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『現代英語教授法総覧』(田崎清忠[編] 大修館書店 1995)

責任編集:田崎 清忠(1930-)
編集コーディネーター:佐野 富士子
NDC:830.7 英語教育 

 

現代英語教授法総覧

現代英語教授法総覧

 

 


【主要目次】
0. 概観[佐野富士子] 009
1. Direct Methods(直接教授法)[永森忠治] 017
2. The Oral Method(オーラル・メソッド)[佐藤秀志] 025
3. Graded Direct Method(GDM)[山田初裕] 044
4. The Army Specialized Training Program(ASTP)[田中順張] 054
5. The Oral Approach(オーラル・アプローチ)[佐野富士子] 059
6. Transformational Generative Grammar(変形生成文法)[大場昌也・高橋邦年] 070
7. Cognitive Code Learning(認知学習理論)[南村俊夫] 082
8. The Silent Way(サイレントウェイ)[アラード房子] 091
9. Community Language Learning(コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)[横溝紳一郎] 105
10. Humanistic Approach(人間中心の外国語教育)[縫部義憲] 116
11. Suggestopedia(サジェストペディア)[野澤和典] 128
12. The Comprehension Approach(聴解アプローチ)[高梨 庸] 143
13. Total Physical Response Approach(TPR)[野田哲雄] 153
14. The Natural approach(ナチュラル・アプローチ)[佐野富士子] 162
15. The Input Hypothesis(インプット理論)[渡辺時夫] 181
16. Bilingual Education(バイリンガル教育)[山本雅代] 197
17. Drama Method(ドラマ的指導法)[佐野正之] 209
18. Jazz Chants(ジャズ・チャンツ)[瀬川俊一] 215
19. Notional/Functional Approach(概念・機能的アプローチ)[岡 秀夫] 221
20. English for Spesific Purposes(ESP) [橋内 武] 233
21. Communicative Language Teaching(コミュニカティブ・ティーチング)[高橋貞雄] 244
22. Learner-Centered Approach(学習者中心のアプローチ)[橋内 武] 264
23. Integrated Approach(統合的教授法)[島岡 丘] 275
24. Interactive approach(インターアクティブ・アプローチ)[高島英幸] 280
25. Content-Based Approach(コンテント・アプローチ)[塩川春彦] 296
26. Task-Based Language Teaching(TBLT)[土井利幸] 305
27. Computer-Assisted Instruction(コンピュータ利用の外国語教育) [高橋秀夫・椎名紀久子]317
28. Whole Language(ホール・ランゲージ)[川口幸宏] 327

 

【執筆者一覧】

>※巻末の執筆者略歴欄から抜粋したもの。
佐野富士子(編集コーディネーター) 横浜国立大学教授(第二言語習得理論・英語教育学)
[主な著訳書] 1.『SLA研究と外国語教育』(共編著)(リーベル出版),2. 『第二言語習得―― SLA研究と外国語教育』(共編著)(大修館),3. 『インプット理論の授業』(共著)(三省堂

永森忠治 元 洗足学園短期大学教授(英語教育法・比較文化
[主な著訳書] 1. 『英語指導プログラム』(共著)〈指導プログラム事典シリーズ〉(学習研究社),2. 『オックスフォード英和イラスト大辞典』〈全8巻〉(共訳)(ベネッセ)

佐藤秀 元 関西外国語大学教授(英語教育学)
[主な著訳書]1. 『英語授業の診断』(開隆堂),2. 『英語教育の常識』(中教出版),3. 英文科学生必携ハンドブック』(共著)(研究社)

山田初裕 元 G. D. M. 英語教授法研究会員(Semantics)
[主な著訳書] 1. 『ベーシック先生の自己発信する新英語術』(共著)(リック出版),2. 『ベーシック先生の基本動詞でこれだけ言える英語術』(共著)(松柏社),3. 『使える英語』(共著)(日本実業出版社

