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『妖怪学新考――妖怪からみる日本人の心』(小松和彦 講談社学術文庫 2015//1994)

著者:小松 和彦[こまつ・かずひこ](1947-) 文化人類学民俗学口承文芸論、妖怪論、シャーマニズム民間信仰)。
件名:妖怪
NDLC:GD38
NDC:387 民間信仰.迷信[俗信]


『妖怪学新考 妖怪からみる日本人の心』(小松 和彦):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部


【目次】
はじめに――新しい妖怪学のために 
  妖怪学とはなにか/妖怪学の三つの潮流/柳田国男の妖怪学/柳田以降の妖怪学


第一部 妖怪と日本人 
一 妖怪とはなにか 
  恐怖・空間・妖怪/不思議・災厄・妖怪/妖怪を定義する/妖怪と社会関係/自然の妖怪と人間の妖怪/妖怪の予防と駆除/「生活社会」の三類型と妖怪

二 妖怪のいるランドスケープ 
  日本人の「ふるさと」としての小盆地宇宙/ムラのコスモロジー、マチのコスモロジー水木しげる少年の妖怪体験/奥能登・七浦の妖怪たち

三 遠野盆地宇宙の妖怪たち 
  遠野のムラの妖怪たち/遠野のマチの妖怪たち

四 妖怪と都市のコスモロジー 
  前近代の都市の妖怪たち/平安京の恐怖空間/江戸の怪異空間

五 変貌する都市のコスモロジー 
  「闇」の喪失/妖怪の近代  

六 妖怪と現代人 
  妖怪の存立と前提条件/現代都市の「闇」/「学校の怪談」/「化け物屋敷」/現代の妖怪の特徴と現代人の不安


第二部 魔と妖怪 
一 祭祀される妖怪、退治される神霊 
  「神」と「妖怪」の相違/祀り上げられる「妖怪」/棄てられた「神」/退治される「妖怪」

二 「妖怪」の民俗的起源論 
  どのようにして妖怪は生じるのか/非人間起源の妖怪/「妖怪」に変身する人間/怨霊と御霊/人に見える死霊=幽霊

三 呪詛と憑霊 
  呪詛――魔に身を任せた人々/生霊憑き・死霊憑き・動物霊憑き/二種類の「憑きもの筋」

四 外法使い――民間の宗教者 
  宗教者の両義性/陰陽師式神/修験者と護法/外法神

五 異界・妖怪・異人 
  異界とは何か/異界と妖怪/異界と異人/秩序・災厄・異人(妖怪)


おわりに――妖怪と現代文化


あとがき
新書版あとがき
注 





【抜き書き】
・「はじめに」の冒頭。

  妖怪学とはなにか

 人間は想像する。その想像力はまた、さまざまな文化を創りだす創造力でもある。そしていま私たちはその創造力が作りだした膨大な種類の文化を所有しているわけであるが、そのなかでもっとも興味深いものの一つが「妖怪」と称されているものであろう。この「妖怪」を研究する学問が、ここでいう「妖怪学」である。
 しかしながら、現在まで、「妖怪学」という学問はまともな形で存在していなかった。すなわち、学問の範囲や目的、研究方法、いずれの面でもまともな論議がなされてこなかったのである。たしかに「妖怪学」という名称は早くも明治の後半に現れており、妖怪を研究する学者も何人かはいたのだが、〔……〕妖怪研究はその妖怪撲滅・否定のための学問か、あるいは滅びゆく「迷信」を記録する学問で、近代における人間の生活にあまり積極的な意義を見いだせない研究とみなされたのである。
 近代の科学、物質文明の発達・浸透は現実世界から妖怪を撲滅してきた。しかし、現代においても妖怪たちは滅びていない。活動の場を、都市の、それも主としてうわさ話やフィクションの世界に移して生き続けている。〔……〕
 この新しい妖怪学は、〔……〕妖怪文化の考察を通じて、人間の精神の歴史や心のあり方を探る学問として構築されるべきである。もっとも、この試みはまだ十分な成果を収めているわけではない。むしろ、これから本格的研究が開始されるというべきであろう。〔……〕
 それでは、私が考える「妖怪学」の輪郭とはどのようなものであろうか。簡単に以下で説明しておこう。新しい妖怪学は、人間が想像(創造)した妖怪、つまり文化現象としての妖怪を研究する学問である。〔……〕妖怪を研究するということは、妖怪を生み出した人間を研究するということにほかならない。要するに、妖怪学は「妖怪文化学」であり、妖怪を通じて人間の理解を深める「人間学」なのである。

