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『Mind Hacks ――実験で知る脳と心のシステム』(Tom Stafford, Matt Webb[著] 夏目大[訳] オライリー・ジャパン 2005//2004)

原題:Mind Hacks: Tips & Tricks for Using Your Brain
著者:Tom Stafford 心理学。計算論的認知神経科学
著者:Matt Webb エンジニア。デザイン。
寄稿(序文):Steven Johnson(1968-) 作家。
訳者:夏目 大[なつめ・だい](1966-) 翻訳家。
NDC:491.371 基礎医学 >> 生理学 >> 神経系・感覚器の生理 >> 中枢神経:脳・脊髄の生理,心理学的生理学
件名:脳
件名:生理学的心理学


O'Reilly Japan - Mind Hacks

 本書『Mind Hacks』は、最新の脳科学を基にした解説と簡単な実験で、脳と心のはたらきを知る、まったく新しい脳の本です。たとえば、目には「盲点」が あり、その部分は何も見えないはずなのですが、いつもはそれに気づくことはありません。それは目が高速に移動し、脳がそこから得た映像を滑らかにつな ぎ合わせているからです。本書では長い間かけて進化してきたこのような脳のはたらきを、Webサイトの動画や身体を使った“ハッキング”で明らかにしま す。脳がどのように自分を「ごまかして」いるのか、それを知ったとき、世界 はまったく違うものに見えるでしょう。本書で扱うテーマは「脳の構造」「視覚」「聴覚」などの基礎的なものから、それらを統合して行われる「運動」 「推論」「記憶」、さらに実生活に必要な「他者との関係」まで。自分の頭の なかでは何が起こっているのかを知りたい方、心の成り立ちを知り、その知識を仕事に役立てたい方におすすめです。

【目次】
序文(Steven Johnson ニューヨーク、ブルックリンにて) [vii-ix]
クレジット [xi-xvi]
はじめに [xvii-xxviii]
目次 [xxix-xxxii]


1章 脳の構造 001
1 脳のはたらきを外から調べる
2 EEG
3 PET
4 fMRI:最先端の映像化技術
5 TMS:脳内の電気的活動を人為的に操作する
6 10%の神話と神経心理学
7 中枢神経系
8 大脳の4つの葉と大脳皮質
9 ニューロン
10 脳の活動と血流の関係
11 人間とエレベータの違い
12 感覚性ホムンクルスを作ってみる


2章 視覚 039
13 視覚系の仕組み
14 解像度
15 能動的な視覚
16 盲点を探す
17 視覚信号の停止
18 時間が止まる
19 視点の固定
20 平面に奥行きを見る
21 光源は動かない
22 三次元認識
23 明るさと輝度
24 プルフリッヒ効果
25 動かないものが動く
26 順応
27 動かないものを動かす
28 閃光遅延現象
29 足踏み錯覚
30 蛇の回転
31 想像の世界
32 衝突の回避
33 役立つノイズ


3章 注意 129
34 注意を向ける能力の限界
35 サビタイジング
36 物体の追跡
37 無意識の注意
38 後ろは振り返らない
39 注意の瞬き
40 変化盲
41 不注意による盲目
42 オオカミ少年は信じてもらえない
43 テレビゲームによる訓練


4章 聴覚と言語 171
44  「タイミング」に敏感な聴覚
45 音源の位置の特定
46 音の高さ
47 三半規管
48 ランダムなパターンから意味を読み取る
49 言語の理解
50  「音」の持つ意味
51 フレーズとバッファ
52 エラーに強い並列処理


5章 感覚どうしの関係 201
53 視覚と聴覚の連携
54 感覚と方向
55 ストループ効果
56 方向への反応
57 複数の感覚情報の組み合わせ
58 「見ること」の効果
59 目で聴く(マガーク効果)
60 2つの声の聞き分け
61 独り言


6章 運動 231
62 故障エスカレータ現象:脳の予測機能
63 体の各部分の位置を把握する
64 身体図式
65 自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのはなぜか
66 視覚情報の2つの経路
67 扱い方は物が教えてくれる(アフォーダンス
68 右利き? 左利き?
69 右脳と左脳


7章 推論 267
70 人間は数字が苦手
71 確率より頻度
72 論理的思考
73 プラシーボ効果
74 現状維持のバイアス


8章 構造を知る 291
75 ゲシュタルト原理
76 共通運命の原理
77 「人間」の認知
78 「生命」の認知
79 因果関係の認知
80 「自分の意志」の認知


9章 記憶 317
81 プライミング
82 サブリミナル効果
83 「見覚えがある」という感覚
84 記憶の出所
85 偽物の記憶
86 文脈干渉効果
87 記憶を助けるコンテキスト
88 想像力によるトレーニン
89 道筋を使った記憶術
90 一人称視点と三人称視点
91 入眠状態
92 コーヒーの味はカップで変わる?


10章 他者との関係 367
93 顔の認識
94 感情の表現
95 表情の感情に与える影響
96 感情の記憶への影響
97 視線
98 人は真似をする
99 気分を左右するもの
100 ステレオタイプ


索引 [399-403]
訳者あとがき(2005年11月 夏目大) [405]