田中順張 元 松蔭女子大学教授(時事英語・国際関係論・批評文学)
[主な著訳書] 1. 『米国の正義』(南雲堂),2. 『Readers Plus 辞書』(研究社),3. 『実例英文タイプライティング』(南雲堂)

大場昌也 金沢学院大学教授(英語教育学・応用言語学
[主な著訳書]1. 『これからの英文法』(ジャパンタイムズ),2. 『英語表現文例辞典 色編』(ジャパンタイムズ),3. 『ニュープロシード和英辞典』(ベネッセ)

高橋邦年 横浜国立大学教授(英語学)
[主な著訳書] 1. 『現代英語の諸相』(共著)(オセアニア出版社),2. 「Gapping and factivity」 (Studies in Language vol. 4),3. 「Constructionally presentational sentences」 (Lingua vol. 86)

南村俊夫 広島文教女子大学教授(英語教育学)
[主な著訳書] 1. 『英語指導法ハンドブック② 授業類型編』(共著)(大修館),2. 『英語指導法ハンドブック⑤ 英文用例編』(共著)(大修館)

アラード房子 元 語学文化協会代表(英語教育学)
[主な著訳書] 1. 『日本語教授法ワークショップ』(共著)(凡人社),2. 「学びのしくみ」(『学校教育」1998年4-6月号),3. 「Learning Japanese the Silent Way」(論文,共著,JALT Journal Vol. 20, No. 2 所収)

横溝紳一郎 佐賀大学教授(日本語教育学)
[主な著訳書] 1. 『日本語教授法ワークショップ』(共著)(凡人社),2. 『ドリルの鉄人:コミュニカティブなドリルからロールプレイヘ』(アルク),3. 「発話矯正:コミュニティ・ランゲージ・ラーニングの理論の応用」(論文,共著,JALT Journal Vol. 20, No. 2 所収)

縫部義憲 広島大学大学院名誉教授(英語教育学・日本語教育学)
[主な著訳書] 1. 『人間中心の英語教育』(ニューベリハウス),2. 『日本語教育学入門』(創拓社),3. 『日本語授業学入門』(瀝々社)

野澤和典 立命館大学教授(応用言語学・異文化コミュニケーション)
[主な著訳書] 1. 『コンピュータ利用の外国語教育―― CAIの動向と実践』(共編)(英潮社),2. 『The Pickled Plum and the Japanese Sword: Japanese Wisdom Exemplified in History』(単訳)(Japan International Cultural Exchange Foundation),3. 『Soichiro Honda ―― The Endless Racer』(単訳)(Japan International Cultural Exchange Foundation)

高梨庸雄 弘前大学名誉教授(英語教育学)
[主な著訳害]1. 『英語リーディング指導の基礎』(研究社出版),2. 『教室英語活用辞典』(共編)(研究社出版),3. 『英語教育学概論』(金星堂)

野田哲 東京学芸大学名誉教授(英語教育学)
[主な著訳害] 1. 『ヒアリングに強くなる100コース』(英文朝日),2. 『現代英語音声学』(共著)(英潮社),3. 『現代英語教育の理論と実践』(共著)(聖文社)

渡辺時夫 清泉女学院大学名誉教授(英語教育学)
[主な著訳書] 1. 『創造力に取り組む英語教育』(桐原書店),2. 『インプット理論の授業』(共著)(三省堂),3. 『英語教育のスタイル』(共訳)(研究社)

山本雅代 関西学院大学教授(バイリンガリズム
[主な著訳書]1. 『バイリンガル』(大修館),2. 『バイリンガルはどのようにして言語を習得するのか』(明石書店),3. 『日本のバイリンガリズム』(共著)(研究社出版

佐野正之 横浜国立大学名誉教授(英語科教育法)
[主な著訳書] 1. 『アクション・リサーチのすすめ』(大修館),2. 『英語劇指導マニュアル』(玉川大学出版部),3. 『異文化理解のストラテジー』(共著)(大修館)

