著者:白波瀬 達也[しらはせ・たつや](1979-)
NDC:368.2 社会病理 >> 貧困
【目次】
まえがき [i-v]
目次 [vi-xi]
地図 [xii-xiii]
序章 暴動までの歴史的背景 001
1 「ドン底」の町 002
戦前の釜ヶ崎
戦後から高度経済成長期にかけて
急激に膨らんだ人口
不安定な職業と住まい
学校に行かない/行けない子どもち
暴力団の跋扈と犯罪の多発
2 相次ぐ暴動と余波 015
暴動の発生
釜ヶ崎対策の展開
大阪市の民生対策
大阪府の労働対策
第1章 日雇労働者の町として 021
1 スラムからドヤ街への段階的移行 023
発展から取り残された地
歌われた釜ヶ崎
2 あいりん地区指定による変化 028
繰り返された暴動
あいりん対策のはじまり
もう一つのあいりん対策
あいりん地区の住民意識
3 寄せ場を拠点化した新左翼運動とキリスト教の取り組み 036
革命の拠点?
労働運動の高まりと公園の封鎖
キリスト教の活動
釜ヶ崎キリスト教協友会の結成
4 建設業に一元化される日雇労働 046
重層的な下請け構造
一九八〇年代の好況
出稼ぎ外国人の増加
5 一七年ぶりの暴動とバブル崩壊 051
不正への怒り
バブル崩壊の衝撃
機能不全に陥った失業保険
日雇労働者の高齢化問題
バブル崩壊後の暴動
第2章 ホームレス問題とセーフティネット 065
1 寄せ場機能の衰退とホームレス問題 067
野宿者を生み出す背景
生活保護の適用と野宿者の減少
再び定住空間となったあいりん地区
2 あいりん地区におけるセーフティネットの多層性 077
四つの取り組み
あいりん対策によるセーフティネット
キリスト教系団体によるセーフティネット
社会運動団体によるセーフティネット
生活保護によるセーフティネット
第3章 生活困窮者の住まいと支援のあり方 091
1 居住支援のかたち 093
ホームレス支援のステージ
住まいから排除されやすい野宿者
無料低額宿泊所の位置づけ
住まいをめぐる利害の一致
居住支援の展開
2 サポーティブハウスの取り組み 104
その仕組み
入居経路と入居期間
入居者の属性
3 サポーティブハウスの成果と課題 112
社会的孤立への対応
直面する課題
4 住宅扶助の引き下げがもたらす弊害 119
大幅に減額された家賃
住宅扶助引き下げのねらい
あいりん地区に与える影響
生活困窮者の住まいをめぐる構造的問題
第4章 社会的孤立と死をめぐって 127
1 社会的孤立を生み出す背景 128
大都市の一人暮らし高齢者
互いの過去に踏み込まない
日常化する孤立死
2 社会的孤立の帰結としての孤立死 138
頻発する異状死
西成区における社会的孤立・孤立死対策
あいりん地区における社会的孤立・孤立死対策
求められる新たな地縁の創造
3 無縁仏に対する集合的弔い 146
公的機関による集合的弔い
社会運動団体による集合的弔い
4 あいりん地区における個別的弔い 156
カトリック系施設「ふるさとの家」の取り組み
僧侶たちの取り組み
死が紡ぐ新たな地縁
第5章 再開発と向き合うあいりん地区 163
1 西成特区構想とは何か 165
橋下市長の登場
釜ヶ崎のまち再生フォーラム
(仮称)萩之茶屋まちづくり拡大会議
まちづくりと西成特区構想の邂逅
2 何が議論され、どう決まったか 172
税収と歳出のアンバランス
老朽化した「あいりん総合センター」の行方
公開会議での激しい攻防
示された方向性
3 岐路に立つあいりん地区の多層的セーフティネット 180
変化しはじめた町
山積する課題
トータルケアは可能か
社会資源の統合困難
手厚いケアの表裏をなす「強い管理」
再開発と手厚いケアの両立困難
地元住民とは誰か
終章 地域の経験を活かすために 199
この地域が刻んだ歴史
貧困と対峙する地域社会
あいりん地区の行方
あとがき(二〇一六年一二月 白波瀬達也) [207-211]
関連年表 [212-216]
主要参考文献 [217-222]