『妖怪の宴 妖怪の匣』(京極夏彦 角川書店 2015)

著者:京極 夏彦[きょうごく・なつひこ](1963-) 小説家、意匠家。
装画:福田 好考
装丁:片岡 忠彦


妖怪の宴 妖怪の匣 (怪BOOKS)

妖怪の宴 妖怪の匣 (怪BOOKS)

文庫版 妖怪の宴 妖怪の匣 (角川文庫)

文庫版 妖怪の宴 妖怪の匣 (角川文庫)

・単行本の書誌情報

定価: 1,870円(本体1,700円+税)
発売日:2015年12月26日
判型:四六判
商品形態:単行本
ページ数:376
ISBN:9784041036389

https://www.kadokawa.co.jp/product/321507000128/



【目次】
目次 [001-003]


0 妖怪の周辺を回ってみる 005
妖怪を消費する 006


1 化け物について考えてみる 011
辞書の化け物を渡り歩く 
日常語の化け物を渡り歩く 
化け物からお化けへ 
お化けから幽霊へ 
変形・変身・変装 
化けるということ 
化かすということ 


2 幽霊について考えてみる 207
霊という発明 
命について 
気について 
魂について 
心霊について 
心霊・心理・精神、そして神経 
最後に、霊について 


妖怪を生産する(世界妖怪協会・全日本妖怪推進委員会肝煎 京極夏彦) [356-361]
妖怪年表 [362-373]





【メモランダム】
・初出。
『怪』Vol. 0024〜Vol. 0037、
   Vol. 0040〜Vol. 0043。



【関連記事】
『妖怪の理 妖怪の檻』(京極夏彦 角川書店 2007)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20120609/1339167600

『スポーツ経済学』(里麻克彦 北海道大学出版会 2011)

著者:里麻 克彦[さとま・かつひこ](1955-) 金融論、金融工学。スポーツ経済学。
NDC:780 スポーツ.体育


北海道大学出版会 スポーツ経済学 [978-4-8329-6754-0] - 3,080円 :


【目次】
はじめに 
目次 


序章 スポーツを経済学で考える 
1.スポーツ 
2.スポーツ産業 
  Do(する)スポーツ
  Spectate(見る)スポーツ
3.スポーツ支援 
4.スポーツ経済学とは 
5.経済学とは――何を,どのように,誰のために 
6.ミクロ経済学マクロ経済学 


第1章 価格の決まり方
1.消費者はどのように選ぶのか
  どちらの満足がより大きいか
  (例1)落札価格と満足度
  効用と無差別曲線
  (例2)野球のスタジアムでポップコーンとペプシが販売されている
  無差別曲線は交わらない
  予算制約

2.需要を考える
  ポップコーンの需要曲線
  予算が増えて好みが変わったら
  仕事と自由時間,スポーツする時間をどう配分するか

3.企業はどのように生産を決めるか
  生産計画を立てる
  (例3)薄型テレビを製造する
  生産量と必要な総費用
  企業の生産工程
  総費用曲線


第2章 スポーツとミクロ経済学
1.費用とは 
  平均費用と限界費用
  平均費用と限界費用の性質
  損益分岐点と供給曲線
  生産量と利潤
  供給曲線と損益分岐点,企業閉鎖点
  企業閉鎖点