瀬川俊一 京都府立大学名誉教授(英語教育学・英語学)
[主な著訳書] 1.『大修館英語学事典』(共著)(大修館),2. 『英語教育現代キーワード事典』(共著)(増進堂),3. 『東西文化の架け橋となった人たち』(ニューカレント・インターナショナル社)

岡 秀夫 目白大学教授(英語教育学・バイリンガリズム
[主な著訳書] 1. 『英語のスピーキング』(編集)(大修館),2. 『第二言語習得に基づく最新の英語教育』(共著)(大修館),3. 『バイリンガル教育と第二言語習得』(訳,編)(大修館書店)

橋内 武 桃山学院大学教授(応用言語学・社会言語学・談話分析)
[主な著訳書] 1. 『パラグラフ・ライティング入門』(研究社出版),2. 『言語学の潮流』(共著)(勁草書房),3. 談話分析の基礎と応用(『現代英語教育』連載,1996年4月号~1998年3月号,全24回)

高橋貞雄 玉川大学教授(英語教育学・応用言語学
[主な著訳書] 1. 『応用言語学用語辞典』(共訳)(南雲堂),2. 『外国語の教え方』(共訳)(玉川大学出版部),3. 中・高検定教科書(New Crown, Dream-Maker English Writing)

島岡 丘 聖徳大学教授(英語音声学・英語教育学)
[主な著訳書] 1. 『英語学と英語教育〈英語学大系12〉』(共著)(大修館),2. 『統合的外国語教授法』(共著)(大修館),3. 『語源で覚える英単語飛躍増殖辞典』(創拓社)

高島英幸 東京外国語大学教授(英語教育学)
[主な著訳書] 1. 『コミュニケーションにつながる文法指導』(編著)(大修館書店),2. 『英語授業Q&A』(共著)(中教出版),3. 『これからの英語教育』(共著)(東京書籍)

塩川春彦 帝京科学大学教授(英語教育学)
[主な著訳書] 1. 『The Real World ――世界を読む』(桐原書店),2. 『インプット理論の授業』(共著)(三省堂),3. 「Acquiring English Grammar in a Discussion-based Classroom: Comparing the Effectiveness of Two Instructional Approaches」(論文,全国英語教育学会紀要『ARELE』vol. 6 所収)

土井利幸 元福岡女学院大学助教授(社会言語学
[主な著訳書]「タスク授業と日本語教育」(論文,『福岡女学院大学紀要』4 所収)

高橋秀夫 千葉大学教授(英語教育学・CAIシステム開発
[主な著訳書] 1. 「ヒアリングの理論と指導に関する基礎的研究」(論文,共著,Language Laboratory, No.25所収) ,2. 「Development of Courseware for Effectively Teaching Listening Comprehension to Japanese Students of English」(論文,共著,The Proceedings of Second International Conference on Foreign Language Education and Technology 所収),3. 「ヒアリング指導の効果を高めるCAIシステムの開発」(論文,共著,Language Laboratory, No.29 所収)  

椎名紀久子 千葉大学教授(英語教育学・教材開発)
[主な著訳書] 1. 「英語長文聴解力養成のためのコースウェアの作成とその評価」(論文,共著,『千葉大学教育学部研究紀要』第39号所収),2. 「Development of Courseware for Effectively Teaching Listening Comprehension to Japanese Students of English」(論文,共著,The Proceedings of Second International Conference on Foreign Language Education and Technology 所収),3. 「3段階方式の指導法による音声形式聞き取り力の養成」(論文,共著,『言語行動の研究』第3号(千葉大学英語学・言語行動研究会)所収)

川口幸宏 学習院大学教授(教育学)
[主な著訳書] 1. 『教師像の探究』(教育史料出版会 1986),2. 『生活綴方研究』(白石書店 1980),3. 『新教育学講義』(八千代出版 1995)

 

 

 

【目次】
はしがき(責任編集者 田崎清忠 ) [003-004]
目次 [005-007]


0. 概観[佐野富士子] 009
直接指導法
言語の体系化と口頭による作業
行動主義と構造言語学
生得説
普遍文法
第二言語習得理論
ニーズ分析とコミュニケーション能力
言語を使った課題(タスク)の達成
教授法の概念
参考文献一覧


