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『貧困と地域――あいりん地区から見る高齢化と孤立死』(白波瀬達也 中公新書 2017)

著者:白波瀬 達也[しらはせ・たつや](1979-)
NDC:368.2 社会病理 >> 貧困


貧困と地域 -白波瀬達也 著|新書|中央公論新社


【目次】
まえがき [i-v]
目次 [vi-xi]
地図 [xii-xiii]


序章 暴動までの歴史的背景 001
1 「ドン底」の町 002
  戦前の釜ヶ崎
  戦後から高度経済成長期にかけて
  急激に膨らんだ人口
  不安定な職業と住まい
  学校に行かない/行けない子どもち
  暴力団の跋扈と犯罪の多発
2 相次ぐ暴動と余波 015
  暴動の発生
  釜ヶ崎対策の展開
  大阪市の民生対策
  大阪府の労働対策


第1章 日雇労働者の町として 021
1 スラムからドヤ街への段階的移行 023
  発展から取り残された地
  歌われた釜ヶ崎
2 あいりん地区指定による変化 028
  繰り返された暴動
  あいりん対策のはじまり
  もう一つのあいりん対策
  あいりん地区の住民意識
3 寄せ場を拠点化した新左翼運動とキリスト教の取り組み 036
  革命の拠点?
  労働運動の高まりと公園の封鎖
  キリスト教の活動
  釜ヶ崎キリスト教協友会の結成
4 建設業に一元化される日雇労働 046
  重層的な下請け構造
  一九八〇年代の好況
  出稼ぎ外国人の増加
5 一七年ぶりの暴動とバブル崩壊 051
  不正への怒り
  バブル崩壊の衝撃
  機能不全に陥った失業保険
  日雇労働者の高齢化問題
  バブル崩壊後の暴動


第2章 ホームレス問題とセーフティネット 065
1 寄せ場機能の衰退とホームレス問題 067
  野宿者を生み出す背景
  生活保護の適用と野宿者の減少
  再び定住空間となったあいりん地区
2 あいりん地区におけるセーフティネットの多層性 077
  四つの取り組み
  あいりん対策によるセーフティネット
  キリスト教系団体によるセーフティネット
  社会運動団体によるセーフティネット
  生活保護によるセーフティネット


第3章 生活困窮者の住まいと支援のあり方 091
1 居住支援のかたち 093
  ホームレス支援のステージ
  住まいから排除されやすい野宿者
  無料低額宿泊所の位置づけ
  住まいをめぐる利害の一致
  居住支援の展開
2 サポーティブハウスの取り組み 104
  その仕組み
  入居経路と入居期間
  入居者の属性
3 サポーティブハウスの成果と課題 112
  社会的孤立への対応
  直面する課題
4 住宅扶助の引き下げがもたらす弊害 119
  大幅に減額された家賃
  住宅扶助引き下げのねらい
  あいりん地区に与える影響
  生活困窮者の住まいをめぐる構造的問題


第4章 社会的孤立と死をめぐって 127
1 社会的孤立を生み出す背景 128
  大都市の一人暮らし高齢者
  互いの過去に踏み込まない
  日常化する孤立死
2 社会的孤立の帰結としての孤立死 138
  頻発する異状死
  西成区における社会的孤立・孤立死対策
  あいりん地区における社会的孤立・孤立死対策
  求められる新たな地縁の創造
3 無縁仏に対する集合的弔い 146
  公的機関による集合的弔い
  社会運動団体による集合的弔い
4 あいりん地区における個別的弔い 156
  カトリック系施設「ふるさとの家」の取り組み
  僧侶たちの取り組み
  死が紡ぐ新たな地縁


第5章 再開発と向き合うあいりん地区 163
1 西成特区構想とは何か 165
  橋下市長の登場
  釜ヶ崎のまち再生フォーラム
  (仮称)萩之茶屋まちづくり拡大会議
  まちづくりと西成特区構想の邂逅
2 何が議論され、どう決まったか 172
  税収と歳出のアンバランス
  老朽化した「あいりん総合センター」の行方
  公開会議での激しい攻防
  示された方向性  
3 岐路に立つあいりん地区の多層的セーフティネット 180
  変化しはじめた町
  山積する課題
  トータルケアは可能か
  社会資源の統合困難
  手厚いケアの表裏をなす「強い管理」
  再開発と手厚いケアの両立困難
  地元住民とは誰か


終章 地域の経験を活かすために 199
  この地域が刻んだ歴史
  貧困と対峙する地域社会 
  あいりん地区の行方


あとがき(二〇一六年一二月 白波瀬達也) [207-211]
関連年表 [212-216]
主要参考文献 [217-222]