2.メーカー(生産者)はどのように価格を決めるか
  スポーツの記録とハイテクギア
  スポーツグッズ販売の限界収入と需要線
  スポーツ用品メーカーの生産量と利潤の決定

3.スポーツグッズの生産量を決める弾力性
  弾力性とは何か
  需要の価格弾力性
  需要線と価格弾力性
  勝つためには不可欠で高価だが替えがないもの
  競争市場と独占市場では価格決定が異なる


第3章 統計学とスポーツ
1.統計データとは
  データの整理・統計
  統計データとは
  母数
  統計データの特性をつかむ
  チームデータの整理

2.統計データの特性
  データの位置に関する代表値・平均値
  グループ間の比較・視覚的理解・箱ひげ図
  データからチームのばらつきを比較する
  分散と標準偏差でばらつきの大きさを比較
  標準偏差と偏差値

3.変数同士の関係・相関係数
  領域分割,偏差積和,共分散で打点,本塁打,盗塁の関係を調べる
  偏差積和と共分散,相関係数から相互関連を明らかにする  
  相関係数の値と散布の状況

4.確率変数とは,期待値とは
  コイントス確率変動
  確率とは
  確率の性質
  確率変数の平均値
  平均と分散,平均と期待値を確率変数から考える

5.でたらめさから規則性を見つける 
  不良品を見つけ出す方法と釣り鐘
  二頂分布から正規分布
  正規分布の特徴


第4章 野球と統計学・セイバーメトリックスで勝つ 
1.セイバーメトリックス
  セイバーメトリックスの変遷
  セイバーメトリックスの主張
  評価ポイントの要点

2.優れた打者と投手を評価するもの
  セイバーメトリックスのデータ指標――打者-1
  セイバーメトリックスのデータ指標――打者-2
  セイバーメトリックス指標と打率の評価
  セイバーメトリックスのデータ指標――投手-1
  セイバーメトリックスのデータ指標――投手-2 

3.データ野球と作戦評価
  野球選手の出塁確率を求めるには
  データ野球,リンゼイ・モデル
  データ野球(1)――盗塁のサインは適当か
  データ野球(2)――送りバントのサインは適当か
  データ野球(3)――打てのサインは適当か


第5章 ゲームの理論と戦略
1.ゲームの理論とは
  牛丼戦争とスポーツ戦術
  同時ゲームと基礎的ないくつかの概念
  戦略と利得
  利得行列(ペイオフマトリックス
  じゃんけんの利得行列
  プレーヤー・牛丼店の戦略
  牛丼戦争と利得
  ナッシュ解

2.ミクロ経済学とゲーム
  不完全競争市場の複占企業価格決定モデル
  複占企業の生産活動とクールノー
  クールノー・ナッシュの均衡点
  シュタッケルベルクの複占ゲーム
  リーダー・フォロワーとリーダー・リーダーの解,利潤

3.社会関係と囚人のジレンマ
  囚人のジレンマ
  囚人のジレンマ解決法(1)
  囚人のジレンマ解決法(2)


第6章 ゲームと勝負に勝つために 
1.ミニマックスでゲームを解く 
  男女の争いと2つのナッシュ均衡
  ゼロサムゲーム
  負けを小さくすることを最重要視する戦略・マキシミニ戦略
  ゼロサムゲームとナッシュ均衡
  マキシミニとミニマックスはゲームの表と裏

2.バッターとピッチャーの対決
  野球をゲームの理論で考える
  マキシミニとミニマックスが一致せず,純粋戦略解が見つからない
  混合戦略とマキシミニの併用
  混合戦略の解を図から求める 

3.サッカーPK合戦の戦略
  サッカーとゲームの理論
  キーパーはどちらに跳ぶべきか
  キッカーはどっちに蹴るか
  得意な手の内を使わない理由は
  最適応答グラフで解を見つける