1. Direct Methods(直接教授法)[永森忠治] 017
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論と教授過程
4.批判と限界
5.教育現場への応用と今後の展開予想
参考文献


2. The Oral Method(オーラル・メソッド)[佐藤秀志] 025
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論
4. 教授過程
5. 術的特徴:Oral IntroductionとTest Questions
6.The Oral Methodの長所と短所
7.教育現場の実践例
8.今後の展開予想
参考文献


3. Graded Direct Method(GDM)[山田初裕] 044
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論
4.特徴と比較
5.教育現場への応用――実践例
6.今後の展開予想
参考文献


4. The Army Specialized Training Program(ASTP)[田中順張] 054
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論
  (1) Approach 
  (2) Procedure 
4.特徴と批判
5.教育現場への応用――実践例
6.今後の展望
参考文献


5. The Oral Approach(オーラル・アプローチ)[佐野富士子] 059
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論 
  (1) 指導理念 
  (2) 指導体系 
  (3) 指導過程 
4.特徴と批判
5.教育現場への応用
6.今後の展開予想
参考文献


6. Transformational Generative Grammar(変形生成文法)[大場昌也・高橋邦年] 070
1.基本理念
2.歴史的背景
3.生成文法理論
  (1) 理論の変遷 
  (2) 文生成の実例 
4.教育現場への応用
  (1) 初期理論期 
  (2) 標準理論期 
  (3) 拡大標準理論以降期 
5.今後の展開予想
参考文献


7. Cognitive Code Learning(認知学習理論)[南村俊夫] 082
1.基本理念
2.歴史的背景
  (1) CC-L理論に至るまで 
  (2) A-LH理論への挑戦 
  (3) CC-L理論の形成 
3.教授理論
  (1) 言語理論 
  (2) 指導過程 
4.特徴と批判
5.教育現場への応用
6.今後の展開予想
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues


8. The Silent Way(サイレントウェイ)[アラード房子] 091
1.基本理念
2.歴史的背景と普及の現状
3.教授理論
  (1) 指導理念 
  (2) 教材とその使用
  (3) 教室における行動 
4.特徴と批判
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Others
  (4) Materials


9. Community Language Learning(コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)[横溝紳一郎] 105
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論
  (1) Approach 
  (2) Design
  (3) Procedure 
4.特徴と批判(留意点,限界)
5.教育現場への応用
6.今後の展開予想
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues


10. Humanistic Approach(人間中心の外国語教育)[縫部義憲] 116
1.基本理念 116
2.歴史的背景 116
3.教授理論 117
  (1) 基礎理論 
  (2) カリキュラム・デザイン 
  (3) 教授原則・指導法 
4.教育現場への応用と今後の展開 124
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues
  (4) Materials


11. Suggestopedia(サジェストペディア)[野澤和典] 128
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論
  (1) 暗示の役割 
  (2) 暗示的手段 
  (3) SPの教授原理 
  (4) SPの教授手段 
4.特徴と批判
5.指導の手順
6.今後の展開予想
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues
  (4) Materials
  (5) Other works cited
参考資料:サジェストペディアと関連した他の研究


12. The Comprehension Approach(聴解アプローチ)[高梨 庸] 143
1.基本理念
2.歴史的背景
  (1) 単一メソッドの衰退 
  (2) 言語習得研究の発達 
  (3) Output主導型指導法の限界 
  (4) 教授学習過程と言語習得 
3.教授理論
  (1) Approach(基本理念) 
  (2) Design(指導体系) 
  (3) Procedure(指導過程) 
4.特徴と批判(留意点,限界)
5.教育現場への応用――実践例と今後の展開予想
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Other works cited


13. Total Physical Response Approach(TPR)[野田哲雄] 153
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論
  (1) Approach(言語,言語学習に関する理論)
  (2) Design(目標,シラバス,言語活動のタイプ,教材,教師・学習者の役割)
  (3) Procedure(実践にあたっての技術面,教室における行動)
4.特徴と批判
5.教育現場への応用教材)
6.今後の展開予想
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Materials
  (4) 実演映画


