えめに言え
      ストラテジー5 大げさに言え
      ストラテジー6 同語反復を使え
      ストラテジー7 矛盾したことを言え
      ストラテジー8 アイロニーを使え
      ストラテジー9 メタファーを使え
      ストラテジー10 修辞疑問を使え

    5.5.2 曖昧にまたは多義的に言え様式の行動指針に違反せよ
      ストラテジー11 多義的に言え
      ストラテジー12 曖昧に言え
      ストラテジー13 過度に一般化せよ
      ストラテジー14 相手 (H) を置き換えよ
      ストラテジー15 最後まで言うな、省略せよ

  5.6 5.00の結び 325


6.00 派生的仮説 326
  6.1 ストラテジーの利用 326
    6.1.1 R P あるいはDの再序列化の試み
    6.1.2 侮辱するための予想外のストラテジー
  6.2 ストラテジーの混在 330
    6.2.1 相互作用における均衡の微妙さ
    6.2.2 気分

  6.3 FTA と会話構造 332


7.00 社会学的意味合い 341
  7.1 社会理論と相互作用の研究 341
  7.2 社会学への適用 346
    7.2.1 エートス
    7.2.2 ストラテジーの分布 


8.00 言語研究への意味合い 365
  8.1 言語への機能的圧力としてのフェイス欲求 365
    8.1.1 言語理論における機能主義
    8.1.2 構造と語法との関係
    8.1.3 実例
      8.1.3.1 アイロニーの構成(ironic composition)と控えめ表現
      8.1.3.2 語彙の用法
      8.1.3.3 音韻論と韻律
      8.1.3.4 間接発話行為
      8.1.3.5 ヘッジ
      8.1.3.6 非人称化の仕組み
        受動態
        非人称の叙法
      8.1.3.7 敬語

  8.2 社会言語学への影響 397


9.00 結論 402


原注 [405-421]
参考文献 [423-454]
人名索引 [455-460]
事項索引 [460-466]
著訳者紹介 [467-468]






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『わきまえの語用論』(井出祥子 大修館書店 2006)

『語用論の基礎を理解する』(Gunter Senft 石崎雅人, 野呂幾久子 開拓社 2017//2014)