contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『イン/ポライトネス――からまる善意と悪意』(滝浦真人, 椎名美智[編] ひつじ書房 2023)

編者:滝浦 真人
編者:椎名 美智
著者:阿部 公彦
著者:大塚 生子
著者:佐藤 亜美
著者:滝浦 真人
著者:福島 佐江子
著者:柳田 亮吾
装丁:坂野 公一[さかの・こういち](welle design)
件名:ポライトネス(言語学)
件名:善悪
NDC:801 言語学


ひつじ書房 イン/ポライトネス 滝浦真人・椎名美智編


【目次】
目次 [iii-iv]


序論 日本(語)でイン/ポライトネス研究が必要な理由〔わけ〕[滝浦真人] 001
1. 本書の目指すところ 001
  1.1 日本語コミュニケーションにおける「3つの偏重」
  1.2 言語研究の状況は如何に?
  1.3 日本(語)のイン/ポライトネス――各論考の概要
2. “言葉の暴力”をめぐる小考察 013
  2.1 先行する現実の後ろ姿を見ながら
  2.2 悪口のランキング説
  2.3 「過剰般化」の厄介さ
  2.4 事実を“かする”小さな差別的言説に抗して
注/参考文献 022


  ▷Part 1 善意なのか悪意なのか

ママ友の対立場面におけるイン/ポライトネス分析――感情と品行のフェイスワーク[大塚生子] 029
1. はじめに 029
2. イン/ポライトネスと「対立」のコミュニケーション
  2.1 イン/ポライトネスと感情
  2.2 対立場面におけるフェイスと「品行」
3. 談話分析 035
  3.1 分析資料
  3.2 対立の前段階(1A~5A)
  3.3 対立の展開(6B~8B)
  3.4 対立の収束(9A~11B)
4. 対立場面におけるフェイスワークと距離調整のストラテジー 042
  4.1 対立場面における悪意の隠匿
  4.2 距離調整のストラテジー
    4.2.1 関西弁――共通語使用について
    4.2.2 常体使用
    4.2.3 敬体使用
    4.2.4 記号・絵文字等の使用
  4.3 スピーチレベル/スタイル・シフト
5. おわりに 053
謝辞/注/参考文献 055


バラエティ番組における毒舌トーク――擬似インポライトネスの観点から[佐藤亜美] 061
1. はじめに 061
2. イン/ポライトネスから見た毒舌トーク 063
  2.1 毒舌とFTA――インポライトな言語形式
  2.2 インポライトネスの判断――聞き手の視点と文脈
  2.3 毒舌と笑い――ポライトな機能
  2.4 疑似インポライトネス[mock impoliteness]
3. 調査方法 070
  3.1 言語データ
  3.2 分析方法と問い
  3.3 ラポールマネジメント(RM)
4. 分析結果 074
  4.1 ビートたけしの毒舌トーク――「ソーシャルディスタンス」
    4.1.1 なぜ疑似インポライトネスか
    4.1.2 RMストラテジーとして――相互作用の目標の管理
  4.2 有吉弘行の毒舌トーク――「楽天敗戦後のミニライブ」
    4.2.1 なぜ疑似インポライトネスか
    4.2.2 RMストラテジーとして――交際の権利の管理
  4.3 マツコ・デラックスの毒舌トーク――「クリームパンは人気がない?」
    4.3.1 なぜ疑似インポライトネスか
    4.3.2 RMストラテジーとして――FTAバランス探究行動
  4.4 坂上忍の毒舌トーク――「横粂ゼミ」
    4.4.1 なぜ疑似インポライトネスか
    4.4.2 RMストラテジーとして――相互作用の目標の達成
5. 考察 092
  5.1 毒舌はどのような言語行為か
    5.1.1 RQ1についての考察(1) ――フレームの形成
    5.1.2 RQ1についての考察(2) ――フェイス・ワーク
    5.1.3 RQ1についての考察(3) ――毒舌によるラポール維持
6. まとめ――今後の調査課題 095
謝辞/注/参考文献 097