14. The Natural approach(ナチュラル・アプローチ)[佐野富士子] 162
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
  (1) 指導理念 
  (2) 指導体系 
  (3) 指導過程
4.特徴と批判(留意点,限界) 
5.教育現場への応用 
  (1) 小学校でのimmersion program 
  (2) コミュニケーション活動 
  (3) リーディングの指導 
  (4) 関心,意欲,態度 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues
  (4) Materials
  (5) Other works cited


15. The Input Hypothesis(インプット理論)―― MERRIER Approach のすすめ[渡辺時夫] 181
1.理論的背景 
2.インプット理論の概要(特にOral Approach との対比において) 
  (1) Oral Approachとその問題点 
  (2) インプット理論の概要 
3.インプット理論の応用 
  (1) MERRIER Approach のすすめ 
  (2) Interaction の工夫(listeningに集中させるために) 
4.インプット理論に対する批判(結語に替えて) 
参考文献 
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading


16. Bilingual Education(バイリンガル教育)[山本雅代] 197
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
  (1) 背景理論 
  (2) プログラムの内容および実践 
    1) 過渡的措置としてのバイリンガル教育(Transitional Bilingual Education=TBE)
    2) L1・L2の配分 
    3) 教師 
4.特徴と比較 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues


17. Drama Method(ドラマ的指導法)[佐野正之] 209
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
 ① Dailogueを中心にした活動
 ② オープン・エンドのシナリオ(open-ended scenario)や社会的ドラマ(sociodrama)の活動
 ③ 上演をめざす活動
 ④ 演技のエクササイズを中心とした活動
4.特徴と批判 
5.今後の展開予想 
参考文献 
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Source books


18. Jazz Chants(ジャズ・チャンツ)[瀬川俊一] 215
1.基本理念 
2.歴史的背景(提唱者) 
3.教授理論 
  (1) Approach 
  (2) Design
  (3) Procedure 
4.特徴と批判 
5.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Materials


19. Notional/Functional Approach(概念・機能的アプローチ)[岡 秀夫] 221
1.基本理念
2.歴史的背景
3.教授理論
  (1) Approach 
  (2) Design
  (3) Procedure 
4.特徴と批判
5.教育現場への応用
6.今後の展開予想
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues
  (4) Materials


20. English for Specific Purposes(ESP) [橋内 武] 233
1.名称と基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
  (1) Approachch(言語・言語学習に関する理論)
  (2) Designign(目標,シラバス,言語活動のタイプ,教材,教師と学習者の役割)
  (3) Procedure  
4.特徴と批判(留意点と限界) 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading and critical issues
  (3) Materials


21. Communicative Language Teaching(コミュニカティブ・ティーチング)[高橋貞雄] 244
1.基本理念 
2.歴史的な背景 
3.教授理論 
  (1) Approach 
  (2) Design
  (3) Procedure 
4.特徴と批判 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues
  (4) Materials


22. Learner-Centered Approach(学習者中心のアプローチ)[橋内 武] 264
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
  (1) Approachch(言語と言語学習に関する理論)
  (2) Designign(目標,シラバス,言語活動のタイプ,教材,教師・学習者の役割)
  (3) Procedureure(実践に当っての技術面,教室における行動) 
4.特徴と批判 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading and critical issues
  (3) Resource book


23. Integrated Approach(統合的教授法)[島岡 丘] 275
1.定義と種類 
2.歴史的背景 
3.統合的アプローチとホール・ランケージ
4.J. Dennisの統合的教授法の考え方 
5.統合的教授法の導入について
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading


24. Interactive approach(インターアクティブ・アプローチ)[高島英幸] 280
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
  (1) Approach 
  (2) Design
  (3) Procedure 
4.特徴と留意点 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Materials