4.スポーツと恋愛のゲームの理論
  アメリカンフットボールとテニス
  支配戦略,ナッシュ均衡ミニマックス戦略
  恋愛とゲームの理論(1)――野球かショッピングか
  恋愛とゲームの理論(2)――講義かデートか


第7章 ファイナンス入門 
1.ファイナンスキャッシュフロー
  ファイナンス
  キャッシュフロー
  利子と利回り,単利と複利の運用――利子の再投資
  短期金利複利年利率
  インカムゲインキャピタルゲイン,利回り
  現在価値と将来価値

2.投資の管理
  財産の管理・ポートフォリオ選択
  最適な現金の保有・何回で換金するか
  貨幣保有平方根ルール
  債券と価格の関係
  現在価値と割引価値による運用比較
  債券運用と内部収益率
  変動金利を予測するには
  株式投資の物差し指標
  株式価格変動の予想

3.分散投資の理論
  リスクを織り込むパフォーマンス評価・シャープの測度
  リスクの分散効果――平均―分散アプローチ
  [Step1] 期待収益率(リターン)を計算する
  [Step2] 標準偏差(リスク)を考慮する
  [Step3] 異なる相関係数でリスクを計算する
  [Step4] 分散投資の効果 


第8章 スポーツファイナンス 
1.スポーツ投資とファイナンス 
  ラクロスチームの招待試合
  正味現在価値(NPV)ルール
  NPVによる不動産投資評価の例
  ラクロスチームへの協賛金を評価
  企業クラブチームの相次ぐ廃部・休部

2.契約金のファイナンス 
  チームを移籍するためには
  フリーエージェント
  ポスティング制度
  MLBのキャッシュ・インフローとテレビ広告収入
  MLBのキャッシュ・アウトフロー
  MLBのキャッシュ・インフローとテレビ放映権・広告料
  日本人投手移籍のキャッシュ・インフロー
  日本人投手移籍による収入とNVP,移籍金の推定

3.クラブチームのファイナンス技術・金利対策
  証券発行か銀行融資か
  デリバティブによる危険回避
  固定金利と変動金利LIBOR
  ファイナンステクニック(1)金利変動リスクの回避――金利スワップ取引
  金利スワップ金利オプション
  ファイナンステクニック(2)調達コスト増加の歯止め――キャップ取引
  ファイナンステクニック(3)資産価値目減り対策――フロア取引
  キャップとフロアの戦略的利用法
  ファイナンステクニック(4)カラー
  ファイナンステクニック(5)スワップション――より進んだファイナンステク


理解と復習のための参考文献 
索引 

『スポーツの経済学―― 2020年に向けてのビジネス戦略を考える』(小林至 PHP研究所 2015)

著者:小林 至[こばやし・いたる](1968-) スポーツ経営学。元・プロ野球選手。
装丁:葦澤 泰偉[あしざわ・たいい](1948-) 装幀家、アートディレクター。
装画:シャッターストック
内容:欧米のスポーツ産業の紹介と解説。


スポーツの経済学 | 小林至著 | 書籍 | PHP研究所


【目次】
目次 [001-005]


序章 現代社会におけるスポーツの経済的役割 007
ポストモダン産業としての「みるスポーツ」


第1章 スポーツが経済活動の一環に組み込まれていく過程 019
スポーツビジネスは日本ではじまった?
欧州は産業革命以降
欧州におけるプロスポーツの誕生
スポーツの経済的発展を阻害したアマチュアリズム
マチュアリズムの崩壊は冷戦の副産物?
マチュアリズムの理解に失敗した日本


第2章 1984 スポーツ・ビジネス元年 033
スポーツの商業化、ソフト化
スポーツのメディア価値
スポーツビジネス元年〜1984年ロサンゼルス五輪
マーケティングの古典的事例、ペプシコーラvsコカ・コーラ 
■Column 時代の最先端、ペプシコーラのキャンペーン
コダックvsフジ


第3章 オリンピックとFIFAワールドカップの経済学 052
オリンピックビジネスの成長
ISLとホルスト・ダスラー
FIFAワールドカップの成長
IOC VS FIFA


