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『経済史入門』(川勝平太 日経文庫 2003)

著者:川勝 平太[かわかつ・へいた](1948-) 経済学(比較経済史)、"文明の海洋史観"。政治家(静岡県知事)。
シリーズ:日経文庫 経済学入門シリーズ
NDC:332.01 経済史(日本)


経済史入門 | 日経の本 日本経済新聞出版


【目次】
まえがき(二〇〇三(平成一五)年 葉月 川勝平太) [003-004]
目次 [005-009]


序章 経済史への招待
  (1) 文明の興亡を歴史的にとらえる
  (2) 経済理論は導きの意図
  (3) 経済史の役割とは


I 経済史とはどういう学問か
1.1 理論と歴史が統合される場 020
  (1) 近代社会を理解する根本
  (2) 唯物史観の呪縛
  (3) 経済史の一つの理想――シュンペーター
  (4) 重要なのは史観
  (5) 将来展望の礎
1.2 経済史にどのように挑戦するか 032
  (1) 最大の教師は目の前の現実
  (2) 経済史誕生の背景
  (3) モデルを見失った経済史学
  (4) 問われるのは「後進性」ではなく「先進性」
  (5) 何が発展を可能にしたのか
1.3 新しい発想が次々と誕生 042
  (1) 「アジアの中の日本」という視点
  (2) 文明論的視野
  (3) 海から文明を捉える視点
  (4) 環境という視点


II 経済学と経済史――現実をどうとらえてきたか
2.1 限界を迎えた経済史の方法 050
  (1) 二つの原因
  (2) 近代経済学の二つの流れ
2.2 経済学の歴史から経済史を読み解く 053
  (1) 西洋の経済学をしゃにむに摂取
  (2) 現実を写す鏡
  (3) 欧米の場合――資源のあり方とともに変化
  (4) 日本の場合
2.3 経済学の模索――近経とマル経の統合 079
  (1) シュンペーターはなぜ日本で受容されたのか
  (2) 世界的潮流


III 経済史の方法――経済発展をどう説明するか
3.1 物産複合――「史的唯物論」批判 085
  (1) マルクスの遺産
  (2) 物に着目して社会を解明する
  (3) 唯物論から格物論へ
  (4) 物産複合の転換=社会の変化
3.2 本来的蓄積――「本源的蓄積」批判 102
  (1) 所有にこだわったマルクス
  (2) 資本(所有)と経営の分離
3.3 新結合が生んだ近代文明――「封建制から資本主義への移行論」批判 108
  (1) 近代文明の波動の源泉
  (2) シュンペーターの視点
  (3) 「企業者精神」という誤解
  (4) 新結合の遂行と生産
  (5) 物産複合=旧結合十新結合
  (6) 新結合が景気循環を生み出す
  (7) 資本主義という超長波
  (8) なぜ工業化が起こったのか――視野をグローバルに広げる


IV グローバル経済史と近代日本文明
4.1 海洋アジア――近代文明の母胎 126
  (1) 不当なアジア野蛮論
  (2) 「元冠」から「倭冠」へ
  (3) 「日本情報」が開いた大航海時代
  (4) 十四世紀の危機
  (5) 近代文明の母胎は「海洋アジア」
  (6) 新しい物産の舶来
4.2 日本経済圏の出現――中国文明からの自立 142
  (1) 輸入銭を駆逐する――経済的独立
  (2) 銀の供給源であった日本
  (3) 画期的な銅銭供給能力の保持
  (4) 銅不足がアキレス腱であった中国
  (5) 江戸時代に独自に金本位制に移行
  (6) 日本は信用=購買力の供給源
4.3 アジアからの外圧 162
  (1) 西洋が日本を変えたのか
  (2) 注目すべきはアジアとの競争
  (3) 鎖国時代に国際商品を自給
  (4) 「偶然」の歴史的「必然」を探る
  (5) アジア物産の輸入代替化
  (6) 近代世界システム論の限界
4.4 日本は「アジア間競争」の勝者 175
  (1) 生糸市場におけるアジア間競争
  (2) 茶と砂糖をめぐるアジア間競争
  (3) イギリスと木綿市場ですみわけ
  (4) インドとのコスト競争に勝つ


終章 日本経済史をとらえ直す
5.1 アングロサクソン文明と日本 188
  (1) イギリスへの注目
  (2) イギリスからの経済的自立としての現代史
  (3) 共通点が多い日米の歴史
  (4) 太平洋での競争
5.2 時代区分――日本史の流れを再構築する 197
  (1) 時代区分は不変なのか
  (2) 新たな時代区分が必要
  (3) 指標となるのは「場」と「文化・物産複合」
  (4) 首都に注目
  (5) 権威か権力か
  (6) 文明の受容からとらえ直す
  (7) 中国の影響からの自立


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