25. Content-Based Approach(コンテント・アプローチ)[塩川春彦] 296
1.基本理念 
2.歴史的背景 
  (1) Content-BasedApproachの萌芽 
  (2) content subject(内容教科)とskill subject(技能教科)
  (3) Language Across the Curriculum 
3.教授理論  
  (1) Approach(理論的基礎) 
  (2) 5つのモデルと授業過程および評価
4.特徴と批判 
  (1) 特徴 
  (2) 批判 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Materials


26. Task-Based Language Teaching(TBLT)[土井利幸] 305
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
  (1) Approach 
  (2) Design
  (3) Procedure 
4.特徴と批判 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues
  (4) Materials
  (5) Other works cited


27. Computer-Assisted Instruction(コンピュータ利用の外国語教育)[高橋秀夫・椎名紀久子]317
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
4.特徴と批判 
5.教育現場への応用 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading
  (3) Critical issues


28. Whole Language(ホール・ランゲージ)[川口幸宏] 327
1.基本理念 
2.歴史的背景 
3.教授理論 
  (1) Approach 
  (2) Design
  (3) Procedure 
4.特徴と批判 
5.教育現場への応用――実践例,日本での研究グループ 
6.今後の展開予想 
参考文献
  (1) Required reading
  (2) Suggested reading


Glossary [333-353]
英語索引 [355-360]
日本語索引 [361-365]
人名索引 [366-369]
編著者一覧 [370-373] 

 

 

 

 

【抜き書き】

・第0章の冒頭からすこし抜粋。

 

  0. 概観 [佐野富士子]

 外国語教授法の流れを見るとき,いつの時代でも,より効果的な方法を求めて修正がなされてきた。ただ単に目標言語に接触させていた時代から,科学的な知識に基づいた指導法が編み出される時代に変わり,その根拠とする理論も言語学から応用言語学,心理言語学,社会言語学など関連諸科学に及んでいる。例えば,文法の指導に対する考え方も,文法規則を教えれば言語を正しく使用できるようになると信じられていた時代から文法軽視の時代へと変わり,さらに科学的文法を導入した指導法の重視へと価値観の基準が振り子のように時代とともに両極の間を揺れてきている。

直接指導法
 目標言語を母語とする人が直接口移しで言語を教える方法は古くから行われてきたが,19世紀末から20世紀初頭にかけてGouinやBerlitzらが文法訳読式に対する批判として独自の教授法を編み出した。学習者の母語を介さずに目標言語を直接理解することを目指したため,子供が母語を覚えるのと同じ順に,聞いて理解する,話す,読む,書くの順に教えられ,つとめて自然な状況で言語に触れるようにされた。
 しかし,教師は母語話者と同じくらいに目標言語に堪能であることが条件であるので,教員の確保が困難であった。学習者にとっては,文法を帰納的に学習するのでわからない部分が残ることのデメリットも出てきた。また母語話者に比べて圧倒的に接触量が少ない外国人に対して,母語話者と同じ方法をとることに疑念を持つ人も決して少なくなかった。

 

   〔……〕 

 

 

普遍文法
 1970年代後半からChomsky派はその説を普遍文法へと発展させ,それが言語教育の分野にも応用されるようになった。人間の脳には普遍的な文法が生得的に備わっているので,個別言語の能力をつけるには目標言語に特有なパラメーターをリセットすることが重要である,と主張した。インプットをたくさん与えることが指導の中心であるとする説とは異なり,言語を生み出すためにパラメーターをリセットすることが指導の中心であって,インプットはそのきっかけとしての役割にすぎないと考えた。