第4章 北米プロスポーツリーグとNPBの経済学 068
対極的な経営スタイル
アメリカの新規参入金
再訪~2004年の球界再編問題
地域密着は進み、体力は強化された
拡がる格差
スポーツ団体にとって、ビジネス環境が厳しい日本
■Column 日米の格差穴埋めへ「侍ジャパンブランド化」国際市場の開拓に期待
北米4大プロスポーツ
アメリカのリーグの特徴
歴史
リーグ運営の特徴
NFLのテレビ放送権
最大の支出は選手年俸
サラリーキャップ
サラリーキャップ労働争議
アメリカの放送権はなぜ高い
最強ケーブル局は、スポーツ専門のESPN
課金視聴スタイルでサッカーが崩壊を免れた英国
■Columna アメリカにおけるアメフト人気の考察〜オンリー・イン・アメリカ
■Columna 小林至のスポーツ経営学講義
ウィスコンシン州グリーンベイ市、奇跡の球団パッカーズ
■Column 奇跡の現場を訪ねて
価値向上のためのさまざまな特殊なルール
フランチャイズ制度
ドラフト会議と保留制度
税金ビジネス
日本ではこうはいかない
アメリカの自治体が税金を投入する背景
Build it and they will come.
税金で球場を作る契機になった都市その1 〜ボルティモア
税金で球場を作る契機になった都市その2 〜クリーブランド
スポーツ球団と地域経済との関わり方諸例
球場は社交場、遊戯場である
レディング市長トム・マクモーン氏へのインタビュー
インディアナ州サウスベンド市
町の活性化の切り札に
経済的な採算は合わないけれども
NCAA
■ Column 日本と世界でスポーツ興行市場に大きな格差。大きく違う球団と球場の関係


第5章 欧州サッカーの経済学 175
欧州サッカー
チャンピオンズ・リーグ
イングランド・サッカーの劇的! V字回復
悲劇を繰り返さないために
ボスマン判決
2極化
国際展開で新たな成長ステージへ
テレビ放送権などの権利処理の方法からみえる、欧州各リーグの差異
欧州における球団と地域の関係
バイエル社が作った町レバークーゼン
クラブ経営はカネがかかる


あとがき [213-217]
参考文献 [218-219]





【関連記事】

『スポーツの資金と財務』(武藤泰明 大修館書店 2014)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20161129/1479979123


『よくわかるスポーツ人類学』(寒川恒夫[編] ミネルヴァ書房 2017)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20210429/1619625600

『よくわかるスポーツ人類学[やわらかアカデミズム]』(寒川恒夫[編] ミネルヴァ書房 2017)

