『アスリート盗撮』(共同通信運動部[編] ちくま新書 2022)

編者：共同通信運動部［きょうどうつうしんうんどうぶ］　
著者：鎌田理沙［かまた・りさ］(1995-)　名古屋支社運動部。
著者：品川絵里［しながわ・えり］(1996-)　大阪支社運動部。　
著者：益吉数正［ますよし・かずまさ］(1981-)　陸上やJOCを担当。　
著者：田村崇仁［たむら・たかひと］(1973-)　運動部デスク。
NDC：368.64　社会病理 >> 犯罪 >> 性犯罪
NDC：780　スポーツ

アスリート盗撮 (ちくま新書)

作者:共同通信社運動部
筑摩書房

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【目次】

目次　[003-008]
はじめに［鎌田理沙］　[009-015]

第一章　アスリート盗撮を世に問う［鎌田理沙］　

I　勘違いからの出発点　018
　　怪しい男性？
　　「隠し撮り、よくあるんですよ」
　　コロナ禍の社員寮
　　焦りから作戦会議

II　アスリート委員会から意見書　027
　　ネット世界に広がる被害
　　女性選手二人が被害取りまとめ
III　日本陸連、そしてJOCへ　031
　　意見書作成へアクション開始
　　声を上げた陸上選手
　　ユニホームに選択肢を
　　弁護士も全面協力
　　腰を上げた日本陸連
　　隠し撮りは「盗撮」か

IV　第一報を全国メディアに配信　042
　　国内競技団体の苦悩
　　赤外線の隠し撮り対策を続けるスポーツメーカー
　　それぞれの対策とジレンマ
　　「性的画像」という表現

第二章　ニュースの反響［鎌田理沙］
I　一カ月後に共同声明、海外にも動き　062
　　山下JOC会長と"勉強会"
　　ドイツの体操選手、ボディースーツで性的画像に抗議

II　日本陸連アスリート委員長の高平慎士さんに聞く　069
　　ユニホームの選択肢も必要
　　規制よりルールを
III　学生陸上にも被害、無観客ライブ配信　074
　　［記事再録］学生陸上、性的な書き込み　無観客ライブ配信で問題視　076
　　［記事再録］学生も深刻、性的画像被害　SNSの壁、法整備　078

IV　声を上げた陸上選手、問題提起の意義　080
　　情報発信に不安も
　　モラルの欠如
　　感じる変化
　　情報発信元の開示請求を

V　競技団体アンケート、三割が被害認識　089
　　［アンケート］性的画像対策　競技団体アンケート　090
　　［記事再録］競技団体、三割が被害認識／一〇年以上前から把握七団体　性的画像アンケート　093
　　モラルの境界線
事例A　チアリーダー［品川絵里］　101
　　甲子園出場校へアンケート。チアリーダーも盗撮被害に
　　選抜の現場　

第三章　JOCと警察組織［益吉数正］
I　JOC中心に対外発信、情報提供窓口設置　120
　　七団体による声明、ポスター作成
　　相談から一カ月余り、二次被害リスクも考慮
　　予想を超える通報、半月で三〇〇件
II　警視庁が協力を申し出　127
　　JOC情報を基に全国初の逮捕者
　　大きな反響「抑止力を高める第一歩」
　　ネットから撤退の動きも
III　初の立件、全国に波及　133
　　名誉毀損で初の摘発
　　京都府警、異例の摘発
IV　JOC籾井常務インタビュー　138
　　嫌だって言っていい
　　競技によって違う被害状況
　　ネットの怖さ、警察と情報は共有
　　逮捕、法整備だけがゴールではない

V　東京五輪での取り組み　145
　　入場者の禁止行為に明記
　　東京五輪前後で情報提供が倍増、二五〇〇件に
　　未来に生かせるか

第四章　盗撮罪をめぐる動き［品川絵里］

I　法整備の欠陥　152
　　なぜ立法化が必要なのか
　　「盗撮」を取り締まる法律がない
　　「撮影の罪」を巡る論点
　　一九六四年東京五輪を契機にできた東京都の条例
　　航空業界、塾、芸能界も
II　性犯罪の法改正検討会　162
　　ユニフォーム姿は対象から除外
　　海外の事例
　　韓国での水泳大会で逮捕例も
III　シンポジウムの開催へ　173
　　競技者として
　　メディアとして指導者として
　　すべての撮影が悪いわけではない
IV　上谷さくら弁護士インタビュー　185
　　罪の意識が低い
　　盗撮と通常撮影の難しい線引き
　　被害は日常的
　　法律は多数決で決まる
　　取り締まる難しさ
　　刑が重くなれば抑止力に

事例B　サンバ［品川絵里］　199
　　サンバダンサーも盗撮対象に

第五章　アスリートたちの告白［品川絵里］
I　取材を受けてくれるトップ選手が続々と　206
　　当初はお断りの返事、その次に
　　テレビ番組でも特集
II　衝撃的な被害の体験談　210
　　Vリーグのトイレ盗撮
III　ネットで反響、連載したインタビュー記事　212
　　［記事再録］性的画像問題「全力で守ってあげて」／大山加奈さん　
　　［記事再録］性的画像問題「競技の魅力伝えるのが本質」／競泳の田中雅美さん　
　　［記事再録］カメラに違和感、声上げる現役選手／ビーチバレー坂口佳穂さん　
IV　健全に純粋に競技に打ち込める環境を／大山加奈さん再インタビュー　238
　　嫌だった「へそ出し」
　　声を上げるには覚悟必要
　　背負うことは選手に大きなダメージ
　　純粋に競技に打ち込める環境に
V　「若い頃にもあった」／小谷実可子さんインタビュー　248
　　「見るとショックを受けるから見ないほうがいい」
　　選手は意見の発信を
　　東京五輪の撮影禁止ルールを未来につなげる

第六章　加害者の実態［田村崇仁］
I　盗撮歴二〇年、元中学教員の告白　258
　　「盗撮」検挙件数一〇年間で三倍、スマホが八割
　　スマホに画像二〇〇〇枚「ゲームに近い感覚」
　　「人生終わった」と頭真っ白
　　ガラケー時代から「撮ることがメイン。見返さない」
　　厳罰化「死刑になってもやる人はいる」
　　逮捕者は氷山の一角、再犯率約四割
　　夫婦で取り組む盗撮の再犯防止教育
　　金儲け型、重症型、軽症型の三タイプ
II　加害者臨床の専門家に聞く　270
　　盗撮は「性依存症、ローリスク・ハイリターン」
　　非接触型の犯罪、女性を「モノ化」
　　性的画像サイトはビジネスで成立も
　　無音アプリ、東京五輪でも問題提起
　　誰でも陥る「依存症」の恐怖犯罪心理学の専門家、背景は「日本特有の甘え」
　　盗撮は「病気じゃない」
　　再犯防止へ「性教育」の見直し必要