第二言語習得理論
 1970年代になると第二言語を習得する過程が研究されるようになり,理解,とくに聴解を中心とする指導法が現れるようになった。これらは変形生成文法と同じく,行動主義の習慣形成説を批判する立場から生まれてきた。コミュニケーションの技能を身につけることを目標としているため,文法規則の習熟より意味内容の理解に重きをおいている。学習の初期段階では話すことはあまり要求せず,インプットを多量に供給することを主眼としている。
 またSelinker(1972)やCorder(1974)らの中間言語の研究の結果,学習者が犯す誤りは必ずしも悪ではなく,学習者が規則を発見しながら発達の過程にいること,目標言語の大人の文法に至る道筋を辿っていることを示すものであることと考えられるようになった。学習者にとっては誤りは不可欠なものであると認められるようになったので,教室での対処の仕方にも変更を迫られるようになった。
 1980年代になると心理言語学,社会言語学など応用言語学の関連分野も含めて第二言語習得理論の研究は急速な発展を見せた。言語習得に関する仮説が提唱され,言語習得のモデルも示され,言語習得の過程の解明が進み,注目を浴びるようになった。しかし内容の理解だけでは習得には不十分であるとの指摘もされ,多くの批判も合わせて受けるようになったものの,その後はインプットだけではなく,インタラクションも重視した指導法として発展を見せている。

 

   〔……〕 

 

言語を使った課題(タスク)の達成
 多様な教授法が林立する中,指導法よりシラバスの組み方の方が重要である,との考え方が生まれるようになった。Prabhu(1987) ,Breen(1987) ,Long & Crookes(1992)らのタスクを中心とする考え方がそれに当たるが,教授法の3つのレベルが明確にされていない点を含めて,外国語や第二言語の指導にどの位の効果があるのかなど,これから解明される領域も多いと考えられている。
 このように多様化している教授法は,どのような理論の裏付けがあるのか,何を教えるのか,教室での実践はどのようなものかなどの点から大きくグループ分けできるであろう。

1.言語構造を教えることを中心とした指導法――オーラル・メソッド,オーラル・アプローチ,GDM,ASTP,サイレントウェイ,サジェストペディア,TPR,CAI,など
2.言語規則の発見学習をさせる指導法――変形生成文法理論,認知学習理論
3.心理学の分野を取り入れた指導法――CLL,人間中心の外国語教育
4.ニーズ分析の結果を取り入れた指導法――概念・機能的アプローチ,コミュニカテイブ.ティーチング,ESP,学習者中心のアプローチ
5.言語習得理論を取り入れた指導法――ナチュラル・アプローチ,インプット理論,インターアクティブ・アプローチ,コンテント・アプローチ,など
6.母語の発達過程を参考にした指導法―― 直接教授法,ホール・ランゲージ
7.言語を使った課題をこなすことを中心とした指導法――TBLT

 

教授法の概念
 このように多様を極めている教授法の中から,教授者自身と学習者に適した教授法を選択しようとしたとき,何らかの基準にのっとる必要がでてくる。どの方法をとれば望んでいる効果が期待できるか,が最大のポイントであるが,この点を科学的に考えるようになったのは1960年代からである。

Approach, Method, Technique
Anthony(1963)は提唱されているそれぞれの教授法の特徴を明確にするために,言語や言語の学習に関する理論をapproach,言語材料をどのような順番で提示するかに関するプランをmethod,教室で実際に行う技術をtechnique,と定義付け,この3つのレベルで分析を行った。この概念はいろいろな教授法を理論と実践の両面から分析するのに便利であった。

Approach, Design, Procedure
しかし1980年代になると,教室における教師,学習者,言語活動の役割など主にmethodの部分の説明が不十分であることに気が付き,Richards and Rodgers(1986)が修正を行った。言語や言語学習に関する理論をapproach,言語学習の目的,シラバス,学習活動のタイプ,学習者と教師の役割,教材の役割などに関するプランをdesign,実際に教室で行われる技術,実践,教室内での行動をprocedureと,より広範囲な視野で教授理論をレベル分けしている。

Synthetic , Analytic Syllabus
一方,Wilkins(1976)がシラバスの概念を深め,synthetic syllabusとanalytic syllabusの2種類のラベル付けをした。前者は学習者が段階をおって一つ一つ教えられた言語のいろいろな部分を統合して学ぶやり方である。後者は言語はまとまりとして与えられるので,学習者がそれを分析して理解して学ぶやり方である。つまり,Wilkinsは指導上のインプットとしてどのようなものを与えればよいのかを扱った。教授法のシラバスはこのように完全に二極に分けられるものではないが,彼の説はひとつの新しい概念を提供した。