※肩書は当時のもの。
編者:寒川 恒夫[そうがわ・つねお](1947-)
著者:相原 進[あいはら・すすむ] 立命館大学ほか非常勤講師
著者:相原 健志[あいはら・やすし] 慶應義塾大学など非常勤講師
著者:一階 千絵[いっかい・ちえ] 群馬県立女子大学文学部准教授
著者:岩瀬 裕子[いわせ・ゆうこ] 首都大学東京大学院人文科学研究科博士後期課程
著者:袁 書營[えん・しょえい] 山東大学講師(中国)
著者:大塚 紀子[おおつか・のりこ] 諏訪流第十八代宗家。諏訪流放鷹術保存会事務局長
著者:大森 重宜[おおもり・しげのり] 金沢星稜大学人間科学部教授/人間科学部長。大地主神社宮司
著者:海江田 保雄[かいえだ・やすお] 早稲田大大学院スポーツ科学研究科修士課程
著者:神戸 周[かんべ・ちかし] 東京学芸大学教育学部教授
著者:木内 明[きうち・あきら] 東洋大学ライフデザイン学部准教授
著者:北原 卓也[きたはら・たくや] 早稲田大学大学院文学研究科文化人類学コース博士後期課程
著者:幸喜 健[こうき・けん] 東京福祉大学社会福祉学部講師
著者:小木曽 航平[こぎそ・こうへい] 早稲田大学スポーツ科学学術院助教
著者:國寳 真美[こくほう・まみ] 上智大学文学部保健体育研究室嘱託講師
真田 久さなだ・ひさし] 筑波大学体育系教授
著者:庄形 篤[しょうがた・あつし] 早稲田大学スポーツ科学研究科博士後期課程
著者:杉山 千鶴[すぎやまちづる] 早稲田大学スポーツ科学学術院教授
著者:成 順恵[せい・じゅんえ] 早稲田大学スポーツ科学研究科修士課程
著者:瀬戸 邦弘[せと・くにひろ] 鳥取大学教育支援機構教育センター准教授
著者:寒川 恒夫[そうがわ・つねお] 早稲田大学スポーツ科学学術院教授。 ※編著者
著者:高野 美和子[たかの・みわこ] 日本女子体育大学准数授
著者:高橋 京子[たかはし・きょうこ] フェリス女学院大学文学部准教授
著者:田里 千代[たさと・ちよ] 天理大学体育学部教授
著者:田邊 元[たなべ・げん] 早稲田大学スポーツ科学学術院助手
著者:鄭 稼棋[てい・かき] 鹿屋体育大学特任講師
著者:中嶋 哲也[なかじま・てつや] 茨城大学教育学部准教授
著者:朴 周鳳[ぱく・じゅはん] 国際武道大学体育学助教
著者:橋本 彩[はしもと・さやか] 東京造形大学助教
著者:波照間 永子[はてるま・ながこ] 明治大学大学院情報コミュニケーション研究科准教授
著者:菱田 慶文[ひしだ・よしふみ] 四日市看護医療大学地域研究機構地域研究センター研究員
著者:細谷 洋子[ほそたに・ようこ] 四国大学生活科学部講師
著者:Maja Sori Doval[マーヤ・ソリドール] 津田塾大学国際関係学科専任講師
著者:馬 晟[ま・せい] 華南師範大学准教授(中国)
著者:松尾 俊輔[まつお・しゅんすけ] 東京大学大学院総合文化研究科博士課程
著者:Mawaththalage Sanjeewa Manawarathne[マワッタラゲ・サンジーワ・マナワラタナ] 早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程
著者:孟 蒙[もう・もう] 廈門大学講師(中国)
著者:楊 長明[よう・ちょうめい] 吉林大学准教授(中国)
著者:李 承洙[り・すんす] 中央大学教授(韓国)
シリーズ:やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ 


よくわかるスポーツ人類学 - ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社



【目次】
はじめに(寒川恒夫) [i]
もくじ [ii-v]


第I部 スポーツ人類学への誘い 001

1 スポーツ人類学の視点 
1-1 スポーツ人類学とはなにか 002
1-2 スポーツ人類学の研究対象 004
1-3 スポーツ人類学の研究方法 006
1-4 スポーツ文化複合 008


2 スポーツの起源 
2-1 起源の探り方 010
2-2 タイラーの残存起源説 012
2-3 ベイトソンのメタコミュニケーション説 014


3 スポーツの伝播と変容
3-1 なぜ同じ遊びが存在するのか:鬼ごっこ“子とろ子とろ” 016
3-2 サッカーのグローカリゼーション 018
3-3 世界を駆ける柔術 020
3-4 YOSAKOIソーランの国内伝播 022


4 スポーツと宗教
4-1 スポーツは宗教か 024
4-2 儀礼的スポーツ 026
4-3 宇宙論とスポーツ 028
4-4 サッカー・マラドーナ教 030


5 遊びの人類学
5-1 『ホモ・ルーデンス』の読み方 032
5-2 遊びの社会化・文化化機能 034
5-3 人類の遊び時間と労働時間 036
5-4 フッタライトの生活と遊び 038
5-5 遊びの季節:狩猟採集民・農耕民・遊牧民と遊び 040