身体の政治・ジェンダー・イン/ポライトネス[柳田亮吾] 103
1. はじめに 103
2. イン/ポライトネス研究 104
  2.1 イン/ポライトネスへの談話的アプローチ
  2.2 イン/ポライトネスとジェンダー
3. 身体の政治とイン/ポライトネス 110
  3.1 身体に対する「揶揄」
  3.2 身体に対する「褒め」
    3.2.1 「褒め」か「嫌味」か
    3.2.2 身体評価は適切か不適切か
  3.3 考察
4. おわりに 125
謝辞/注/参考文献 126


  ▷回顧と展望
気配りから見るイン/ポライトネス研究[福島佐江子] 133
1. はじめに 133
2. イン/ポライトネス研究 134
3. 気配り 137
  3.1 気配り
  3.2 気配り
  3.3 気配り
  3.4 気配り
4. 気配りの評価 142
  4.1 評価
  4.2 異文化間の気配り評価
    4.2.1 文化
    4.2.2 日英瑞西の気配り評価
    4.2.3 日英の気配り評価
    4.2.4 日米の気配り評価
    4.2.5 日台の気配り評価
5. おわりに 151
謝辞/注/参考文献 153


  ▷Part 2 イン/ポライトネスの宝庫・文学

意地を張りあう人びと――『明暗』におけるイン/ポライトネス[阿部公彦・椎名美智・滝浦真人] 165
1. はじめに 165
2. 「対決小説」としての『明暗』 166
  2.1 『明暗』のストーリー
  2.2 会話における三つのポイント
  2.3 登場人物たちの対決場面
3. 3人のバトル場面 169
  3.1 「津田 対 妻・お延」の対決
  3.2 「津田 対 妹・お秀」の対決
  3.3 「お秀 対 お延」の対決
  3.4 「津田 対 」妻・お延の対決
  3.5 「お秀 対 津田夫婦」の対決
4. 会話の応酬の奥にある丁寧さの作法 190
5. おわりに 192
注/参考文献 195


悪態をつく人びと――シェイクスピア時代のコメディを分析する[椎名美智] 197
1. はじめに 197
2. リサーチ・クエスチョン 199
3. 書記近代期の呼称――2人称代名詞と呼びかけ語 201
4. 量的分析 203
  4.1 親愛語と卑語の語彙構成の比較――RQ1 どのようなインポライトな呼びかけ語が使われていたのか?
  4.2 卑語・親愛語が使われる相互行為の比較――RQ2 インポライトな呼びかけ語はどのような相互行為で使われていたのか?
  4.3 量的分析のまとめ
5. 質的分析 215
  5.1 親愛語と卑語の用法の比較――RQ3 インポライトな呼びかけ語の語用論的役割は何なのか?
  5.2 卑語ではない呼びかけ語のインポライトな用法
  5.3 質的分析のまとめ
6. 結論――RQ4 インポライトな呼びかけ語はなぜ多様性に富むのか? 225
注/参考文献 228


ポライトネス理論と文学研究をつなぐ――志賀直哉「灰色の月」の「無愛想」の戦略[阿部公彦] 231
1. ポライトネスと文学の接点 231
2. 話し言葉と書き言葉の狭間 234
3. 志賀直哉「灰色の月」における「拒絶」の身振り 237
4. 「私」が自己紹介をしないのは失礼なのか? 242
5. 時に抗う「後悔」のジェスチャー 249
6. 結び 252
注/参考文献 258


編者あとがき(2023年3月 編者 椎名美智) [255-258]
索引 [259-265]
執筆者紹介 [266-267]



【関連記事】
・Brown and Levinson (1987)の邦訳。そこそこ大部。
『ポライトネス――言語使用における、ある普遍現象』(Penelope Brown, Stephen C. Levinson[著] 斉藤早智子ほか[訳] 研究社 2011//1987) - contents memorandum はてな

Culpeper (1996) は、まだ翻訳されていない。