Type A, Type B Syllabuses
ところが,Wilkinsには学習,学習内容,評価の視点が抜けていたため,White(1988)はType A, Type B Syllabusesを提唱し,「何を学ぶのか」より「どのようにして学ぶのか」を基本理念としてシラバスを組むType Bを支持した。しかしこの分類法によってはすべての教授法を二分することはできず,連続体として並ぶものであった。

Task-Based Syllabus
さらにLong(1985)は,言語,概念,機能などによってシラバスを組んでそれに合わせたタスクを用意するのではなく,タスクそのものをシラバスとして組むべきであると主張し,教授法をRichards and Rodgers(1986)のように3つのレベルに分けることを批判した。タスクを中心とした言語教育のこの考え方はLongらによって強力に主張されており,ハワイ大学を中心として多くの支持を集めているが,同時に,教授法としての効果のほどを実証していない,との批判も出ている(Sheen 1994)。

 

 どの教授法を取り入れるにしても,言語を本来の目的に沿って使用できるようにさせるためには,Kumaruvadivelu(1994)が挙げている教師のための方略10項目が参考になるであろう。

  ① 学習の機会を最大限に用意する
  ② 意味の交渉を起こしやすくする
  ③ 認識のずれを最小限に押さえる
  ④ 直感的発見指導法を活用する
  ⑤ 言語に対する意識を喚起させる
  ⑥ 言語材料は文脈の中で与える
  ⑦ 言語のスキルを統合させる
  ⑧ 学習者の自立性を促進する
  ⑨ 異文化に対する意識を高める
  ⑩ 社会的関連性を保証する

 これらの項目は,教室内で言語教育を実践する際には,教える言語と教授者を中心とした視点だけではなく,学習者と学習のプロセスも視野に入れるべきであることを示唆している。この視点は第二言語習得理論の研究の成果に基づいたものであるが,何をどのように教えるかだけではなく,何をどのように教えたら学習がより促進されるか,教師が指導法を決定する際の指針となるであろう。
 また同時にひとつの教授法に固執することへの危険性も暗示している。それぞれの学習者にはそれぞれに適した学習法と指導法があるので,どの学習者にはどのような指導が効果的なのか,いろいろな教授法の特色を多局面から検討するべきであろう。それにはまず学習者が抱いている言語学習の目標やニーズを知らなくてはならない。もはや学習者抜きのカリキュラム・デザインや授業案立案はありえない時代になった。学習者をよく知った上で,教授法の枠を越えて広く見渡し,教室内で実質的な効果をあげるためにはどの教授法をどのくらい取り入れるか科学的に検討して選択決定するべきであろう。

 

参考文献一覧
Blair, R. W.(ed). 1982. Innovative Approaches to English Teaching. Newbury House.
Howatt, A, P. R. 1984. A History of English Language Teaching. O.U.P.
伊藤嘉一. 『英語教授法のすべて』大修館. 1984.
Kumaruvadivelu, B. 1994. The post method condition: (e)merging strategies for second / foreign language teaching. TESOL Quarterly, 28 (1), 27-48.
Larsen-Freeman, D. 1986. Techniques and Princip;es in Language Teaching. O.U.P.
Oller, W. J. and P. A. Richard-Amato(eds.)1983. Methods That Work. Newbury Hose.
Richards, J. C. 1990. The Language Teaching Matrix. C.U.P.
Richards, J. C. and T. S. Rodgers. 1986. Approaches and Methods in Language Teaching. C.U.P.
Sheen, R. 1994. A critical analysis of the advocacy of the Task-Based Syllabus. TESOL Quarterly, 28 (1), 127-151.
田崎清忠. 『英語教育理論』大修館. 1978.
White, R. 1988. The ELT Curriculum. Blackwell.