第II部 スポーツ人類学の諸相 043

[A からだと技のスポーツ人類学] 
6 健康のスポーツ人類学 
6-1 健康の語り:死の起源神話から 044
6-2 アルマ・アタ宣言と伝統的健康法 046
6-3 心身癒しスポーツの創られ方 048
6-4 タイ・マッサージのヘルス・ツーリズム 050


7 動きのスポーツ人類学
7-1 身体技法としてのスポーツ技術 052
7-2 評価される動き 054
7-3 歩き方の文化:日本人はナンバで歩いたか 056
7-4 “ふり”を創る 058


8 からだのスポーツ人類学
8-1 タラウマラの涙:走る力と人種差別 060
8-2 アルゼンチンの「スポーツによる人種改良」?:20世紀初頭の身体-神経-精神と優生学 062
8-3 台湾原住民族のスポーツ身体言説:生まれつき優れているのか 064
8-4 呪術が創るからだ:チェロキーのラクロス・トレーニング 066
8-5 混血のからだ、純血のからだ、ナチスのからだ 068


9 エスノサイエンス身体論
9-1 サイエンスの身体とエスノサイエンスの身体 070
9-2 太極拳の身体 072
9-3 タイ・ルーシーダットンの身体 074
9-4 インド武術カラリパヤットの身体 076


[B サブカルのスポーツ人類学]
10 おどりの人類学 
10-1 ポストモダンの舞踊文化 078
10-2 バリ伝統舞踊の開放性と閉鎖性 080
10-3 踊りの真正性 082
10-4 「芸能武術」は踊りか 084


11 サッカーの人類学
11-1 レアルとバルサ:スペインの代理民族戦争 086
11-2 サポーターの文化 088
11-3 サッカーの中のジェンダー問題 090
11-4 通過儀礼の場としてのスタジアム 092


12 マンガのスポーツ人類学
12-1 『キャプテン翼』とグローバル文化 094
12-2 日中韓にみるスポーツマンガ事情 096
12-3 『ちはやふる』の翻訳文化 098
12-4 武術マンガ:『グラップラー刃牙』にみる「止め」の美の世界 100


13 部活のスポーツ人類学
13-1 部活という日本文化 102
13-2 生徒が創る“体罰を正当化する文化”  104
13-3 駅伝・六大学野球ラグビー対抗戦の儀礼性 106
13-4 応援団の文化:近代日本を創ったバンカラ身体文化 108


14 動物スポーツの人類学
14-1 スポーツ動物をめぐる文化と倫理 110
14-2 鷹狩:生き残る「人類の文化遺産」 112


[C アイデンティティーとスポーツ]
15 エスニシティー,ナショナリティーとスポーツ
15-1 中国の全国少数民族伝統体育運動会 114
15-2 テコンドーと花郎道 116
15-3 トンガ王国ラグビー選手:ディアスポラとスポーツ 118
15-4 メキシコのぺロタ・ミシュテカ 120
15-5 スリランカクリケット:国民統合のシンボル?  122
15-6 ヘレネス国家の創造:近代ギリシャのオリンピック 124
15-7 スペイン・カタルーニャ州における「人間の塔」 126


[D シンボリズムとスポーツ人類学]
16 スポーツ空間の人類学 
16-1 土俵と鞠場:道教コスモロジー 128
16-2 ラオスルアンパバーンボートレース場 130
16-3 北京オリンピック建築の象徴性 132
16-4 文化としての駅伝空間:バーチャルな伝統空間で創られるスポーツ文化 134


[E 学びとスポーツ人類学]
17 学習のスポーツ人類学
17-1 わざ言語 136
17-2 技の修行論:武術伝書の語り方 138
17-3 民族スポーツによる異文化教育 140
17-4 異端の練習文化:戦術的ピリオダイゼーションという思想 142


