著者:岡本 浩一[おかもと・こういち] (1955-) 社会心理学、リスク心理学。
件名:学習法
NDC:141.3 普通心理学.心理各論 >> 学習.記憶
【目次】
はじめに(岡本浩一) [003-005]
目次 [007-016]
第一章 能力主義と上達の法則
1……上達のすすめ 018
上達することの意味
変化についてこられる人
ゼロサム時代のアイデンティティ
正しい努力の方向
上達を知るということ
余技の上達と複線型生き方
上達のイメージ
上級者と中級者の質的な差
見え方が変わる
上級者の自信と安定感
若い人なら
新社会人なら
社会人まっただなかの人達なら
定年が視野に入った人なら
定年後の人なら
2……できることから始めよう――初心者から中級者へのステップ 044
まず始めてみる
入門書を読む
ワクワクする瞬間
「刺激が心に訴えかけてくる」現象
頻度を決める
学習の場を決める
自分の得意をみつける
得意を決めるプロセスの大切
第二章 上達と記憶のしくみ
1………「できる人」の記憶の構造 058
上級者になれる人、中級者のままで終わる人
記憶する能力の違い
「宣言型知識」と「手続き型知識」
アイコニックメモリ、ワーキングメモリ、長期記憶
技能に上達した状態
2……記憶と認知のキーワード――スキーマを理解する 067
上級者はスキーマがすぐれている
上級者はスキーマ依存的エラーをおかす
上級者はコーディング能力が高い
上級者はチャンクが大きい
上級者は分節認知の柔軟性が高い
第三章 上達した人はどこが違うのか
1……持続力、集中力が高まる 080
上級者のほうが退屈しにくい
上級者のほうが疲労しにくい
自我関与が高く、価値観を持っている
2……特異な才能が光る 084
上級者は「ながら」ができる
上級者は移調作業ができる
復元仮定作業ができる
技能のコツを言葉(メタファ)で表現できる
「暗算」ができる
全体的な概算や急所の把握が正確である
異質な次元どうしの換算式を持っている
直接役に立たないような知識まで持っている
一見無関係なことからヒントを得る
3……イメージやこだわりが鮮明になる 100
上級者のほうが細部へのこだわりがある
自分なりの「美観」を持っている
イメージが発生する
勘が働く
上級者は鑑賞のツボをはずさない
負けや失敗をいやがり強くくやしがる
4……他者を見る眼が変わる 110
他者の技能を見るのを楽しむ
細かな手がかりから他者評価ができる
他者の評価が早くでき、評価が明瞭である
上級者の他者への評価は安定している
他者への評価をすぐに表に出さない
間接的な手がかりによる技能判断が安定している
他者の観察態度を見て、その人の技量を推測できる
他者の個性に敏感で、模倣もできる
5……自分を正確に認識できる 121
上級者はクセが少ない
欠点も含めて自分の個性を認識している
練習方法が工夫できる
中級者や初級者からも学ぶことができる
上位者に敬意を持っている
人格的な安定感がある
第四章 上達の方法論――中級者から上級者になるステップ
1……鳥瞰的認知を高める 132
得意なものにこだわるメリット
ノー卜をとる
概論書を読む
2……理論的思考を身につける 142
理論書を読む
未熟だからこそ理論が必要
理論書を読んで弁別力を高める
3……精密に学ぶ 147
ひとつのものを深める
対象を変えて精密練習を繰り返す
精密練習で要求水準が高まる
深い模倣や暗唱をする
4……イメージ能力を高める 158
イメージ能力を大きくするトレーニング
他者を見て感情移入する
よい作品を見る
5……達人の技に学ぶ 163
達人のスキーマにふれる
達人と直接会う、話す
達人のエラーに学ぶ
6……広域コードと知識を拡大する 168
他者の個性を記述してみる
広域的知識を獲得する
類似の他のスクールや技能について関心を持つ
歴史的経緯を知る
辞書を買う
第五章 スランプの構造と対策
スランプの種類
1……心理的・生理的飽和の場合 181
「飽きた」「疲れた」という心理的状態
感覚欲求テスト
2……プラトーによるスランプ 185
停滞期・プラトーの状態
知識の整理
技能の安定化
技能とコードの連合の密接化
チャンク容量の増大
コードシステムの高度化
後退しなければ前進している
3……スキーマと技能のギャップ 196
スキーマと個別技能のギャップ
スキーマに技能を合わせる
技能にスキーマを合わせる
精密訓練反復とスランプ
4……評価スキーマと技能のギャップ 203
自分の鑑賞眼と技能のギャップ
スランプと上達の法則
第六章 上級者になる特訓法
1……上達を極める肋のステップ 208
(1) 反復練習をする
(2) 評論を読む
(3) 感情移入をする
(4) 大量の暗記暗唱をしてみる
(5) マラソン的な鍛錬をする
(6) 少し高い買い物をする
(7) 独自の訓練方法を考える
(8) 特殊な訓練法を着想するプロセス
(9) 独自の訓練から基本訓練に立ち返る
(10) なにもしない時期を活かす
おわりに(平成十四年五月 岡本浩一) [229-235]