[F 文化政策とスポーツ人類学]
18 民族スポーツの観光化 
18-1 ユネスコ人類無形文化遺産と民族スポーツ観光 144
18-2 ラオスの伝統ボートレース 146
18-3 創られた伝統舞踊「ケチャ」 148
18-4 ギネス認定那覇大綱挽まつり 150
18-5 中国朝鮮族のシルム観光 152
18-6 国指定無形文化遺産“清水江ミャオ族の龍舟競漕”  154
18-7 観光資源「ミャオ族伝統武術」 156
18-8 タンザニアの伝統舞踊:舞踊とツーリズム 158
18-9 韓国の闘牛観光 160
18-10 ご当地スポーツ 162


第III部 スポーツ人類学のエスノグラフィー 165

19 日本の民族スポーツ・エスノグラフィー
19-1 秋田竿燈:日本の伝統的ウエイトリフティング 166
19-2 博多祇園山笠:巨大神輿マッチレース 168
19-3 西大寺観音院会陽の宝木争奪戦:日本の伝統的ボールゲーム 170
19-4 古武道 172
19-5 キリコ祭り:創られつつある民族スポーツ 174 


20 アジアとオセアニアの民族スポーツ・エスノグラフィー
20-1 タイのムエタイ:ギャンブル戦士 176
20-2 ハワイのマカヒキゲーム:ハワイアン・アイデンティティーと伝統スポーツ文化 178
20-3 ペンテ・コスト島のバンジージャンプ 180
20-4 韓国のブランコ 182
20-5 台湾原住民族スポーツ大会 184


21 ヨーロッパとアフリカの民族スポーツ・エスノグラフィー
21-1 スコットランドのハイランドゲーム 186
21-2 スウェーデン・ゴトランド島のストンガスペレン 188
21-3 イタリアのカルチョ 190
21-4 エジプトのナッブート:ナイルのほとりの民族スポーツ 192
21-5 ナイジェリアのバチャマ族相撲 194


22 南北アメリカの民族スポーツ・エスノグラフィー
22-1 ワールド・エスキモー・インディアン・オリンピック:WEIO 196
22-2 ブラジルのカポエイラ 198
22-3 メキシコのウラマ 200
22-4 ブラジルのフレーヴォ 202
22-5 カリビアン・ダンス 204


さくいん [206-211]
執筆者紹介 [213-214]




【メモランダム】
・アマゾンで書名検索したところ、日本語文献が予想以上にあったのでメモを残しておく。大修館がこの分野に非常に力を入れているようだ。


『アフロ・ブラジル文化――カポエイラの世界[スポーツ人類学ドクター論文集]』細谷洋子 明和出版

『スポーツ人類学入門』ブランチャード,K、チェスカ,A. 大修館書店

『相撲の人類学[スポーツ人類学叢書]』寒川恒夫、店田広文、井浦吉彦、宇佐美隆憲、足立昭也、ペトロ・クネヒト 大修館書店

『教養としてのスポーツ人類学』大修館書店

『21世紀の伝統スポーツ[スポーツ人類学叢書]』大修館書店

『スポーツ人類学――グローバリゼーションと身体』Niko Besnier、Susan Brownell、Thomas F. Carter[著] 川島浩平ほか[訳] 共和国
The Anthropology of Sport: Bodies, Borders, Biopolitics

『スポーツ人類学』宇佐美 隆憲 明和出版

『日本の体罰――学校とスポーツの人類学』アーロン・L・ミラー 共和国

『応援の人類学』丹羽 典生 青弓社

『虎とバット――阪神タイガース社会人類学』ウィリアム・W・ケリー ダイヤモンド社

『つよいのなんの!――格闘技文化人類学』風柳祐生子 青弓社

『殴り合いの文化史』樫永真佐夫 左右社

『アジア舞踊の人類学――ダンス・フィールド・ノート』宮尾慈良 PARCO出版局(Parco picture backs)

『回るアレヴィー トルコの都市における場とパフォーマンスの人類学』米山知子 スタイルノー